【画像解説で納得】ダウ理論だけで勝てるとは言われる真相を徹底解剖してみた
ダウ理論は、投資家の間では有名な考え方です。
そのため、ダウ理論だけで勝てると考える方もいるかもしれません。
ただ、ダウ理論を理解するだけで本当に勝てるようになるのでしょうか?
そこでこの記事では、
- ダウ理論の全体像
- ダウ理論を使うだけで勝てる理由
- ダウ理論で負けやすいと感じる原因
などを解説します。
ダウ理論をどのようにトレードに役立てれば良いのか分かるので、より利益を上げやすくなりますよ!
目次
1. ダウ理論はトレンド分析に役立つ理論
ダウ理論は19世紀後半に、アメリカの証券アナリスト「チャールズ・ダウ」が提唱したテクニカル分析の理論。
世界中の投資家から評価されており、以下の6つの原則から成り立っています。
- 価格はすべての事象を織り込む
- トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される
- 主要なトレンドは3つの段階から形成される
- 価格は相互に確認される必要がある
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
6つのうち4つはトレンドについての原則です。
そのため、ダウ理論を知っているのと知らないのとでは、トレンド判断のやりやすさが変わります。
では、ダウ理論のそれぞれの原則を詳しく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
2. ダウ理論を使うだけで勝てるようになる3つの理由
トレードを始めたばかりで、なかなか勝てないのであれば、ダウ理論を学びましょう。
ダウ理論を使うだけでも完全に勝てるようになるとは限りませんが、トレンド分析はしやすくなります。
具体的には、
- トレンドの段階を見極めることでエントリーすべきか分かる
- マルチタイムフレーム分析で勝率が大幅アップ!
- 高値や安値の突破はトレンドが継続しやすい
の3つ。
なぜ、ダウ理論を使えば勝てるようになるのか解説しますね!
2-1. トレンドの段階を見極めることでエントリーすべきか分かる
ダウ理論には「主要なトレンドは3つの段階から形成される」原則があります。
実は、一方的な値動きが続いているトレンド相場でも、よくよく値動きを見ると以下の3つの段階に分かれています。
先行期 | 上昇し始めた段階 |
追随期 | 本格的に上昇し始めた段階 |
利食い期 | 上昇の勢いが衰えつつある段階 |
例えば、上昇トレンドのチャートを例に見てみましょう。
左の点線は、レジスタンスラインです。
レジスタンスラインを突破して上昇し始めた段階は、トレンドの先行期なので、まだ上昇が強くありません。
なぜなら、多くのトレーダーは、まだ上昇に疑いを持っているからです。
したがって、上昇のスピードも緩やかな傾向があります。
しかし、追随期になると上昇の動きが強くなることが分かるのではないでしょうか?
実際に、長い陽線を何本かつけているのが、その証拠ですね!
追随期で大きく上昇した理由は、上昇の動きに乗り遅れまいと買い始めるトレーダーが増加したからです。
また、レジスタンスライン付近で、売りポジションを持っていたトレーダーが損切りせざるを得なくなり、上昇に勢いがつきます。
そして、最後の段階が利食い期です。
利食い期では、先行期から買いポジションを持っていたトレーダーの一部が、利益確定をし始めます。
上昇にも陰りが出てくるので、次第にトレンドが弱くなり、下落しやすくなります。
また、買いポジションを持っているなら、利食い期で決済すべきです。
「まだ上昇するかもしれない」と決断できなければ、トレンドが転換し、利益が大幅に減るリスクがあるから。
大きな利益を得るためには、先行期でエントリーし、利食い期で決済するのが理想です。
ただ、先行期でエントリーしても、だましで下落するケースもあるので注意しなければなりません。
慎重にトレードしたい場合は、追随期からエントリーしても、十分勝てます。
一方、利食い期にエントリーすると、その後の下落に巻き込まれ大損する可能性が高くなるでしょう。
トレンドに3つの段階があることを理解していれば、中途半端な価格帯で、つられてエントリーしなくて済みます。
無駄な損をしないためにも、現在の価格帯がどの段階に該当するのかは、把握しておいてください。
2-2. マルチタイムフレーム分析で勝率が大幅アップ!
ダウ理論の第2原則を理解すれば、どんなに強いトレンドも細かく上げ下げしながら動いていることが分かります。
例えば、4時間足チャートで、上昇トレンドが発生しているケースで考えてみましょう。
しかし、以下の5分足チャートを見てください。
一方的に下落し続けているわけではなく、何回か下落を繰り返していますね!
5分足だけを見ていると「そろそろ上昇が終わりかもしれない」と考えるかもしれません。
けれども、4時間足を見て上昇トレンドの発生を知っておけば「むしろ安く買えるチャンス?」と、自信を持って買えるのです。
ダウ理論を理解すれば、上位足で大まかな流れを把握して、下位足でエントリーするマルチタイムフレーム分析ができますよ。
2-3. 高値や安値の突破はトレンドが継続しやすい
ダウ理論の第6原則である「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する」。
以下のような上昇トレンドでは、高値更新をしている限り、トレンドが継続しやすくなります。
一方で、下降トレンドの場合は、安値更新を続けている限り、下落トレンドは継続しやすくなるでしょう。
高値や安値の更新が、トレンドの継続につながることを理解していれば、エントリーのタイミングも分かるようになります。
このように、ダウ理論の原則を理解するだけでも、トレードに勝ちやすくなるのは事実です。
3. ダウ理論で負けやすいと感じる4つの原因
ダウ理論を理解すれば、トレードに勝ちやすくなりますが、必ず勝てるわけではありません。
ダウ理論の原則通りにトレードしても、思い通りに勝てない方もいるのではないでしょうか?
ダウ理論を使っても負けやすいと感じる原因は以下の4つ。
- レンジ相場での勝率が低い
- シグナルが遅い
- たびたび「だまし」に遭う
- どこを波と捉えるかで見え方が変わる
順番に詳しく解説しますね!
3-1. レンジ相場での勝率が低い
ダウ理論の原則は、トレンド相場で使えるものばかり。
そのため、残念ながらレンジ相場では、ダウ理論の原則通りにならないケースがほとんどです。
例えば、以下のチャートを見てください。
上昇後に、横ばいの相場になったものの、①や②では高値更新をしており、買って良い局面です。
ところが、①や②でエントリーしても、再びレンジ相場の中に価格が戻ってきました。
そして、ようやく3回目の高値更新で上昇トレンドが再開しています。
レンジ相場では、2回の失敗どころか、3回以上連続で損するケースもあるので注意が必要です。
3-2. シグナルが遅い
ダウ理論のシグナル出現は遅いので注意してください。
例えば、1時間足で売りポジションを保有しており、利益確定したいケースで考えてみましょう。
下落トレンドが転換するのは、直近高値を超えた①の箇所。
上のチャートで利益確定できるのは、底値から110pips(株価にも同様)も離れている箇所なので、かなり利益が減ります。
ダウ理論のシグナルは出現するタイミングが遅いので、どうしても大底や天井をぴたりと当てられないのです。
3-3. たびたび「だまし」に遭う
ダウ理論のみでトレードした場合、たびたび騙しに遭う可能性が高くなります。
例えば、上昇トレンド中に直近安値を割れれば、上昇トレンドが終了する可能性が高くなります。
ところが、たいして下落せずに、再び高値を更新するケースも珍しくありません。
つまり、直近安値を割れても、大きな下落に発展しないこともあります。
特に、注意しなければならないのは、上位足が上昇トレンド中のケース。
下位足も上位足の値動きに引っ張られやすいので、転換シグナルが出ても一時的な下落に終わる可能性があります。
3-4. どこを波と捉えるかで見え方が変わる
ダウ理論のシグナルは、トレンドを捉える時に役立ちますが、判断が難しいケースもあります。
まず、以下のチャートを見ると、高値と安値を切り上げているので、明らかな上昇トレンドです。
しかし、以下のチャートのように、トレンドを細かく見た場合どう感じますか?
①と②では、いずれも直近安値を割れているので、トレンドが転換したと考えるのが自然です。
ところが、いずれのケースも下落は長続きせずに上昇していきました。
このように、どの箇所からどの箇所を高値・安値の波と捉えるかで、チャートの見え方が変わります。
ダウ理論単体に頼るのではなく、他のインジケーターやテクニカル指標と併用した方が良いでしょう。
4. まとめ
ダウ理論だけ使っても必ず勝てるわけではありません。
ただ、トレンド分析の精度は確実に増すため、トレードで勝つ確率は上がります。
さらにトレードの勝率を上げたいのであれば、インジケーターやレジスタンス・サポートラインなどと併用するのをおすすめします。
相場の見え方が変わり、チャート分析がしやすくなりますよ!