【チャネルラインの引き方】トレードで実践的に活用できる引き方・注意点を解説!
トレントラインと比べると、テクニカル分析でチャネルラインを利用する方は少ないかもしれません。
しかしトレーダーの中には、「よくチャネルラインを使うけど、引き方が合っているのか分からない」、「正しく引いてトレードで勝ちたい」と考えている方もいるでしょう。
この記事では、チャネルラインの引き方と、引く際の注意点を解説します。
併せて、チャネルラインを活用したトレード手法を、チャート画像を交えながら説明します。
最後まで読めば、トレンドラインの正しい引き方を理解できる上に、トレードの成功イメージが掴めるようになりますよ!
目次
- 1チャネルラインは、トレンドラインと平行になる線
- 2チャネルラインではトレンド分析が可能
- 3チャネルラインの引き方を徹底解説!
- 3.1チャネルラインの前にトレンドラインを引く
- 3.2チャネルラインは、トレンドラインと平行になるように引く
- 3.3チャネルラインを上手く引くには、相場の様子を見て引き直す
- 4チャネルラインを引く時の注意点3選
- 4.1注意点① ダマシに注意
- 4.2注意点② チャネルラインを突き抜けてしまっている場合はどうするか
- 4.3注意点③ チャネルラインが急角度であるケース
- 5チャネルラインを活用したトレード実例を解説
- 5.1①トレンドラインでエントリーし、チャネルラインで利確
- 5.2②チャネルライン反発後に逆張りし、トレンドラインで利確
- 5.3③水平線を組み合わせ、チャネルラインブレイク後に順張り
- 6まとめ
1. チャネルラインは、トレンドラインと平行になる線
チャネルラインとは、トレンドラインと平行になるように引く線のことです。
アウトラインとも呼ばれます。
この画像では、上昇トレンドと下降トレンドを確認できたので、それぞれトレンドラインを引いています。
加えて、2つのトレンドラインに平行になるようにチャネルラインを引きました。
このようにトレンドラインが引ければ、平行線であるチャネルラインも引けるのです。
なお、下降トレンドに引いたチャネルラインを「チャネルダウン」、上昇トレンドに引いたチャネルラインを「チャネルアップ」と呼びます。
2. チャネルラインではトレンド分析が可能
チャネルラインを活用すれば、トレンド分析ができます。
具体的には、
- チャネルダウンであれば下降トレンドであり、チャネルアップであれば上昇トレンドと判断できる
- チャネルラインの角度やトレンドラインとの値幅で、トレンドの強さを分析可能(*トレンドの強さとは、値動きの大きさのこと)
- トレンドの持続性も分析できる
上記の一例として、チャネルラインの角度が急であるか、もしくは値幅が広ければ強いトレンドと判断できます。
もしくは、角度が緩やかだったり、値幅が狭かったりすれば、弱いトレンドです。
さらに、チャネルラインの角度が45度に近いほど、持続しやすいトレンドとなりますね。
もし、チャネルラインとトレンドラインの値幅が広い場合も、持続性は高いと推測しておくことができるでしょう。
このように、チャネルラインを活用することでトレンドの全体的な動きから、詳細なトレンド分析も行えるのです。
詳しくはこちらの記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
3. チャネルラインの引き方を徹底解説!
チャネルラインを利用したトレンド分析法を解説しました。
ここからは、実際にチャネルラインを引く方法をお伝えしましょう。
チャネルラインを引く大まかな手順は、下記の通り。
- トレンドラインを引く
- トレンドラインに平行になるようにチャネルラインを引く
- 相場の様子を見てチャネルラインを引きなおす
具体的に解説します。
3-1. チャネルラインの前にトレンドラインを引く
チャネルラインはトレンドラインの平行線です。
したがって、チャネルラインよりも先にトレンドラインを引く必要があります。
トレンドラインは、ローソク足チャート上に引くサポートラインとレジスタンスラインのこと。
サポートラインを引く時は、切り下がる安値同士を線で結びます。
チャートでは、安値が更新し続けているのを確認できますね。
複数の安値を繋いで、トレンドラインを引きます。
それからレジスタンスラインを引く時は、切り上がる高値を線で結ぶのです。
高値も徐々に上がり続けているのが確認できるでしょう。
上がり続ける高値同士を結び、トレンドラインを引きます。
3-2. チャネルラインは、トレンドラインと平行になるように引く
トレンドラインを引いた後は、平行になるようにチャネルラインを引きます。
このチャートのように、トレンドライン(サポートライン)の上部に平行線を引くのです。
なお、チャネルラインを引く位置は、トレンドラインとチャネルラインの値幅が最大になるようにしてください。
3-3. チャネルラインを上手く引くには、相場の様子を見て引き直す
チャネルラインは一度引いたら終わりではありません。
相場の様子を見て、引き直しましょう。
ここでは、チャネルラインを引き直す際のポイントを解説します。
ポイント① チャネルラインを引き直すために、トレンドラインから引き直す
チャネルライン同様、トレンドラインも相場の様子により引き直す必要があります。
画像では、上昇トレンドを確認できたので、トレンドラインとチャネルラインを引きました。
トレンドの角度は45度に近く、値幅は狭くありません。
そのため、持続性の高いトレンドと判断できそうですね。
しかし同じ強さ・同じ値幅でいつまでも続くトレンドは存在しません。
必ずどこかでトレンドの様子は変わります。
チャートの観察を続けていると、上昇トレンドの勢いが弱くなっていきました。
始めに引いたトレンドラインをブレイクしていますが、上昇トレンドは継続していますね。
トレンドの強さや値幅を計り直すために、トレンドラインを引き直してみます。
実際に引き直すと、始めに引いたトレンドラインよりも角度が下がりました。
また、トレンドラインと平行になるようにチャネルラインを引くと、先ほどより値幅は広くなっていると分かるでしょう。
こうしてチャネルラインを引き直すと、上昇トレンドの強さや持続性を再確認できるのです。
ポイント② チャネルラインのブレイク後、値幅は2倍になりやすい
価格がチャネルラインをブレイクした後に引き直す方法を解説します。
上昇・下降トレンド発生中、チャネルラインを価格がブレイクすると、トレンドラインとの値幅は2倍になりやすいのです。
チャート上で下降トレンドが発生していますね。
切り下がる高値同士を結び、トレンドラインを引きます。
トレンドラインの次は、平行になるチャネルラインも引きましょう。
価格はトレンドライン・チャネルライン間を行き来していますが、やがてチャネルラインを上から下へブレイクしました。
この後の値幅は広がるので、チャネルラインを引き直す必要があります。
ブレイク後に値幅は広がったため、チャネルラインを引き直しましょう。
始めに引いたチャネルライン・トレンドラインの値幅と比べると、値幅は約2倍になっているのが確認できますね。
値幅が拡大すれば、トレンドの持続性は高くなります。
今後どれほどトレンドが続くか分析するためにも、実際にチャネルラインを引いて値幅を確かめましょう。
なお、価格がチャネルラインをブレイクした直後に、チャネルラインを引き直す方法もあります。
ブレイク直後に2倍の値幅を予測し、前もって引いておくのです。
事前にチャネルラインを引き直しておけば、利確のポイントを定めやすくなるでしょう。
ポイント③ 繰り返し価格が反発している箇所を探す
「チャネルラインを引く位置は、トレンドラインとの値幅が最大になるポイントである」と解説しました。
ただし、値幅だけにこだわると、適切な位置にチャネルラインを引けないケースがあるのです。
トレンドラインの平行線であり、なおかつ値幅が最大になるポイントでチャネルラインを引きました。
ところが、注意して見てみると、繰り返し反発している箇所がありませんか?
チャネルラインまで達する前に、トレンドライン・チャネルラインの中間辺りで価格は戻っています。
複数回反発しているところを線で結び、チャネルラインを引き直しました。
実際に線を引いてみると、このチャネルラインがレジスタンスラインのような役割をしていると分かりますね。
同じポイントで反発しているということは、他のトレーダーも反発しているポイントを意識してトレードしているはずです。
トレーダーの中には、トレンドラインでロングエントリーし、引き直したチャネルラインで利確している人がいるかもしれません。
他のトレーダーに遅れを取らないためにも、チャネルラインを引き直すポイントを見逃さないようにしましょう。
4. チャネルラインを引く時の注意点3選
チャネルラインの引き方・引き直し方について解説してきました。
実際にチャネルラインを引く際は、下記の3点にご注意ください。
- ダマシに注意
- チャネルラインを突き抜けてしまっている場合はどうするか
- チャネルラインが急角度であるケース
それぞれ解説しますね。
4-1. 注意点① ダマシに注意
他のテクニカル分析にも共通する話ですが、ダマシに注意しましょう。
トレンドラインとチャネルラインを引いた後に、わずかに価格がチャネルラインを上抜きました。
しかし価格はすぐに下がり、、再びトレンドラインとチャネルラインの間を推移していますね。
「価格がチャネルラインを超えると、値幅は2倍になる」とお伝えしましたが、値幅を広げないケースもあるのです。
このようにチャネルラインの利用時には、ダマシにご注意ください。
一時的に価格がチャネルラインを超えても、必ず値幅が2倍になるとは限りません。
4-2. 注意点② チャネルラインを突き抜けてしまっている場合はどうするか
チャネルラインを引いた後、一時的に大きく値動きする場合があります。
一時的な変動によって長いヒゲができた時、チャネルラインをどこに引くべきか悩むでしょう。
チャートを見ると、下降トレンドが形成されていますね。
高値同士を結んでトレンドラインを引き、平行になるチャネルラインを引きました。
この時、1本だけ長く伸びているヒゲは無視して構いません。
通常チャネルラインを引く位置は、値幅が最大になるところです。
とはいえ、1本だけ長く伸びているヒゲは、他のトレーダーに意識されにくい可能性があります。
したがって、長いヒゲに合わせてチャネルラインを引く必要はありません。
ただし、同じところで複数の長いヒゲが繰り返し反発している場合は、そこを意識すべきです。
反発を意識されているポイントを見つけたら、値幅に関係なくチャネルラインを引きましょう。
4-3. 注意点③ チャネルラインが急角度であるケース
急角度なチャネルラインは強いトレンドですが、長続きしない特徴があります。
価格はチャネルライン・トレンドラインをブレイクしやすいので、ご注意ください。
この画像では、強い下降トレンドが形成されていますね。
チャネルラインとトレンドラインの角度は、急であるのが分かるでしょう。
価格は一度チャネルラインをブレイクし、値幅を広げています。
チャネルラインとトレンドラインの間隔が、倍近くになりました。
ところが直後にトレンドラインをブレイクし、トレンドは転換しています。
以上のように、強い下降トレンドは長続きせず、すぐに上昇トレンドに切り替わっているのが確認できますね。
強いトレンドでは値動きが大きくなるため、含み損の膨らみは早くなりがち。
そのため、急角度なチャネルラインでトレードする場合は、事前に損切り注文を出しておきましょう。
5. チャネルラインを活用したトレード実例を解説
チャネルラインの引き方・引く時の注意点を踏まえた上で、実際のトレード実例をご紹介しましょう。
今回お伝えするトレード実例は、下記の3つ。
①トレンドラインでエントリーし、チャネルラインで利確
②チャネルライン反発後に逆張りし、トレンドラインで利確
③水平線を組み合わせ、チャネルラインブレイク後に順張り
それぞれ解説します。
5-1. ①トレンドラインでエントリーし、チャネルラインで利確
1つ目は、トレンドラインでポジションを持ち、チャネルラインで利確する手法です。
チャートを見ると、上昇トレンドを確認できました。
切り上がる安値同士を線で結び、トレンドラインを引きましょう。
そして値幅が最大になるポイントで、トレンドラインと平行になるようにチャネルラインを引きます。
実際にチャネルラインを引くと、チャネルラインで繰り返し価格が反発しているのを確認できますね。
何度かチャネルラインに達し、下落している様子が見られました。
同じ値動きを繰り返しているため、他のトレーダーにもチャネルラインは意識されていると判断できます。
価格が下落しても、再びチャネルラインまで達すると予想できるので、トレンドラインに達したタイミングでエントリー(ロング)しましょう。
利確ポイントはチャネルラインであり、損切りポイントはトレンドラインのブレイク時です。
エントリー後、価格はチャネルラインまで達したため、利確しました。
ちなみに、その後はチャネルラインをブレイクし、値幅が約2倍に拡大しましたね。
仮に利確ポイントでポジションを手放さなかったとしたら、もう少し利益を増やせたでしょう。
価格がチャネルラインに達せず、トレンドラインを下回るケースもあり得ます。
推奨する損切りラインは、トレンドラインを割ったところです。
しかしトレンドラインを割った時点で、含み益である事例もあるでしょう。
そのような時は、損切りラインを「ポジションを持ったポイントより1つ前の安値」、もしくは「トレンド転換を確認できたタイミング」に設定しても構いません。
含み損が大きくなり過ぎないポイントを選びましょう。
5-2. ②チャネルライン反発後に逆張りし、トレンドラインで利確
2つ目はチャネルライン反発後に逆張りし、トレンドラインで利確する手法です。
上昇トレンドを発見したため、トレンドラインとチャネルラインを引きました。
今回のトレード実例は逆張りですので、トレンド方向とは逆向きのポジションを持ちます。
価格がチャネルラインに達したところでエントリー(ショート)しましょう。
利確ポイントはトレンドラインであり、損切りポイントはチャネルラインを下から上へブレイクした時です。
ここでチャートをよく観察してみてください。
トレンドラインとチャネルラインの範囲で、繰り返し反発しているところがありますね。
今後も意識されるポイントであると考えられるので、反発しているところでチャネルラインを引きましょう。
引き直したチャネルラインは、レジスタンスラインにもサポートラインにもなると予想できます。
引き直したチャネルラインは、他のトレーダーからも意識されているようです。
チャネルラインで繰り返し価格を戻していますね。
しばらく様子を見ると、価格はトレンドラインまで下がりましたので、利確します。
なお、今回はトレンドラインを利確ポイントとしましたが、引き直したチャネルラインを利確ポイントにするのも良いでしょう。
なぜなら、引き直したチャネルラインより価格が下がらない可能性もあったためです。
以上のようにトレンド発生時は、トレンドの方向へ価格が推移していきます。
したがって、逆張りは含み損を膨らませるリスクがあるので、ご注意ください。
5-3. ③水平線を組み合わせ、チャネルラインブレイク後に順張り
3つ目は、水平線を組み合わせたトレード手法です。
チャネルラインを価格がブレイクし、2倍の値幅のところで利確を狙います。
チャートを見ると上昇トレンドを確認しましたので、トレンドラインとチャネルラインを引きましょう。
また、チャネルラインの上には、レジスタンスとして意識されている水平線を引いています。
様子を観察していると、価格はチャネルラインと水平線をブレイクしましたので、エントリー(ロング)します。
もしブレイクしたのがチャネルラインだけであれば、エントリー後に値下がりするリスクがあるでしょう。
ダマシである可能性は否定できません。
しかし今回は、チャネルラインだけではなく水平線もブレイクしているのが分かりますね。
そのため、ロングポジションを持つ根拠が強くなります。
利確ポイントは、トレンドラインとチャネルラインの値幅が2倍になるところです。
損切りポイントは、チャネルラインと水平線をブレイクしたところとします。
2倍の値幅になるところを予想し、チャネルラインを引き直しました。
チャートを観察していると、価格が上昇し、引き直したチャネルラインに到達します。
到達したところで、利確しましょう。
このように他のテクニカルも組み合わせることで、エントリーの根拠は強くなるので、試してみてください。
6. まとめ
今回はチャネルラインの引き方や注意点について解説し、トレード実例をご紹介しました。
チャネルラインの基本的な引き方は、トレンドラインの平行になるように引くだけです。
簡単な引き方に感じると思いますが、チャネルラインは相場の様子を見て引き直す必要がある上に、注意しなくてはならない点もあります。
意外と奥が深いテクニカルですので、ぜひ使いこなせるように練習してみましょう。