トレンドラインとチャネルラインは似てる?各特徴と両者の使い分けについて解説!
FXトレードでは、チャート上に線を引いて分析する方法が基本的です。そのため、トレンドラインを引き、トレードに活用している方は多いでしょう。
しかし中には、
「トレンドラインは分かるけど、チャネルラインってどうやって引くの?」
「トレードで活用する方法が分からない」
とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
そこで、チャネルラインの引き方や使い方、そして具体的なトレード手法について事例と共に詳しく解説します。
当記事を読めば、トレンドラインとチャネルラインの各特徴について理解を深め、両者を取り入れたトレード手法をしっかり習得できるはずですよ!
目次
- 1トレンドライン・チャネルラインとは何か?
- 1.1トレンドライン・チャネルラインの共通点
- 1.2値幅を観測できる?トレンドライン・チャネルラインの違いについて
- 2(明確な違いあり)トレンドライン・チャネルラインの引き方
- 2.1高値・安値に注目!トレンドラインの引き方
- 2.2トレンドラインを参考にしたチャネルラインの引き方
- 2.3トレンドライン・チャネルラインが引けないケース
- 3トレンドライン・チャネルラインを活用したエントリー・利確・損切りポイント
- 3.1押さえておくべきブレイクのポイント
- 3.2エントリー目安となるポイント
- 3.3利確目安となるポイント
- 3.4損切り目安となるポイント
- 4トレンドライン・チャネルラインを活用したトレード手法
- 4.1パターン① トレンドラインでエントリー→チャネルラインで利確
- 4.2パターン② チャネルラインでエントリー→トレンドラインブレイクで損切り
- 4.3パターン③ チャネルラインでエントリー2倍のところで利確
- 5まとめ
1. トレンドライン・チャネルラインとは何か?
トレンドラインとは、上昇トレンド時に引くサポートライン、下降トレンド時に引くレジスタンスラインのこと。
上昇トレンド時は、安値同士を結ぶようにチャート上でサポートラインを引き、下降トレンド時は高値同士を結ぶレジスタンスラインを引きます。
一方でチャネルラインとは、トレンドラインと平行に引く線のことです。上昇トレンド時は、サポートラインの上部に平行線を引きます。そして下降トレンド時はレジスタンスラインの下部に線を引くのです。
なお、チャネルラインは高値(安値)に合わせて引くようにしましょう。
1-1. トレンドライン・チャネルラインの共通点
トレンドラインとチャネルラインには、下記の共通点があります。
共通点① トレンドの方向が分かる
トレンドライン・チャネルラインを活用すれば、市場にトレンドが発生しているかどうかを把握できます。高値・安値同士を線で結べれば、上昇トレンド・下降トレンドを確認できるでしょう。
共通点② トレンドの強さが分かる
トレンドライン・チャネルラインの角度で、トレンドの強さを予測できます。ラインの角度が45度より高ければ高いほど、強いトレンドです。トレンドが強い場合、大きく値動きします。
反対にラインの角度が45度より低ければ、弱いトレンドです。弱いトレンド時は、大きく値動きしません。
共通点③ トレンドの持続性が分かる
トレンドがどれほど続くかどうか分かります。トレンドライン・チャネルラインの角度が45度より高いと、トレンドは長続きしません。一方で角度が45度より低いと、トレンドは持続すると考えられます。
1-2. 値幅を観測できる?トレンドライン・チャネルラインの違いについて
トレンドラインとチャネルラインの違いは、「値幅を観測できるかどうか」にあります。
もしトレンドラインだけを引いた場合、値幅の確認は困難でしょう。しかし、チャネルラインを併用すれば、値幅が見えてくるのです。
チャネルラインは高値(安値)に合わせて引く平行線。そのため、トレンドラインとチャネルラインの間が値幅となります。
加えて、値幅が観測できれば、トレンドの強さ・持続性も分かるのです。値幅は広ければ広いほど、トレンドが強くなり、なおかつ持続します。
左の図では、トレンドライン・チャネルライン間の値幅が狭いので、トレンドは弱く、持続しにくいと推測できます。
しかし右の図では、左と比べてトレンドライン・チャネルライン間の値幅が広いと分かるでしょう。そのため、トレンドが強く、持続すると考えられるのです。
2. (明確な違いあり)トレンドライン・チャネルラインの引き方
上記の通り、トレンドラインは高値(安値)同士を結び、チャネルラインはトレンドラインと平行になるように引きます。そのため、チャネルラインを引く場合は、先にトレンドラインを引かなくてはなりません。
下記にて、詳しく解説します。
2-1. 高値・安値に注目!トレンドラインの引き方
まずはトレンドラインの引き方を説明しましょう。
トレンドラインを引く際は、切り下がっていく高値同士、もしくは切り上がっていく安値同士を結びます。
チャートを見て、高値が切り下がっていくのを確認したら、2つの高値を線で結んでみてください。
高値同士を結んだ線がレジスタンスライン(トレンドラインでもある)であり、下降トレンドの発生中であると分かります。
反対に、切り上がっていく安値を結んだ線がサポートライン(トレンドラインでもある)であり、上昇トレンドの発生を確認できるでしょう。
2-2. トレンドラインを参考にしたチャネルラインの引き方
トレンドラインを引いた後は、チャネルラインを引きましょう。
引いたトレンドラインがサポートラインであれば、その上に平行になるようにチャネルラインを引きます。
また、チャネルラインを引く時は、トレンドラインとチャネルラインの幅が最大になるようにしましょう。チャネルラインをローソク足の終値(始値)に合わせた際に、値幅が最も広くなるポイントに合わせます。
一方でレジスタンスラインを引いた場合も同様であり、レジスタンスラインの下に平行になるようにチャネルラインを引きましょう。レジスタンスライン・チャネルライン間の値幅が最大になるポイントを選びます。
なお、チャネルラインは一度引いて終わりにしないようにします。なぜなら大きく値動きし、引いたチャネルラインを超えるケースがあるためです。
例えば上図のように、チャネルラインを引いたとします。しかしラインを引いた後、さらに値上がりし、価格はチャネルラインを超えてしまいました。
始めに引いたチャネルラインより値幅が広くなったため、もう一度チャネルラインを引き直します。このように、チャネルラインは相場をよく観察し続け、必要に応じて引き直すのです。
2-3. トレンドライン・チャネルラインが引けないケース
値動きを見た時、上昇トレンドなのか下降トレンドなのか判断できないケースもあるでしょう。
一定の値幅を行き来していると、なかなかトレンドラインを引けません。このような状況をレンジ相場と呼びます。
レンジ相場では、無理してトレンドラインを引かずにしばらく様子を見るのがオススメです。
もしくは、より広い範囲でチャートを見たり、短い時間足・長い時間足で相場を見たりするのも良いでしょう。見るポイントを変えれば、トレンドを確認できる場合があります。
3. トレンドライン・チャネルラインを活用したエントリー・利確・損切りポイント
トレンドライン・チャネルラインを活用すれば、どこでエントリーすれば良いのか目安を付けられます。また、利確(利益確定)や損切りのポイントを押さえておくのも大切です。
それぞれ詳しく解説します。
3-1. 押さえておくべきブレイクのポイント
まずは、トレンドライン・チャネルラインを活用し、ブレイクするポイントを見つけられるようにしましょう。
ブレイクポイントは、価格がチャネルラインを超えたタイミングになります。
特に注意すべきは、下記の2点です。
・トレンドラインの角度が緩やかで、強くないトレンドと判断できる時
・トレンドラインの角度が急であり、持続しないと判断できる時
このような状況ではブレイクしやすい特徴がありますので、注意深く値動きを観察してみてください。
例えば上記画像のように、角度が小さいトレンドライン・チャネルラインを引いたとしましょう。
トレンドライン・チャネルラインを引いた後、価格はチャネルラインを下から上へと抜き、ブレイクします。価格がチャネルラインを超えた後、値幅は広がりました。始めに引いたチャネルラインとトレンドラインの、およそ2倍の値幅になりましたね。
このように、ブレイク後に引き直したチャネルラインとトレンドラインの値幅は、始めのチャネルラインとトレンドラインの値幅の倍になるケースが多いことを押さえておきましょう。
3-2. エントリー目安となるポイント
トレンドライン・チャネルラインを活用した、エントリーの目安を2つお伝えします。
この画像のチャートでは、下降トレンドが形成されていますね。そのためトレンドラインとチャネルライン、そして価格変動に対応した2本目のチャネルラインが引かれています。
エントリー目安の1つ目は、トレンドライン付近です。トレンドの方向に従って、ショートポジションを持ちます。
2つ目は、チャネルラインブレイク直後です。価格がブレイクした後は、さらに値下がりする可能性があるので、同じくショートポジションを持ちます。
3-3. 利確目安となるポイント
エントリーポイントを把握したら、次は利確ポイントを確認しましょう。
エントリー同様、利確ポイントも2つあります。1つ目はチャネルライン、2つ目はトレンドライン・チャネルライン間の約2倍の値幅です。
黄色の字で示したエントリーポイント①では、トレンドライン付近でショートポジションを持ちました。その後価格は下がり、チャネルラインにまで達しています。
このチャネルライン付近が、1つ目の利確ポイントです。
次にピンクの字で示したエントリーポイント②です。
チャネルラインブレイク直後にショートポジションを持ちました。その後さらに価格は下がり、トレンドライン・チャネルラインの2倍の値幅の付近にまで達しています。この2倍の値幅の辺りが2つ目の利確ポイントです。
チャネルラインブレイク時は、利確ポイントの目星を付けておくと良いでしょう。トレンドライン・チャネルラインの約2倍の値幅はどの辺りか、事前にチャート上で確認しておけば、利確のタイミングを逃さずに済みます。
3-4. 損切り目安となるポイント
損切りのタイミングを2点解説します。
まずは1つ目の損切りポイントです。
トレンドライン付近でショートポジションを持ち、チャネルラインで利確を狙う状況です。この時の損切りタイミングは、トレンドラインをブレイクし、なおかつ1つ前の高値を超えた時になります。
上の画像では、エントリーポイントより1つ前の高値と同水準の価格を、損切りポイントとしました。
ただし1つ前の高値を超えた段階で、含み損が発生しないケースもあるでしょう。含み損がない場合は、トレンド転換を確認したタイミングで損切りしても構いません。
続いて2つ目の損切りポイントです。
チャネルラインブレイク時にロングエントリーし、トレンドライン・チャネルライン間の約2倍の位置で利確を狙った状況です。この時の損切りタイミングはトレンドラインを超えた時になります。なぜならトレンドラインのブレイクは、トレンド転換のシグナルと考えられるためです。
上の画像では、エントリーポイントでロングポジションを持った直後に価格が下落したので、サポートラインを損切りポイントにしています。
なお、トレンドラインを超えてもトレンドが転換しない可能性もあるので、ご注意ください。
4. トレンドライン・チャネルラインを活用したトレード手法
それでは、トレンドライン・チャネルラインを利用したトレード手法を解説します。
4-1. パターン① トレンドラインでエントリー→チャネルラインで利確
画像では上昇トレンドが発生しています。トレンドラインの角度は緩やかで、値幅も広めであるため、持続性の高い上昇トレンドになるかもしれません。価格がトレンドラインに触れた時、ロングポジションを持ってみましょう。
エントリー後は、少しずつ値上がりしていき、チャネルラインに到達しましたので、利確します。
利確した後は、チャネルラインを超えていますね。さらに利益を狙いたい場合は、ここでもう一度ロングポジションを持つと良いでしょう。利確ポイントは、トレンドライン・チャネルライン間の値幅の2倍にあたる位置になります。
4-2. パターン② チャネルラインでエントリー→トレンドラインブレイクで損切り
画像では、下降トレンドが発生中です。価格がチャネルラインに達したところで、ショートポジションを持ちます。利確のポイントは、トレンドライン・チャネルライン間の2倍の値幅に価格が達した時です。
しかしエントリーした後は、2倍の値幅まで達しませんでした。価格はエントリーしたところを上抜け、そのままトレンドラインもブレイクします。
下降トレンドから上昇トレンドの転換の可能性が考えられたため、トレンドラインブレイク直後に損切りしました。
4-3. パターン③ チャネルラインでエントリー2倍のところで利確
上昇トレンド発生中、チャネルラインの下から上へ価格が移動しました。チャネルラインブレイク直後にロングポジションを持ちます。
利確ポイントは2倍の値幅に達したところです。
エントリー後、何度かチャネルラインを下回ってしまいます。しかし、損切りポイントまで下がることはありません。無事に2倍の値幅まで達しましたので、利確します。
「筆者自身もトレンドラインを引いた後、『別のところにもトレンドラインが引けるのではないか』と感じるケースがあります。チャートをもう少し長めの時間幅で見直す時、トレンドラインを引ける箇所が複数箇所見つかるのです。」
そのような時、筆者はトレンドラインをもう1本・2本引きます。トレンドラインの候補をいくつか立てておけば、戦略を立て直しやすくなるのです。
また、過去のトレンドライン・チャネルラインの値幅と比較して、「今の値幅は〇日前よりもさらに広くなっているから、このトレンドは長続きしそうだ」と予想も立てられます。
5. まとめ
トレンドラインとチャネルラインを活用すれば、トレンドの方向・強さ・持続性・値幅を予測できます。また、エントリー・損切り・利確のポイントも分かるのです。
そのため、実際のトレードでトレンドライン・チャネルラインを引き、使いこなせるようにするのをオススメします。
引き方は決して難しくありません。この記事でご紹介した手法を参考にしつつ、ぜひトライしてみてください。