一目均衡表の「雲」って理解が難しい…詳しい見所と売買への活用方法とは?
一目均衡表とは、日本人の株式評論家・一目山人によって発案されたトレンド系の指標です。
特に一目均衡表の「雲」を理解すれば、トレンド分析だけではなくエントリーポイントも見つけられます。
とはいえ、
「雲って難しくてトレードで使いにくい」
「一目均衡表って線が多くて複雑だし、よくわからない」
と悩む方は多いのではないでしょうか。
この記事では、一目均衡表の雲の特徴や見方・トレードへの活用方法を解説します。
併せて一目均衡表を使う上で知っておきたい基礎知識もお伝えしましょう。
最後まで読めば、雲を活用するための具体的なトレード事例について理解できますよ!
目次
1. 一目均衡表の雲は難しくない!活用方法を徹底解説
一目均衡表でいう「雲」とは、先行スパン1と先行スパン2の範囲のことです。
チャート上のピンクの線は先行スパン1であり、ピンクの破線が先行スパン2になります。
先行スパン1・2の範囲を雲と呼び、トレードに活用できるのです。
雲の活用方法は、大きく分けて下記の3つ。
- 雲を利用してトレンドを分析する
- 雲とローソク足の位置を見て売買シグナルを見つける
- 雲はレジスタンスライン・サポートラインの役割を持つ
始めに雲の活用法と、活用する際の注意点を解説します。
1-1. 活用法① 雲を利用してトレンドを分析する
雲を利用すれば、相場のトレンドを分析できます。
分析方法は簡単です。
雲よりもローソク足が上であれば上昇トレンド、下であれば下降トレンドと判断します。
チャートを見てみると、ローソク足は雲の上で推移しているのが分かりますね。
そのため上昇トレンドであると考えられるのです。
1-2. 活用法② 雲とローソク足の位置を見て売買シグナルを見つける
雲とローソク足の位置を見れば、売買シグナルを見つけられます。
ポイントはローソク足が雲をブレイクしたタイミング。
ローソク足が雲の下から上へ抜けた時は買いのサインであり、上から下へ抜けた時は売りのサインになります。
雲のブレイクが売買シグナルになる理由は、トレンド転換を予測できるため。
上記の通り、ローソク足が雲より上であれば上昇トレンドで、下であれば下降トレンドです。
ローソク足が雲をブレイクすれば、ローソク足と雲の位置関係は切り替わるので、トレンド転換すると考えられます。
トレンド転換するタイミングでエントリーできれば、大きな値幅を狙うのが可能。
したがって雲のブレイクが売買ポイントとなるのです。
実際のチャートを見てみましょう。
ローソク足は下から上へ雲をブレイクしているのが分かりますね。
この時に上昇トレンドに切り替わると考えられるので、ブレイクのタイミングが買いのサインとなるのです。
実際にブレイク後の値動きを見ると、高値を更新し続けているのを確認できるでしょう。
このように雲とローソク足の位置を見れば、売買ポイントを探れるのです。
1-3. 活用法③ 雲はレジスタンスライン・サポートラインの役割を持つ
雲はトレンド分析や売買シグナル以外にも、レジスタンスライン・サポートラインとしての役割も持つのです。
水平線やトレンドラインと同様、レジスタンスラインの場合はそれ以上の価格上昇を妨げ、サポートラインなら価格下落を妨げます。
チャート上で確認できる雲は、レジスタンスラインとして意識されています。
ローソク足の動きを観察すると、雲の直下で反発を繰り返しているのが分かるでしょう。
加えて、雲を見る時は厚さにも注目してください。
雲の厚さはレジスタンスライン・サポートラインの強さを示します。
薄い雲ならローソク足はブレイクしやすく、逆に厚い雲なら簡単にブレイクしません。
水平線やトレンドラインよりもレジスタンスライン・サポートラインの強さが分かりやすい分、トレードで活かしやすいのです。
具体的なトレード手法は後述します。
1-4. 注意!雲のねじれはトレンドが安定していないサイン
雲のねじれとは、先行スパン1と先行スパン2が交差することです。
チャートを見ると、先行スパン1(ピンクの線)と先行スパン2(ピンクの破線)が交わっているところを確認できるでしょう。
この交差するところを、雲のねじれと呼びます。
雲のねじれは、トレンドが不安定であるサインなので注意してください。
上のチャートでも、雲がねじれているところを2か所確認できますね。
トレンドが不安定になれば、それまで続いていたトレンドは終わり、トレンドの方向が切り替わるのを想定されるのです。
ただし雲のねじれを見つけても、必ずしもトレンドが切り替わるとは限りません。
そのため雲の厚さやローソク足・雲の位置なども観察し、トレンド転換のサインがないかどうかを確認するようにしましょう。
*一目均衡表の基本的な特徴は下記にて詳しく解説していますよ!
2. 雲と一緒に押さえておきたい三役好転
ここまで、雲の活用方法と注意点について解説しました。
一目均衡表を使いこなすためには、三役好転・三役逆転についても押さえておきたいところ。
三役好転・三役逆転とは、一目均衡表で見つけられる3つの売買シグナルのこと。
三役好転は買いシグナル、三役逆転は売りシグナルが3つそろうのを意味します。
三役好転の買いシグナルは下記の通り。
- 転換線(黄色い線)が基準線(黄色い破線)を上抜ける
- 遅行スパン(水色の線)がローソク足を上抜ける
- ローソク足が雲を上抜ける
この3つがそろえば、価格は上昇すると予想できるのです。
転換線・基準線の見方や三役好転については、「一目均衡表の見方は複雑?細かな専門用語から活用法までを詳しく解説」にて詳しく解説していますよ!
ローソク足と雲の位置を見て売買シグナルを探れる点は、既に解説しましたね。
それだけではなく、転換線・基準線の動きと遅行スパン・ローソク足の動きからも、売買シグナルを見つけられるのです。
三役逆転の売りシグナルは下記の通りです。
- 転換線(黄色い線)が基準線(黄色い破線)を下抜ける
- 遅行スパン(水色の線)がローソク足を下抜ける
- ローソク足が雲を下抜ける
この3つのシグナルを見つけられれば、値下がりを予測できます。
以上のように、一目均衡表を利用するだけでエントリーの根拠が3つも見つけられるのです。
3. 一目均衡表の雲を使ったトレード手法2点
雲と三役好転・三役逆転を押さえた上で、実際のトレードで活用してみましょう。
ここでは雲を利用したトレード手法を2つ解説します。
3-1. トレード手法① 薄くなった雲をブレイクした時にエントリー
1つ目は、ローソク足が薄い雲をブレイクした時にエントリーする方法です。
このチャートでは、始めにローソク足は薄めの雲の下を推移しているのが分かります。
その後に薄い雲を下から上抜きました。
雲のブレイクはトレンド転換を予測できるので、ここでロングエントリーすれば、上昇トレンドを利用して大きな値幅を狙えそうですね。
ただし、ローソク足が雲をブレイクしたからといって、必ずトレンド転換する保証はありません。
そこで、雲のブレイク前の一目均衡表を観察してみましょう。
遅行スパン(水色の線)を見ると、ローソク足を上抜けしています。
また転換線(黄色い線)を見ると、基準線(黄色の破線)を上抜けしているのが分かるでしょう。
この遅行スパン・転換線の動きは買いシグナルであり、ローソク足の雲のブレイクも合わせれば、三役好転が全て揃うことになります。
したがって、上昇トレンドに切り替わると判断できますので、雲のブレイクのところでロングエントリーしましょう。
損切りのタイミングは、ローソク足が雲を下抜けした時とします。
利確のタイミングは、ローソク足が上昇した後、雲に触れた時です。
エントリー後は価格上昇していきました。
やがて価格は下がり始めて雲と接触したので、このタイミングで利確します。
3-2. トレード手法② 雲の反発を利用したエントリー
次は価格が雲で反発したところを狙ってエントリーする方法です。
上記の通り、雲はレジスタンスライン・サポートラインの役割を果たしますので、価格が雲に近づけば反発すると予想できます。
今回は、ローソク足が雲で反発するタイミングを狙ってエントリーしましょう。
チャートをご覧ください。
ローソク足は雲の上で推移しており、ローソク足と雲の両方が右肩上がりしています。
このことから、現在の相場が上昇トレンドであると分かるでしょう。
上昇トレンドにおいて雲はサポートラインとしての役割を果たすので、ローソク足が雲に接触したタイミングでロングエントリーします。
利確のタイミングは、価格上昇後にローソク足が雲の中に入った時。
一方で損切りのタイミングは、価格上昇せずにローソク足が雲の中に入った時とします。
例えば、下記の画像のようになります。
エントリー後、価格は上昇していきました。
上昇後にローソク足は雲の中に入ったため、利確しています。
「今回は雲の中にローソク足が入ったタイミングで利確していますが、その前に利確する方法もあります。」
例えば利確する前に、転換線(黄色い線)が基準線(黄色い破線)を上から下抜いているのを確認できますね。
この転換線の動きは売りシグナルです。
もし転換線が基準線をブレイクしたタイミングで利確できれば、より広い値幅を狙えたでしょう。
利確のタイミングに決まりはないので、自分なりの方法を見つけてみてください。
4. まとめ
今回は一目均衡表の雲に焦点をおいて解説しました。
雲はレジスタンスライン・サポートラインの役割を果たすだけではなく、トレンド分析やエントリーポイントを見つけられます。
ただし雲を利用した分析をする際は、雲のねじれに注意してください。
また、一目均衡表を活用する際は、三役好転といった売買シグナルに関する理解も必要です。
今回ご紹介した手法を参考にしつつ、ぜひ実際のトレードに活かしてみましょう。