ボリンジャーバンドの見方って多種多様?エントリーのコツから注意点まで解説
ボリンジャーバンドはトレンド系のテクニカル分析手法で、多くのトレーダーに使用されています。
とはいえ使い慣れていない方にとっては、「ボリンジャーバンドの見方や使い方が分からない」「どうやってトレードに利用すればいいの?」と疑問に感じるでしょう。
ボリンジャーバンドで見るべきポイントは±σの拡大・縮小と移動平均線、そしてローソク足。
以上の3点を見れば、エントリー・利確ポイントを探れるのです。
この記事では、ボリンジャーバンドで見るべきポイントを解説します。
併せて、ボリンジャーバンドを活用したトレード手法についても画像を用いながら説明します。
最後まで読めばボリンジャーバンドの経験を積むきっかけとなり、トレードの幅が広がりますよ!
目次
- 1ボリンジャーバンドとは?最低限押さえておきたい基本事項
- 2ボリンジャーバンドの見方は?分析精度を上げるチェックポイントを解説
- 2.1ボリンジャーバンドを使ったチャートの見方3点
- 2.2ボリンジャーバンドの見方は期間ごとに異なる
- 3エントリーポイントを見つけよう!ボリンジャーバンドの使い方
- 3.1エントリー・利確ポイントを見つけるには?
- 3.2エントリー・利確ポイントを見つける際の注意点
- 4ボリンジャーバンドの見方をトレード実例を通して確認!
- 4.1ボリンジャーバンドの逆張り手法
- 4.2ボリンジャーバンドの順張り手法
- 5他のテクニカル分析を用いたトレード手法
- 5.1ボリンジャーバンド×RSI
- 5.2ボリンジャーバンド×移動平均線
- 6まとめ
1. ボリンジャーバンドとは?最低限押さえておきたい基本事項
ボリンジャーバンドとは、トレンド系のテクニカル分析手法です。
ローソク足上に表示されている3本の線がボリンジャーバンドになります。
真ん中の黄色い線は移動平均線であり、上下のピンクの線はσ(標準偏差)と呼ばれます。
なお、σは1σ・2σ・3σの3種類から設定でき、その範囲内で値動きする確率は下記の通り。
- ±1σの範囲内で推移する確率:約68.3%
- ±2σの範囲内で推移する確率:約95.4%
- ±3σの範囲内で推移する確率:約99.7%
例えばボリンジャーバンドを±2σに設定した場合、価格がσの範囲外に達する確率は約4.6%。
仮に価格がσの範囲から飛び出ても、高い確率でσの範囲内に戻ると分析できるのです。
2. ボリンジャーバンドの見方は?分析精度を上げるチェックポイントを解説
ボリンジャーバンドは移動平均線とσで構成されるテクニカル分析手法であると解説しました。
それではトレードでボリンジャーバンドを活用するにはどうすれば良いのでしょうか。
ここではチャート分析で活用できるように、
- ボリンジャーバンドの見方
- 期間ごとの特徴
上記2点を解説します。
2-1. ボリンジャーバンドを使ったチャートの見方3点
ボリンジャーバンドを使ってチャートを見る際は、下記の3点を意識しましょう。
- ボリンジャーバンドの縮小・拡大
- 移動平均線の傾き
- ローソク足の位置
それぞれ解説します。
見方① ボリンジャーバンドの縮小・拡大
ボリンジャーバンドのσに注目してみてください。
σは縮小(スクイーズ)と拡大(エクスパンション)を繰り返します。
この縮小・拡大の様子を見れば、トレンドを分析できるのです。
σが縮小していればレンジ相場中であり、トレンド発生を予兆するサイン。
反対に拡大していればトレンド発生中であると判断できるのです。
また、σの拡大中に縮小する様子が見られれば、トレンド終了のサインになります。
このようにボリンジャーバンドでは、σの縮小・拡大を見てトレンドを分析できるので、ぜひチャートで確認してみましょう。
見方② 移動平均線の傾き
ボリンジャーバンドでは移動平均線の傾きにも意識します。
移動平均線は一定期間における価格の平均を示します。
上下のいずれかに傾いている時はトレンド相場であり、平行に推移している時はレンジ相場だと分析できます。
以上のように移動平均線の傾きでトレンドを確認できるのです。
上記した通り、ボリンジャーバンドはトレンド系のテクニカル分析手法。
σの幅と移動平均線を組み合わせれば、トレンドの様子を把握できます。
見方③ ローソク足の位置
最後にチェックすべきは、ボリンジャーバンドにおけるローソク足の位置です。
価格はσの範囲内・範囲外なのか、もしくは移動平均線より上か下なのかを見ます。
ローソク足の位置が分かれば、エントリーや利確ポイントの目安を決められるのです。
エントリー・利確ポイントを見つけるポイントについては後述します。
2-2. ボリンジャーバンドの見方は期間ごとに異なる
ボリンジャーバンドは期間によって見方が異なります。
ボリンジャーバンドでよく使用される期間は、下記の3つ。
- 期間9日・10日の場合
- 期間20日・21日・25日の場合
- 期間50日・75日・100日の場合
それぞれの見方を解説します。
期間9日・10日の場合
期間9日・10日におけるボリンジャーバンドの形を見てみましょう。
このチャート上には、期間9日のボリンジャーバンドを示しています。
±σの幅を見ると、ほぼ一定であるのが分かりますね。
縮小・拡大の差が小さく、トレンド発生や終了のサインを見つけにくい点を押さえておきましょう。
一方で、±σと移動平均線の向きを確認しやすいので、トレンドが上下のどちらであるのか判断しやすくなります。
期間20日・21日・25日の場合
次は期間20日・21日・25日の場合です。
期間20日のボリンジャーバンドをチャート上に表示しています。
先ほどの期間9日のボリンジャーバンドと比べると、縮小・拡大しているところが分かりやすいですね。
縮小していればレンジ相場で、拡大していればトレンド相場であると分析可能です。
また、トレンドの方向を分析する際は、より大きな時間足のトレンド方向を確認するのをおすすめします。
このチャートの時間足は4時間足なので、日足・週足・月足のように大きな時間足で相場の流れを把握しましょう。
大きな時間足でのトレンドと方向が一致していれば、トレンドの持続性は高いと判断できます。
一致していなければトレンドは長続きしない恐れがあるので、注意してください。
期間50・75・100日の場合
最後に期間50日・75日・100日におけるボリンジャーバンドの見方です。
このボリンジャーバンドの期間は50日。
期間9日と似た形をしていますね。
期間50日以上と長めに設定した場合、±σの縮小・拡大の差が小さくなっているのが分かります。
この理由としては、緩やかながらもトレンドがしっかり発生・継続しており、短期間で見られるような価格の乱高下が少ないため。
トレンド発生や終了の見極めを即座に見極めるのは難しいですが、長めの期間に設定しているので、相場全体の流れを把握しやすくなります。
3. エントリーポイントを見つけよう!ボリンジャーバンドの使い方
ボリンジャーバンドを見る時のポイント3点を押さえた上で、ボリンジャーバンドの使い方をマスターしましょう。
ここではエントリー・利確ポイントの見つけ方と、その際の注意点を解説します。
3-1. エントリー・利確ポイントを見つけるには?
エントリーポイントを見つける時は、始めに±σの幅や移動平均線を見て、トレンド相場かレンジ相場か判断します。
次にローソク足と±σの位置を見て、エントリーポイントを見つけましょう。
詳しくは後述しますが、トレンド相場なら±σをブレイクした時に順張りし、レンジ相場なら±σブレイクと同時に逆張りという方法があります。
順張りする場合、±σをブレイクしたところがエントリーポイントであり、±σの縮小を確認したところが利確ポイント。
逆張りする場合、±σに達したところがエントリー・利確ポイントとなります。
このようにボリンジャーバンドの縮小・拡大、±σと移動平均線の傾き、そしてローソク足の位置を見れば、トレードに活かせるのです。
3-2. エントリー・利確ポイントを見つける際の注意点
ボリンジャーバンドは一定期間内における値動きをもとにσ(標準偏差)や平均価格を示します。
したがって、設定期間外で発生した価格変動には対応できない点に注意してください。
価格変動がボリンジャーバンドに反映されなければ、エントリー・利確ポイントを見つけるチャンスは減ります。
もし直近の価格変動をいち早くボリンジャーバンドに反映させるには、設定期間を短くするのが効果的です。
期間を短くすれば値動きに関する情報が増えますので、エントリーポイントを多く見つけられるでしょう。
ただし短い期間ではダマシも多くなりがちなので、他のテクニカル分析を併用してダマシを回避しましょう。
4. ボリンジャーバンドの見方をトレード実例を通して確認!
ここからは実際にボリンジャーバンドを活用した逆張り・順張り手法を解説します。
±σ・移動平均線・ローソク足をどのように観察し、エントリー・利確ポイントを探せば良いのかを見ていきましょう。
4-1. ボリンジャーバンドの逆張り手法
ボリンジャーバンドで逆張りする時は、レンジ相場を狙います。
そのため±σと移動平均線を見て、レンジ相場であるかどうかを確認しましょう。
チャート上にボリンジャーバンドを表示させています。
ほぼ並行に±σと移動平均線が推移しているため、レンジ相場と判断できますね。
レンジ相場を確認したら、ローソク足の動きに注目します。
逆張りする際のエントリー・利確ポイントは±σです。
今回は、価格が+σに達したところでショートエントリーします。
損切りポイントは価格が+σを超え、ボリンジャーバンドが拡大し始めたタイミングです。
ショートエントリー後、価格は下落しました。
-σまで到達したところで、利確します。
以上のように、レンジ相場ではボリンジャーバンドで表示されるσの範囲内で逆張り手法を利用できるのです。
4-2. ボリンジャーバンドの順張り手法
続いて順張り手法を解説します。
ボリンジャーバンドで順張りする時はトレンド相場を利用するので、±σの縮小から拡大のタイミングを狙いましょう。
チャートのボリンジャーバンドを見ると、±σは縮小から拡大し、移動平均線は徐々に下へ傾き始めていますね。
レンジ相場からトレンド相場に入ったと判断できます。
そしてローソク足をご覧ください。
エントリーポイントは±σをブレイクした時ですので、-σを下抜いたタイミングでショートエントリーします。
損切りポイントは、移動平均線の下から上へ価格が抜いたタイミングです。
ショートエントリー後、価格は下落していきました。
利確のタイミングは、トレンドが終了する前です。
トレンド終了のサインは、±σの縮小。
エントリーした方向とは逆の−σを確認してみましょう。
−σはカーブを描いて縮小し始めているので、利確ポイントになります。
トレンド相場が終わる前に、利確しました。
5. 他のテクニカル分析を用いたトレード手法
ボリンジャーバンドと他のテクニカル分析を組み合わせたトレード手法を解説します。
今回はRSIと移動平均線を併用した事例を取り上げましょう。
5-1. ボリンジャーバンド×RSI
1つ目はRSIを併用したトレード手法です。
RSIはオシレーター系のテクニカル分析手法であり、相場における売買の過熱度を調べられます。
ローソク足チャートの下にサブウィンドウが表示され、0%から100%で売買のバランスを分析できるのです。
一般的に30%以下で売られ過ぎ、70%以上で買われ過ぎになります。
またRSIはレンジ相場で機能するため、ボリンジャーバンドと併用するケースでは逆張り手法が効果的です。
ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせて、エントリー・利確の根拠を強固にしましょう。
さっそくチャートを見てみると、±σと移動平均線がほぼ並行で推移していますね。
レンジ相場だと分かるので、逆張りを用いましょう。
値動きを見ると、ローソク足は+σを超えている上に、RSIが70%に達しています。
売られ過ぎであると判断でき、直後に下落する可能性が高いでしょう。
よって、ここでショートポジションを持ちます。
このようにローソク足が±σを超え、なおかつRSIが30%か70%に達したタイミングでエントリーします。
利確ポイントも同様に、「±σ」と「RSIの30%か70%」です。
損切りポイントは、エントリーと同じ方向に値動きし、±σが拡大した時になります。
ショートポジションを持った後、ボリンジャーバンドの形は大きく変わらず、レンジ相場を維持したままです。
やがて価格が-σに達し、RSIも30%にまで下がったので、利確しました。
5-2. ボリンジャーバンド×移動平均線
2つ目は移動平均線を組み合わせたトレード手法です。
移動平均線はボリンジャーバンドの一部にも使用されていますが、併用して使えば、より精度の高いトレンド分析が可能になります。
この手法はトレンド相場を利用するため、順張りがおすすめです。
チャート上のボリンジャーバンドは3本ともピンクの線で示しており、移動平均線は「黄色の線」です。
ボリンジャーバンドは20日(中期間)、移動平均線は9日(短期間)に設定しています。
チャートを見ると、ボリンジャーバンドの中期移動平均線を、短期移動平均線が下抜けていますね。
短期線が中期線を下へブレイクするのをデッドクロスと呼び、値下がりのサインになります。
デッドクロス確認後、ボリンジャーバンドは拡大し、価格が-σを下抜けしました。
ボリンジャーバンドで下落トレンドを認識した上にデッドクロスを見つけたため、今後値下がりしていくと予想されます。
したがって、-σを下抜けたタイミングでショートエントリーしましょう。
利確ポイントはボリンジャーバンドの縮小と、ゴールデンクロスを確認した時とします。
損切りポイントは、ボリンジャーバンドの中期移動平均線を価格が上抜けした時です。
ショートエントリー後、価格は下落しました。
値動きを観察していくと、短期線が中期線を上抜け、ゴールデンクロスができます。
ゴールデンクロスは値上がりのサインですので、ここで利確しましょう。
ボリンジャーバンドで順張りする場合、通常であれば利確のタイミングは±σ縮小時にするのが適切です。
しかしボリンジャーバンドに移動平均線を追加した方法であれば、ゴールデンクロス・デッドクロスを利確ポイントにできます。
この方法であれば、より大きな値幅を狙えるでしょう。
もちろん値幅を十分にとれないケースもあります。
ゴールデンクロス・デッドクロスを待っている間に含み益が減る恐れもあるので、注意してください。
6. まとめ
今回はボリンジャーバンドの見方を解説しました。
ボリンジャーバンドを見る時は、±σ・移動平均線・ローソク足の位置をチェックしましょう。
この3点を確認すれば、エントリー・利確ポイントを探せます。
より分析の精度を上げるためには、ボリンジャーバンドに加えて、他のテクニカル分析を用いるのもおすすめです。
RSIや移動平均線以外にも組み合わせ方がありますので、自分に合った分析方法を見つけてみましょう。