【画像付き】ダウ理論を分かりやすく解説!6つの基本原則から注意点まで

ダウ理論を分かりやすく解説!6つの基本原則から注意点まで

ダウ理論は投資家なら知らない人がいないともいわれている理論です。

ただ、トレード経験が少ない方の多くは、理論系の内容を理解したくてもよく分からないのではないでしょうか?

そこでこの記事では、

  • ダウ理論の原則
  • ダウ理論のトレンドの意味
  • ダウ理論の注意点と対策

などを解説します。

ダウ理論について図や画像で分かりやすく解説するので、はじめて理論を知った方でも簡単に理解できますよ!

目次

1. ダウ理論の6つの基本原則を分かりやすく解説

ダウ理論の6つの基本原則を分かりやすく解説

ダウ理論とはアメリカの証券アナリストであるチャールズ・ダウが提唱した理論で、6つの基本原則から成っています。

  1. 価格はすべての事象を織り込む
  2. トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される
  3. 主要なトレンドは3つの段階から形成される
  4. 価格は相互に確認される必要がある
  5. トレンドは出来高でも確認されなければならない
  6. トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する

それぞれの原則について詳しく解説します。

1-1. 1.価格はすべての事象を織り込む

価格はすべての事象を織り込む

1つ目の原則は、価格はすべての事象を織り込むです

この原則は、チャート分析が投資において重要であると謳っています。
そもそも、投資にはテクニカル分析とファンダメンタルズ分析があります。

分析方法 特徴
テクニカル分析 チャートを分析して価格を予測する
ファンダメンタルズ分析 ニュースや指標発表などを予想して価格を予測する

どちらも重要な分析方法ですが、ダウ理論ではテクニカル分析を重要視しているのです。
その理由は、テクニカル分析に使用するチャートが経済指標やニュース、投資家の感情を表したものだから。
株式投資の場合を例にすると、以下のような要因で株価が動きます。

  • 企業の業績発表
  • 新商品に関連するニュース
  • 不祥事に関連するニュース

ただし、これらの理由は、あくまでも要因であって直接値動きに影響を与えるわけではありません。
たとえば、業績発表の結果が良ければ、必ずその企業の株価が上がるわけではないのです。
投資家が業績の上がり幅を大したことないと判断すれば、株価があまり上がらなかったり、下落したりします。

そもそも、業績の内容や不祥事を事前に予測するのはできません。
ましてや、値動きまで予測するのは困難でしょう。

一方で、チャート分析はどうでしょうか?
チャートには、投資家の売買がそのまま表示されます。
そのため、チャートに表示される価格は、ニュースや事件の結果も織り込んだ上での価格なのです。
個人投資家の多くはチャート分析でトレードをする傾向があります
筆者は、これまでにチャート分析で不思議な経験をしたことが何度もあります。

たとえば、FXのチャート分析を行い、強い上昇トレンドがそろそろ終わるという予測を立てたことがあります。
ただ、ニュースや新聞を見ても、価格が下落すると予想している評論家はほとんどいませんでした。
ところが、そのような時に経済指標の結果が想定よりも悪かったり、選挙などで大衆が想定していない結果が出たりしたのです。

そして、それらの結果が原因で、急落が発生したのを何度もこの目で見ました。
なお、複数の知り合いのトレーダーに聞いても同様の経験を何度もされた方が大半でした。

このような背景もあるため、個人投資家の多くはチャート分析でトレードをする傾向があります。

1-2. 2.トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される

ダウ理論の第2原則

ダウ理論の第2原則は、トレンドは短期・中期・長期の3つに分類されるです。
これは、トレンド相場が3つの段階に分かれていることを表します。

トレンドの種類 期間
短期トレンド 3週間未満
中期トレンド 数週間~数か月
長期トレンド 1年~数年間

トレンドは必ずしも一方向に動き続けるわけではありません。
どんなに強いトレンドでも、細かく見ると上下を繰り返しながらトレンドが発生しているからです。
そのため、日足を見ると上昇しかしていないように見えても、5分足や1時間足を見ると上昇だけでなく下落も発生しています。

1-3. 3.主要なトレンドは3つの段階から形成される

第3原則

第3原則は、「主要なトレンドは3つの段階から形成される」です。

ひと目見ると、長いトレンドでも、実は3つの段階から形成されているのをご存知でしょうか?

  • 先行期
  • 追随期
  • 利食い期

上昇トレンドを例に解説してみましょう。

まず、先行期は、レンジ相場からブレイクして上昇トレンドが開始したケースや下落トレンドから反転上昇しはじめたケースを表します。
先行期の段階では、まだ一部の投資家のみが買いポジションを持っている状態です。

そのため、多くのトレーダーはまだ買っていません。

先行期の次の段階が追随期

先行期で価格の上昇を見たトレーダーが続々と買いポジションを持ち始め、本格的に上昇します。
その理由は、上昇の動きに乗り遅れまいと参入してくるトレーダーが急増するから。

そして、最後にやってくるのが利食い期です。

利食い期になると、先行期で買っていたトレーダーは、既に利益を決済しています。
したがって、段々と上昇スピードが遅くなり、トレンドが転換する可能性が高くなります。

一方で、利食い期間になって、ようやく買い始めるトレーダーがいます。
しかし、既に買いの勢いが衰えており、下落し始めると損失がどんどん膨らむのです。

このことから、相場の世界は、誰が最後にババを抜いて損するのかというゲームともいえます。

先行期か追随期でポジションを持ち、利食い期で決済しなければ、投資で利益を得るのは無理でしょう。

1-4. 4.価格は相互に確認される必要がある

第4原則

第4原則は、価格は相互に確認される必要があるです。
ぱっと読んでもよく意味が分からない方も多いのではないでしょうか?

第4原則は、ある商品の値動きと違う商品の値動きには相関関係があるとも言い換えられます。
例えば、為替の世界でもドル円と他のクロス円は相関性が高い傾向があります。

したがって、ドル円が上がれば、ユーロ円やポンド円などもつられて上昇しやすいのです。
そのため、チャート分析で円安を予測できた場合、ドル円だけでなく、ユーロ円やポンド円なども買って利益を得やすくなるのです。

因みに、このような現象は株式市場や仮想通貨市場にも当てはまります。
関連企業の銘柄や時価総額の高さから相関する値動きをするなど、市場ごとに特異な反応そを示すものも。

為替に限らず、「●●の価格が上がれば、●●の価格が上がりやすい」という相関性に着目していれば、トレードの幅も広がるでしょう。

1-5. 5.トレンドは出来高でも確認されなければならない

5つ目の原則

5つ目の原則は、トレンドは出来高でも確認されなければならないです。

チャートの値動きだけでは、トレンドが本当に長く続くのかは分かりません。
本格的なトレンドかどうか見極めるためには、出来高も確認しましょう。
その理由は、トレンドのような強い値動きが起きる時には、出来高が増えやすいから。

逆に、トレンドが起きても出来高が伴っていない場合は、すぐに反転してしまう可能性が高くなります。

また、トレンド相場に伴って増えていた出来高が急に減少したら、そのトレンドが終了する前触れかもしれません。

1-6. 6.トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する

第6原則

第6原則は、トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続するです。
トレンドは、上の図のように高値や安値の切り上げや切り下げが起きている限り、継続します。

では、明確な転換シグナルが発生するとどうなるのでしょうか?
上昇トレンドを例に解説すると、高値の切り上げが止まれば、トレンドは一旦終了します。

なぜなら、価格の上昇は、高値更新し続けることが前提だから。
さらに、直近安値も割れた場合、安値の切り上げも止まるので、トレンドが転換した可能性が高くなります。
したがって、上昇トレンドでも直近安値を割れた場合は決済してください。

躊躇していれば、大きな下落に巻き込まれかねません。

ダウ理論のトレンドの見方・転換シグナルの見分け方は「ダウ理論のトレンド転換は狙い目?見方と活用法を解説」にて詳しく解説しています。

2. ダウ理論におけるトレンドとは?

ダウ理論におけるトレンドとは?

ダウ理論の6つの原則で、もっともトレードに役立つ原則は6つ目の「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」です。

トレンドがいつ終了するか判断できるようになれば、トレンド相場に乗ったり、トレンドからの転換を狙ったりできます。

そこで、上昇トレンドと下降トレンドの値動きについて見てみましょう。

2-1. 上昇トレンドの値動き

高値と安値をそれぞれ切り上げ

上の図を見てください。
高値と安値をそれぞれ切り上げていますね。
高値と安値を切り上げている限り上昇は続くので、まだ買い目線で問題ありません。

しかし、高値を更新することなく下落に転じたAの場面では、上昇トレンドに陰りが見えています。
そのため、直近高値を再び超えるまでは、これまでのように買い目線でいるのは危険です。

そして③の場面ではついに直近安値を割れてしまいました。
直近安値割れは、第6原則における転換シグナルに該当するので、もう買ってはなりません。

むしろ、下落トレンドに転換したと考えるべきです。

2-2. 下降トレンドの値動き

下降トレンドの値動き

次に下降トレンドの値動きを見てみましょう。
上の図を見ると高値と安値をそれぞれ切り下げながら下落していますね!

下降トレンドが継続していることは明白なので、安易な買いは控えなければなりません。

ところが、②の局面で安値の更新が止まりました。
この局面では、中立の目線で相場を見る必要があります。

さらに、③のように直近高値を越えた場合、下落する可能性はかなり低くなりました。
底から反転したと考える方が自然でしょう。

2-3. ダウ理論通りにトレンドが発生するケースは多いの?

トレンドには、強いトレンドと緩やかなトレンドがあります。

では、ダウ理論通りに「高値や安値の切り上げ」もしくは、「切り下げ」が続くトレンド相場が発生する頻度はどのぐらいあるのでしょうか?

ドル円とビットコインの日足(1年分)と、1時間足(3か月分)でダウ理論通りのトレンドがどのぐらい出現したのか調査しました。

USD/JPY BTC/JPY
日足でダウ理論のトレンドが出た回数 4回 5回
1時間足でダウ理論のトレンドが出た回数 11回 11回

日足であれば年間4,5回、1時間足であれば3か月で10回ぐらいは出現しています。

ただ、きれいに高値と安値を更新しない相場も多くありました。
そのため、エントリーしたタイミングによっては、勝てないこともあるので注意しましょう。

3. ダウ理論を使う際の4つの注意点と対策

ダウ理論を使う際の4つの注意点と対策

ダウ理論はシンプルで実用性の高い理論ですが、必勝法ではありません。
使用するにあたって、以下のような注意点があります。

  1. だましも多いので、他の指標とも併用すべき
  2. 使用する時間軸によってはトレンドの判断を見誤る
  3. シグナルが遅い
  4. どこを高値と安値にするかの判断がやや難しめ

注意点だけでなく、対策についても解説するのでぜひ参考にしてみてください!

3-1. 1.だましも多いので、他の指標とも併用すべき

ダウ理論は騙しも多いです。
もっとも実用的な第6原則を見ても、シグナル通りにトレンドが継続しないケースも結構あります。

騙しの対策は、以下のようなテクニカル指標と組み合わせて判断すること。

  • サポートラインやレジスタンスライン
  • トレンドライン
  • ボリンジャーバンド
  • プライスアクションや酒田五法

他の指標と組み合わせれば、無駄なエントリーが減るので、より勝率が高くなります。

たとえば、ダウ理論とローソク足を組み合わせて勝つためには、【信頼できる】ダウ理論とローソク足を見てチャート分析の精度を上げる方法を解説も参考にしてみてください。

3-2. 2.使用する時間軸によってはトレンドの判断を見誤る

トレードをする際にはどの時間軸を使用するかで、トレンドが全く違う方向になる可能性があります。

たとえば、1時間足で明らかな下落トレンドでも、日足を見ると上昇トレンドであれば下落は長く続きません。
そのため、短期足だけでなく、長期足など複数の時間足を見ることが重要です。

3-3. 3.シグナルが遅い

ダウ理論の欠点はシグナルが遅いダウ理論の欠点はシグナルが遅いこと。

上の図を見ると、B地点でトレンドが転換しています。
しかし、下落トレンドが終わったことが分かる価格帯は、再安値のAから見るとかなり離れています。

そして、B地点で買った後、トレンドが完全に転換するD地点で決済したとします。
ただ、D地点は、最高値のC地点からは2.7円も離れています。
なんだか、損をした気分ですね。

このように、ダウ理論のシグナルは遅いので、トレンドの大底〜天井まできれいに取るのは不可能です。
トレンドがどこまで上昇し、どこまで下落するのかを正確に判断するのは難しいので、こればかりは諦めるほかありません。

3-4. 4.どこを高値と安値にするかの判断がやや難しめ

2つのチャートを見ましょう

上の2つのチャートを見ましょう。
売りのポジションを持っていたら、AとBのどちらで決済するか難しいのではないでしょうか?

あらかじめ上昇することが分かっていれば、迷わずトレンド転換したAで決済します。
しかし、直前まで強い下落トレンドが発生していたので、Aまで上昇しても決済せずに下がるのを待つ人もいるかもしれません。

このように、実際のトレードでは、高値や安値を判断するのは困難です。
Aの地点で自信を持って決済したら、反転下落する可能性もゼロではありません。

そのため、ダウ理論だけで判断せずに、他のテクニカル指標と組み合わせるのがおすすめですよ。

4. まとめ

ダウ理論は、一見難しそうに見えます。

ただ、どの原則も投資家に役立つ内容なので、覚えておくだけでも相場の流れが読みやすくなるでしょう。

とはいえ、ダウ理論はあくまでもトレードに勝つ方法というよりも、大事な考え方です。
他のテクニカル指標と組み合わせて精度を高めた分析をしてみてくださいね。