エリオット波動8つの特徴⑦押し目(修正波)の見極め方
前回の記事では、エリオット波動の比率関係について解説した。今回は、エリオット波動の7つ目の特徴「修正波の深さ」について説明していく。
修正波の深さとは何を指すのか?一言で言うと、どの程度の押しや戻りで修正が完了するのか?ということ。トレードでは、上昇トレンドなら押し目買い、下降トレンドなら戻り売りと言われているが、押しや戻りなどの修正(一般的には調整とも言われる)がいつ終わるのか?この判断が非常に難しい。後から見ればわかることだが、その場でわかることはない。
エリオット波動論では、修正波の深さについて「だいたいこのくらい」という目安がある。比率関係の記事でも述べているが、絶対にその数値で止まるといった話ではないが、おおよその見当がついているだけでも、知っているのと知らないのとでは大きな差がつく。
エリオット波動8つの特徴
・波動の延長
・波動の均等性
・オルタネーション
・チャネリング
・出来高
・比率関係
・修正波の深さ ←この話をします。
・波動の個性
この記事を読むと、押しや戻りの値幅についておおよそ見当がつくようになる。これを知っておくことで、修正が完了してからすぐに行動ができるようになり、後から「あー見逃した!!!」ということが少なくなるだろう。また、延長、比率関係とも密接に関係しているので、それについても解説する。
目次
1. エリオット波動の修正波の深さ
エリオット波動論で「修正波の深さ」というと、通常はインパルスの4波における修正がどのくらいまで進むかということを意味する。
一般的には、インパルスの4波が修正する深さ(4波の終点)は前の波である3波の副次波の4波の範囲になることが多く、比率は3波の38.2%と言われている。
文字だけだと混乱してしまうだろうから、上のチャートを見てほしい。3波で発生している副次波4波が、大きな波動の4波終点付近と同じ位置にあることがわかるだろう。
この特徴を知っていると、4波の修正する深さを把握できることから、押し目買いや戻り売りのポイントが見極めやすくなる。
1-1. 修正波の深さは派生する
修正波の深さに関する考え方は、延長する波にも当てはまる。
例えば、5波が延長した場合に次の修正の深さ(C点の終点)となる目安は、5波における副次波2波の終点付近が想定される。興味深いことに、5波の副次波2波は大きな波動の4波の始点と終点の間にある。先述した3波の副次波4波と被りやすい位置でもある。
1-2. 修正波の深さは比率関係で予測できるか?
修正波の深さは、「比率関係」で紹介したような比率になる場合がある。下図参照
インパルスの2波(2波の終点の位置)は1波に対して0.5倍か0.618倍が目安と言われている。
インパルスの4波(4波の終点の位置)の深さは3波の0.382倍と言われている。
また、インパルスだけでなくジグザグのb波や複合修正波のX波もインパルスの2波と同じ水準で比率関係が成立する。
ジグザグのB波の終点はA波の0.5倍か0.618倍が目安とされる。
ダブル・ジグザグのX波の終点は、W波(最初のジグザグのことをW波と呼ぶ)の0.5倍か0.618倍が目安とされている。ちなみに相場でよく使われる表現としては「半値戻し」「61.8%戻し」などである。
2. エリオット波動の修正波の深さまとめ
ここまで、エリオット波動の修正波の深さについて話してきた。
エリオット波動論で「修正波の深さ」というと、通常はインパルスの4波における修正がどのくらいまで進むかということを意味するが、同じ考え方は延長する波にも当てはまる。また、エリオット波動の深さも比率関係の法則を用いて計算することができる。
修正波の深さの特徴を押さえ、押し目買いや戻り売りのポイントを見極める参考にしてほしい。
次回はエリオット波動の8つの特徴8つ目、各波動の個性について説明していく。