水平線を活用したトレードはどこを見るべき?特徴から注意点まで解説!

水平線を活用したトレードはどこを見るべき?特徴から注意点まで解説!

水平線は高値・安値同士を結ぶだけであるので、テクニカル分析の中では簡単な部類に入ります。しかし、トレードに活用するのは難しいもの。

「水平線を引き過ぎてしまった」

「どうやってエントリー・利確ポイントを決めればいいか分からない」

と悩む方は多いでしょう。

この記事では、水平線の正しい引き方やトレード活用法を解説します。

併せて、水平線の役割やメリット・デメリットもお伝えします。

実際のチャート画像を用いて分かりやすく説明するので、きっとあなたのトレードの参考になるはずです。

目次

1. 水平線とは?特徴と役割について

水平線の特徴は、簡単に利用できる点です。また、水平線の役割は下記の2点になります。

  • 水平線はレジスタンスライン・サポートラインの役割を果たす
  • レジスタンスライン・サポートラインの役割は逆転する

詳しく解説しましょう。

1-1. 水平線は難しい知識が不要である

水平線とは、チャート上で水平になるように引く線のことです。高値同士・安値同士を平行線で結ぶだけであるため、難しい知識は必要ありません。
水平線①は高値と高値を結び、水平線②は安値と安値を結んでいます。
水平線①は高値と高値を結び、水平線②は安値と安値を結んでいます。
このように水平線は、2つ以上の高値・安値を水平に繋げるだけであるため、簡単に引けるのです。

1-2. これだけ押さえる!水平線の役割は2つ

水平線の役割について2つ、解説します。

水平線の役割① レジスタンスライン・サポートラインの役割を果たす

水平線は、価格が反発しやすいポイントを確認できます。
価格が水平線辺りで反発しています
このチャートを見ると、価格が水平線辺りで反発しています。水平線より下へ値下がりしにくい様子を見ると、水平線がサポートラインとして意識されていると分かるでしょう。
価格が水平線を上抜けしにくい様子
一方でこのチャートでは、価格が水平線を上抜けしにくい様子を確認できます。そのため、水平線はレジスタンスとして意識されているのです。

このように水平線は、レジスタンス・サポートラインの役割を果たします。

レジスタンス・サポートラインとして意識される水平線付近では、価格が反発します。つまり
水平線を引けば、今後どこで価格が反発するのかを予測できるのです。

水平線の役割② レジスタンスライン・サポートラインの役割は逆転する

水平線はレジスタンスライン・サポートライン両方の役割を果たします。
価格のブレイク後に、水平線の役割が変化
このチャートでは価格のブレイク後に、水平線の役割が変化しました。

チャート左側を確認すると、価格は水平線で反発し、下落しています。そのため、水平線はレジスタンスラインとして意識されていると分かりますね。

その後、価格は水平線を上抜いてブレイクしました。ブレイク後、価格は再び水平線で反発し、上昇しています。つまり、ブレイク前にレジスタンスラインの役割をしていた水平線は、ブレイク後にサポートラインの役割へと変化したのです。

したがって水平線の役割は、価格のブレイクを境に逆転します。そのため、価格が水平線をブレイクした後、再び水平線付近で反発しやすいのです。

1-3. トレードで重要な水平線は繰り返し反発されている

トレードで重要な水平線とは、繰り返し価格が反発している水平線のことです。なぜなら、何度も反発している水平線は、他のトレーダーにも意識されるため。

世界中のトレーダーは、全員同じチャートを見ています。あなたが繰り返し反発している水平線を見つければ、同様に他のトレーダーもその水平線を見つけるでしょう。

繰り返し反発する水平線を多くのトレーダーが意識すれば、反発する値動きに合わせたトレードが多く実行されます。そのため、水平線付近で反発を繰り返すのです。
水平線で価格が6回反発しています
このチャートでは、水平線で価格が6回反発しています。多くのトレーダーは水平線の存在に気づき、「今後も水平線で反発されるだろう」と予測するでしょう。そのため、今後も水平線で反発を繰り返すと予測できます。
水平線は、2回しか反発していません
一方でこのチャートの水平線は、2回しか反発していません。世界中のトレーダーに水平線が意識されなければ、価格は水平線で反発しないでしょう。実際に、価格が水平線をブレイクして以降は、水平線で反発する様子は見られません。

つまり、価格の反発を繰り返す水平線は、トレードを有利に進める上で重要になります。

2. (すぐに実践可能)水平線の引き方

水平線を引けば、価格が反発する目安を見つけられます。それでは、どのように水平線を結べば良いのでしょうか。

水平線を引く基本は、高値・安値同士を線で繋げることです。加えて、短い時間足だけではなく長い時間足でも水平線を引くと良いでしょう。

上記の項目にて、詳しく解説します。

2-1. 高値同士・安値同士を水平線で結ぶのが基本

上記の通り、水平線を結ぶ基本は、高値同士・安値同士を水平の線で繋げることです。
高値・安値が全く同じ水準になるケースは滅多にありません。
ただし、高値・安値が全く同じ水準になるケースは滅多にありません。水平線を引くために高値・安値を引こうとすれば、必ず小さなズレが生じるもの。

そのため、水平線を引く時は、厳密に価格をそろえないようにします。
水平線を結ぶのはヒゲ同士か実体同士か悩む方もいるでしょう
なお、水平線を結ぶのはヒゲ同士か実体同士か悩む方もいるでしょう。しかし水平線を利用する場合、ヒゲや実態を意識する必要はありません。

なぜなら、水平線で分析すべきことは、「価格が反発するポイント」であるため。つまり、繰り返し反発しているポイントさえ見つけられればいいのです。

したがって、反発しているポイントの先端がヒゲであるか実体であるかは問題ではありません。

2-2. 長い時間足でも確認する

水平線を引いた後は、長い時間足でも確認するようにしましょう。なぜなら、長い時間足であるほど、相場全体の流れを示しているため。

つまり、短い時間足で引いた水平線が、大きな時間足でも意識されていれば、信ぴょう性の高い水平線と判断できるのです。
2度価格が反発しているポイントを確認できました
この15分足チャートでは、2度価格が反発しているポイントを確認できました。反発したポイントを水平線で繋いでいます。

しかし2度しか反発していない水平線なので、重要な水平線ではないと予想できますね。
1時間足チャートを見てみましょう
今度は1時間足チャートを見てみましょう。チャートを確認すると、先ほど15分足で引いた水平線上で、過去に価格が反発しているのを発見しました。

長めの時間足は相場の大きな流れを示します。そのため、今後も同じ水準で価格は反発すると予想できるのです。

3. トレードで使う前に知っておきたい!水平線の注意点3選

ここまで水平線の特徴や役割、そして引き方を解説しました。
水平線をトレードで活用する前に、注意点を3つお伝えします。

  • 注意点①ダマシもある
  • 注意点②水平線は数多く引けてしまう
  • 注意点③急な相場変動時に機能しにくい

詳しく解説します。

3-1. 注意点①ダマシもある

他のテクニカル同様、水平線にもダマシがあります。

繰り返し価格が反発している水平線であっても、今後も必ず反発するとは限りません。

反発せずに水平線をブレイクしたり、水平線からどんどん価格が離れていったりするケースもあるでしょう。
水平線で数回価格が反発しており、水平線がレジスタンスラインとして意識されています
このチャートでは、水平線で数回価格が反発しており、水平線がレジスタンスラインとして意識されています。繰り返し反発しているため、今後も反発するものと予想できますね。しかし6回反発した後、価格は水平線を上抜けました。

予想とは異なり、価格は水平線で反発せずにブレイクする可能性もあるのです。ダマシに対応するためにも、トレード時は損切りのポイントを明確にしておく必要があります。

3-2. 注意点②水平線は数多く引けてしまう

水平線は簡単に引けます。価格が反発している高値・安値同士を線で結ぶだけ。

そのため、多くの水平線を引いてしまうケースがあるのです。
反発している箇所を繋ぎ続けた結果、数多くの水平線を引いてしまいました
この画像のように、反発している箇所を繋ぎ続けた結果、数多くの水平線を引いてしまいました。しかし、水平線を引き過ぎると、どれが重要な水平線が判断できなくなりますね。

そのため、水平線を引き過ぎないように注意する必要があります。

もし多くの水平線を引いてしまった場合、大切な水平線を厳選しましょう。水平線の厳選ポイントは、下記の2点です。

  • 繰り返し反発しているかどうか
  • 大きな時間足でも確認できるかどうか

以上のポイントを意識し、水平線を絞りましょう。

3-3. 注意点③急な相場変動時に機能しにくい

相場の急変時、水平線は活用しにくい特徴があります

相場の急変時、水平線は活用しにくい特徴があります。そもそも水平線とは、価格が反発しているポイントを結ぶもの。

しかし価格の急騰・急落時は、サポートライン・レジスタンスラインがブレイクされやすいでしょう。
したがって、水平線は相場の急変時に機能しにくいのです。

4. 水平線を活用した代表的なトレード手法を紹介

水平線の注意点を押さえた上で、実際のトレード手法を解説します。

4-1. コツは長い時間足と方向が同じ時

水平線を活用したトレードのコツは、値動きの方向を意識することです。

長い時間足と短い時間足の両方を見て、値動きの方向が一致しているタイミングを狙いましょう。

長い時間足のチャートは、相場全体の流れを示します。そのため、長い時間足を見れば主要トレンドを把握できるのです。

短い時間足で発生しているトレンドと、主要トレンドの方向が同じであれば、持続性のあるトレンドと判断できるでしょう。
チャートの時間足は5分足
このチャートの時間足は5分足です。上昇トレンドが発生しているのを確認できます。
このチャートは4時間足です
一方でこのチャートは4時間足です。同様に上昇トレンドが発生していますね。

5分足・4時間足ともに上昇トレンドで一致しているので、価格の上昇が続くと考えられます。
以上のように、水平線を活用してトレードする前に、トレンドの確認をしましょう。

それでは、実際のトレード手法の解説に入ります。

4-2. パターン①水平線の反発を狙ったエントリー

1つ目は、価格が水平線を反発した直後にエントリーする方法です。

注意すべきは、価格の反発を確認した後にエントリーすること。水平線に達した瞬間にエントリーするのは避けましょう。

なぜなら水平線に達すると同時にエントリーすると、反発せずにブレイクする可能性があるため。
下部に引いた水平線を、価格が反発したタイミングでエントリーしています
このチャートでは、下部に引いた水平線を、価格が反発したタイミングでエントリーしています。反発する方向を狙うので、ロングポジションを持ちましょう。

なお、利確と損切りのポイントは、値幅で決めておくのをおすすめします。例えば今回のトレードでは、利確はエントリーしたところから10pips、損切りは5pipsの値幅とします。

チャートを見ると、上部にも水平線を引ける箇所がありますが、上部の水平線まで値上がりするとは限りません。

そのため、利確・損切は値幅で決めておくと良いでしょう。
ユーロ/円の通貨ペア
このチャートはユーロ/円の通貨ペアで、エントリーしたポイントは126.14円。利確は10pipsとれたところであるため、126.24円です。

エントリーした後、目標とするポイントまで価格が達したので、利確します。

4-3. パターン②水平線のブレイクを確認してのエントリー

2つ目は、水平線のブレイク後にエントリーする方法です。

水平線に達した直後ではなく、ブレイクを確認した後にエントリーしましょう。
先に主要トレンドを把握します。日足チャートを見ると、上昇トレンドの発生を確認できますね。
先に主要トレンドを把握します。日足チャートを見ると、上昇トレンドの発生を確認できますね。
次に5分足のチャートを見ます。レンジ相場を確認できました。チャートの上下で価格が反発しているポイントを確認できるので、上下に水平線を引きましょう
次に5分足のチャートを見ます。レンジ相場を確認できました。チャートの上下で価格が反発しているポイントを確認できるので、上下に水平線を引きましょう。

水平線を引いた後、価格は下の水平線をブレイクします。サポートラインとしての役割を果たしている水平線を下抜けたので、このまま下降トレンドに切り替わる可能性がありますね。

しかし、先ほど確認した日足チャートによると、主要トレンドは上昇でした。そのため、水平線(サポートライン)を下抜けても、下降トレンドにはならない可能性が高いでしょう。

ダマシであることも考え、エントリーは見送ります。
5分足チャートを観察していると、やがて上の水平線(レジスタンスライン)を価格が上抜けました
5分足チャートを観察していると、やがて上の水平線(レジスタンスライン)を価格が上抜けました。主要トレンドは上ですので、このままレンジ相場を抜け出し、上昇トレンドに切り替わるかもしれません。

そのため、ブレイク直後にロングポジションを保有しましょう。利益確定の値幅を20pips、そして損切りの値幅を10pipsとしておきます。

ロングでエントリーした後、徐々に価格が上がり、20pips先で利確できました。以降の値動きを見ると、高値を更新し続け、上昇トレンドが形成されているのを確認できます。

4-4. パターン③リターンムーブを狙ったエントリー(押し目買いと戻り売り)

3つ目は、価格の水平線ブレイク後、リターンムーブするのを狙った手法です。

価格が水平線をブレイクしても、ブレイクした方向に値動きし続けるとは限りません。再び価格が元に戻るケースも十分にあり得ます。

今回は、リターンムーブを狙って戻し売りする戦法をご紹介します。
下記、画像をご覧ください。
まずは主要トレンドを把握
まずは主要トレンドを把握します。4時間足のチャートを見たところ、上昇トレンドが発生。
また、複数回価格が反発しているところも見られるため、水平線(サポートライン)を引きます。
次に30分足のチャート
次に30分足のチャートです。同じく上昇トレンドが発生しており、主要トレンドの方向と一致しています。

しかし、チャートを観察していると、トレンドラインの上から下へかけて価格がブレイクしており、トレンド転換の可能性が高いですよね。
このまま水平線を下抜けると考えられるため、戻り売りを狙ってエントリー(ショート)します。
エントリーした位置から直下の水平線を一時的に下抜け
その後、エントリーした位置から直下の水平線を一時的に下抜け。
けれども、価格が水平線を下抜けた直後、すぐに反発して水平線の上に戻ってしまいました。

さらに価格は上昇し、先ほど引いたトレンドライン(サポートライン)の上に達し、高値を更新します。

4時間足チャート
ちなみに、こちらの4時間足チャートでは、先ほどブレイクしたように見せかけた水平線付近が緩やかなトレンドラインとしてサポートされていますね。

つまり、まだ上昇トレンドが継続していたのです。そのため、高値更新したタイミングで損切りしました。

今回は4時間足でも確認できた水平線を反発し、上昇トレンドが継続しました。しかし価格が反発せずに水平線を下抜け、下降トレンドに転換していくパターンもあります。

トレンドライン・水平線(サポートライン)の両方を価格が下抜けたタイミングでエントリー(ショート)するなど、下落相場への転換点を探る判断材料として活用しましょう。

5. まとめ

今回は水平線を活用したトレード手法を解説しました。

水平線は価格が繰り返し反発するポイント同士を結ぶものであり、レジスタンス・サポートラインの役割を果たします。

そのため、エントリーするタイミングを分析するのに活用できるのです。ただし、水平線を活用する場合、ダマシや相場の急変時に注意しましょう。

水平線の使い方を知り、ぜひトレードに活かせるようにしてください。