エリオット波動8つの特徴①押さえておきたい波動の延長の基本

エリオット波動8つの特徴、波の延長

前回は、エリオット波動の基本構造について紹介した。エリオット波動では、「1波、2波、3波、4波、5波」の推進波、そして「a波、b波、c波」の修正波と、基本的には2種類の大きな波動がある。

各波には各々の特徴があり、一つ一つの波動が連結してチャートが形成されている。そのためにも、波動を形成する上で守らなければいけないルール(基本原則)があった。

今回は、エリオット波動分析で必ずそうなるべきルールではないが、波動のカウントを推測するときにコレを知っていると便利なエリオット波動の「8つの特徴」について述べる。

「8つの特徴」を頭に入れておくことで、エリオット波動の習性やトレードする上でのシナリオ構築の一助となる。
言い換えると、この記事に書かれている知識があれば、カウントで迷うことが少なくなる。

エリオット波動における8つの特徴は以下のようになる。

・波動の延長  ←今回はこの話をします
・波動の均等性
・オルタネーション
・チャネリング
・出来高
・比率関係
・修正波の深さ
・波動の個性

パッと見した感じだと、難解に感じるかもしれない。でも、これらの特徴はエリオット波動分析をする上で、ものすごく便利な指針になる。

特徴ごとに8つの記事に分けて個別で詳しく解説していくので、最後までチェックしてみてほしい。今回の記事では、まず「波動の延長」について説明する。

目次

1. 波動の延長とは

波の延長

波動の延長とは別名「エクステンション」とも呼ばれ、インパルスの1波、3波、5波、いずれかの波動が延長することを指す。延長が起きた場合、他の2つの波は延長しない。例えば、1波が延長した場合は3波と5波は延長せず、3波が延長した場合は1波と5波は延長しない。

エクステンション

延長する波動における副次波の大きさは他の大きな波動と同程度の大きさになる。

2. 9波動に見えるが実は5波動

9波動に見えるが実は5波動

延長は1波.3波.5波のどの波動でも形成されるので、延長する長い副次波を含めて9波動構成のように見えてしまうこともある。

9波動に見えるエリオット波動

しかし、あくまで延長した波動の副次波であり、全体的には以下の図で示す通りの5波動構成になっている。

エリォット波動3波延長

これは、3-3をインパルスの5波と思っていたが実際には3波が継続中となる。「波の延長」という知識がないと、3-3から5波が終わり修正波のA波と思い売ってしまい損失を出すことになる。

波の延長の一覧

1波が延長

3波が延長

5波が延長

注意
波の延長をフラクタル構造と混同してしまうことがある。フラクタル構造の波とは、時間軸を短くしたチャートに分解して見たときに初めて見えてくる波である。(例 1時間足で見えたインパルスの1波を15分足に分解したら、その1波の部分に小さいエリオット波動が見えるといった状況の事)

しかし波の延長と言われる現象は副次波でも、一回り大きなエリオット波動と同じ大きさの波を作る。このことから、9波動に見えてしまう。

フラクタル構造で見える波は分解しないとわかりづらい波。
拡張の波は副次波なのに同じ大きさに見える波。

チャートの右端で延長を判断するためにはこの後で学ぶ、波動の均等性や比率関係なども合わせて使うと識別しやすくなる。
ただ、今回のところは1波、3波、5波のどれかが延長することがあるとだけ覚えておけばよい。

3. 3波の3波は最も長くなりやすい

3波の3波は最も長くなりやすい 3波の3波

アクション波とも呼ばれる1波、3波、5波において、最も延長しやすいのは3波だ。とりわけ、3波を形成する副次波はインパルスを形成しやすく、その中でも副次波の3波が大きくなりやすい。

エリオット波動をトレード分析に使用する者の多くは、3波に出現する副次波の3波を利益を得られる絶好のポイントとして見ている。(3波の3波だけを狙ってトレードする者もいるくらいだ。)

3波の次に延長しやすい波動は5波だ。「推進の5波動がそろそろ終わりそうだな〜」と、思っていると波動がどんどんと延長していくことがある。

そんなときに、「そろそろ、上昇も限界だろう」と空売りをしてしまうと、思わぬ損失を出してしまうことがある。下図参照

5波延長して踏まれる

また、5波の場合は副次波の5波がさらに延長する場合がある。

5波の5波がさらに延長

深久から一言

小生の経験上の話をするが、この現象は5波の副次波がダイアゴナルのときに多い。苦い経験がある。そろそろ下がるだろうと思い、売ってみたら踏まれる。それでも損切りをせずに意地になって売りあがりトコトンやられた。相場は思い込まないことがとにかく大事だ。

4. 修正波にも延長がある

修正波にも延長がある

延長波は一般的にインパルスに見られるが、修正波においても延長と見られる現象は起きる。トライアングルはA~E波のどれかがトライアングルになることで、9波動構成のトライアングルになったりする。

他にはダブルジグザグ、トリプルジグザグはジグザグが延長したケースといえる。複合修正波の場合はダブルスリー、トリプルスリーが延長したケースといえる。

脳みそバーン

文字だけだと、何を言っているのか?サッパリわからないだろう。ダブルスリー、トリプルスリー、複合修正波というのは以前の記事で書いた内容だが、かなり複雑な話で覚えきれてない人や、このページが初めて訪れたという人のためにおさらいと図をまじえながら説明をする。

4-1. ジグザグの延長

ジグザグの延長の場合はダブルジグザグ、トリプルジグザクとなる。単一のジグザグでは価格の修正(ふるい落とし)が充分でない場合に延長が起きる。※ふるい落としが必要な理由の説明はこの記事を参照。

延長と表現するとわかりにくいかもしれない。言い方を変えると、ふるい落としが充分でない場合は、もう一度ふるい落としをする。これが、ダブルジグザグとしてチャートに現れるのだ。

ジグザグの延長

ジグザグの記事
ダブルジグザグの記事

4-2. 複合修正波の延長

また、価格修正ではなく時間調整が足りない場合は、複合修正波となりそれがダブルスリーやトリプルスリーと言われる。言い換えると、ダブルスリーやトリプルスリーも延長の1つといえる。下図参照、ダブルスリーの例

ダブルスリー

ダブルスリー、トリプルスリーについておさらいすると、エリオット波動論では修正波は3波で構成される。
修正波が2つであれば修正波は3波で構成される「3」が2つでタブルスリーという。トリプルであれば、修正波が3つという意味だ。

詳しくはこちらの記事参照

4-3. トライアングルの延長

トライアングルにおいてはAからE波のいずれかの波がトライアングルになる。それゆえ、9波動構成に見えるトライアングルが形成される。

5. 3波が延長した場合フェイラー現象が度々起こる

5. 3波が延長した場合フェイラー現象が度々起こる フェイラー現象

フェイラー現象というのは英語の「Failure:失敗する」を由来としていて、インパルスの5波終点が3波を超えられない現象のこと。

フェイラー現象が起こりやすい傾向があるのは、3波において延長が起きた場合である。急騰、急落が起きたと推定される3波の後は、5波がフェイラーしやすくなる。

特に、フェイラーしたとされる5波は後述する「波動の均等性」でも述べているが1波と同等の長さになりやすい。

深久から一言

5波が3波の高値を越えられなかったことを、力が弱まった証拠と見て転換の判断材料とする考え方もあり、このことが天井圏に現れ転換のチャートパターンとされるダブルトップやヘッドアンドショルダーの根拠となる。

一般的に ダブルトップやヘッドアンドショルダーはネックライン割れで売りとされている。その部分は➃の安値を割りこむ場所であったり3波の副次波の4波を割り込む場所であったりする。

6. まとめ

エクステンションまとめ

エリオット波動の延長についてまとめると、以下のような特徴がある。

・インパルスの1.3.5の波のどれかが延長(エクステンション)する場合がある。
・延長は1つで他の2つの波は延長しない。
・3波が延長した場合は「フェイラーが起きやすくなる」。
・修正波にも延長はある。 価格修正の場合はタブルジグザグ。
・時間の調整の場合は複合修正波であるダブルスリー、トリプルスリー。

以上のような延長の特性を掴み、正しく波を見極めよう。次は、エリオット波動の「均等性」について説明する。

エリオット波動8つの特徴②波動の均等性を徹底解説