【意外】RSIにもトレンドラインが引ける?3つの使い分けでチャートを分析

rsiにもトレンドラインが引ける?3つの使い分けでチャートを分析

「RSIはオシレーター系の指標なので、トレンド系の指標と組み合わせるべき」という意見は多く聞かれますし、筆者も同意します。

しかし、

「具体的にどの指標と組み合わせればいいの?」
「RSIとトレンド系の指標を使うトレード手法を知りたい」

と悩む方は多いでしょう。

この記事では、RSIとトレンドラインを活用したトレード手法を解説します。併せて、RSIの概要やトレンド分析法についてもお伝えします。

実際のチャート画像を用いて説明しますので、きっとあなたのトレードの参考になりますよ!

目次

1. RSIとは何か?

RSIとは何か?

はじめに、RSIについて簡単に解説します。

RSIとは「Relative Strength Index」の略であり、日本語訳は「相対力指数」。
一定期間における「買いの値幅」と「売りの値幅」の変動を数値化した指標です。

RSIを活用すれば、相場の通貨ペアが「買われ過ぎ」であるか「売られ過ぎ」であるかを判断できます。
要するに、「相場における売買の過熱度」が分かるのです。
RSIのチャートはローソク足チャートの下に表示されている
このRSIチャートは、14日間における相場の過熱度を示しています。
画像のように、RSIのチャートはローソク足チャートの下に表示されているのが分かりますね。

RSIチャートは売り買いの過熱度を0%から100%までで表しており、上の白い点線が70%、下が30%の水準です。
一般的に70%以上が買われ過ぎ、30%以下が売られ過ぎと判断されます。

例えば①の箇所では、上の白い点線をRSIチャートが上抜いています。
ゆえに、上抜いているポイントでは、買われ過ぎです。

一方で②の箇所では、下の白い点線をRSIチャートが下抜いています。
②のポイントでは売られ過ぎだと分かるでしょう。

以上のように、RSIチャートを活用すれば、通貨の売買バランスを分析できるのです。

なお、RSIの詳細や計算式については、「逆張りに強い?RSIの概要から使いどころ、注意点まで詳しく解説!」以下のリンクをご覧ください。

2. トレンドラインとは高値・安値同士を結んだ線のこと

トレンドラインとは、ローソク足チャート上に引く線のことです。
高値と高値を結んだ線を「レジスタンスライン」、反対に安値と安値を結んだ線を「サポートライン」と呼びます。
高値同士を結んでレジスタンスラインを引いています
このチャートでは、高値同士を結んでレジスタンスラインを引いています。
レジスタンスラインを引くと、下降トレンドが発生しているのが分かりますね。

安値同士を線で繋いでサポートラインを引きました
一方でこのチャートでは、安値同士を線で繋いでサポートラインを引きました。
サポートラインを引くと、上昇トレンドの存在を確認できるでしょう。

つまり、トレンドラインを活用すると、現在のトレンドの方向性が分かるのです。
また、トレンドラインを価格がブレイクすれば、トレンド転換のサインになります。

トレンドラインについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。

3. RSIとトレンドラインを活用してトレンド分析をしよう!

RSIとトレンドラインを活用してトレンド分析をしよう

上記にて、RSIとトレンドラインの概要を解説しました。

ここからは、RSIとトレンドラインの両方を活用し、トレンドを分析する方法をお伝えします。

  • RSI・トレンドラインを利用したトレンド方向の分析方法
  • RSI・トレンドラインを利用したトレンド転換点の分析方法
  • RSIチャートにトレンドラインを引いた分析方法

上記3点について解説しますね。

3-1. RSI・トレンドラインでトレンドの方向を確認する

まずはトレンドの方向、およびトレンドの持続性を分析する方法についてです。

RSIの50%が判断の基準になる

トレンド方向の判断基準は、RSIの50%です。

RSIチャートが50%以上で推移していれば上昇トレンドであり、反対に50%以下で推移していれば下降トレンドと判断できます。
このRSIチャートでは、50%の水準で黄色いラインを引きました
このRSIチャートでは、50%の水準で黄色いラインを引きました。50%のラインより上であれば「上昇トレンド」、下であれば「下降トレンド」です。

このようにRSIチャート上に50%のラインを引けば、簡単にトレンド方向を分析できると分かりますね。

しかし、絶対正しいトレンド分析はありません。
RSIチャートは50%を上回っているにもかかわらず、ローソク足チャートが下降トレンドであるケースもあるのです。

したがって、トレンドラインも活用し、分析精度を上げましょう。
ローソク足チャートを確認すると、高値が切り下がっていくところを発見
ローソク足チャートを確認すると、高値が切り下がっていくところを発見しました。
高値同士を結び、トレンドライン(レジスタンスライン)を引きます。

トレンドラインは全体的に下降トレンドですが、RSIは50%の水準を上下しているのが分かりますね。
トレンドラインとRSIの2つの方向が異なっていると、どちらが正しいのか判断できません。

なので、トレンドラインとRSIの示すトレンド方向が一致しているところを参考にしましょう。

RSIで黄色い丸を付けた箇所は、トレンドラインの示す方向と同じく下降トレンドです。
トレンド方向が一致しているので、レジスタンスライン付近の丸箇所は下降トレンドである可能性が高いでしょう。

リバーサルでトレンドの継続を確認できる

リバーサルとは、ローソク足チャートとRSIチャートの値動きが逆行する現象を指します。
ローソク足で安値が切り上がっている
この画像を見ると、ローソク足で安値が切り上がっているため、上昇トレンドを確認できます。
一方で、RSIチャートを見ると、安値(チャートで谷が形成されているポイント)が切り下がっていますね。

このようにローソク足の安値は更新せず、RSIの安値が更新している状況をリバーサルと呼びます。

そしてリバーサルの発生時、トレンドは継続していく可能性が高いのです。
すなわち、トレンドラインとRSIを利用すると、トレンドの方向だけではなく持続性も分析できます。

3-2. ダイバージェンスはトレンド転換のサインになる

ダイバージェンスとは、ローソク足とRSIのチャートの動きが逆行する現象のことです。

「ローソク足・RSIが逆行している」という点では、リバーサルと同じですね。
ただし、リバーサルとダイバージェンスでは、見るべきポイントが異なります。

例えば上昇トレンド時、リバーサルではローソク足・RSIチャートの安値に注目します。
それに対してダイバージェンスでは、ローソク足・RSIチャートの高値(チャートで山が形成されているポイント)に注目するのです。

上昇トレンド時、ローソク足で高値を切り上げ、RSIで高値が切り下がっている状況をダイバージェンスと呼びます。

ローソク足の高値が切り上がっています
このチャートでは、ローソク足の高値が切り上がっていますね。
反対に、RSIのチャートでは高値が切り下がっていると分かるでしょう。

ですから、ダイバージェンスを確認できます。

リバーサルがトレンド継続を示す一方で、ダイバージェンスはトレンド転換を示すサインです。

チャート上ではトレンドライン(レジスタンスライン)を引けるため、上昇トレンド中だと判断できますね。しかしRSIを見ると高値は切り下がっていて、ダイバージェンスのサインを発見できます。

そのため、上昇トレンドから下降トレンドへ転換すると予測できるのです。

ちなみに、上記事例でご紹介したダイバージェンスは、高値付近で発生する「弱気なダイバージェンス」。

他方、安値付近で発生するダイバージェンスは「強気なダイバージェンス」となります。
ローソク足の安値を切り下げながらも、RSIのラインは高値を切り上げていきますよ。

3-3. RSIチャートにもトレンドラインを引ける!

トレンドラインとRSIを利用し、トレンド方向・転換点の分析方法を解説しました。

続いて、RSIチャート上でトレンドラインを引いて分析する手法をご説明します。
というのも、RSIチャートでトレンドラインを引く場合であってもトレンド方向・転換点を分析できるのです。

RSIにトレンドラインを引き、トレンド分析できる

RSIでトレンド方向を分析する方法をお伝えします。
ローソク足チャートでトレンドラインを引きましょう
まずは、ローソク足チャートでトレンドラインを引きましょう。

高値が更新し、安値は切り上がっているので、上昇トレンドであると分かりますね。
安値同士を結び、トレンドラインを引きます。

次にRSIのチャートをご覧ください。

RSIチャートでも、安値(チャートで谷が形成されているポイント)が切り上がっています。
ローソク足チャート同様、安値同士を結んでトレンドラインを引きましょう。

このようにローソク足だけではなく、RSIでも上昇トレンドを確認できました。
2つの指標を用いてトレンドの方向を調べれば、分析の精度が上がります。

RSIチャート上のトレンドラインのブレイクは、トレンド転換シグナル

RSIチャート上に引いたトレンドラインを活用すれば、トレンドの転換点を分析できます。
トレンド転換のシグナルは、RSIがトレンドラインをブレイクした後です。
ローソク足・RSIチャートの2つにトレンドラインを引いています
この画像では、ローソク足・RSIチャートの2つにトレンドラインを引いています。
そしてどちらも、トレンドラインの上から下へかけてブレイクしているのが確認できますね。

ローソク足・RSIチャートの両方でトレンドラインをブレイクした場合、トレンド転換する可能性が高いのです。
RSIチャートに引けるのは、トレンドラインだけではありません。水平線も引けるのです
なお、RSIチャートに引けるのはトレンドラインだけではなく、水平線も引けますよ。

画像では、水平線を下から上へブレイクしていますね。
トレンドライン同様、ローソク足・RSIチャートの両方で水平線をブレイクすれば、トレンド転換のサインになります。

4. RSI・トレンドラインを活用したトレード手法を解説!

RSI・トレンドラインを活用したトレード手法を解説

RSI・トレンドラインを使用し、トレンドの方向・持続性・転換点を分析する方法を説明しました。

ここからは具体的なトレード手法を解説しましょう。

逆張り・順張りの2通りを取り上げますので、ぜひトレードの参考にしてください。

4-1. RSI・トレンドラインを活用した逆張り手法

始めにご紹介するのは、RSI・トレンドラインを活用した逆張り方法です。
トレンドの方向を分析しましょう。ローソク足・RSIの両方を見ると、安値が切り下がっていますね
まずはトレンドの方向を分析しましょう。ローソク足・RSIの両方を見ると、安値が切り下がっていますね。

次に、RSIをご覧ください。売買の過熱度を確かめると、50%水準の上から下へチャートが推移しています。

以上のことから、下降トレンドであると判断できます。ローソク足・RSIチャートにトレンドライン(レジスタンスライン)を引きましょう。

また、トレンドラインと平行になるようにチャネルラインも引きます。
トレンドラインを引いたら、エントリーするポイントを見つけましょう。

今回の手法は逆張り。そのため、下降トレンドとは反対にロングポジションを持てるところを見つけるのです。

ロングでエントリーするポイントは、価格がチャネルラインに達したところとします。
ローソク足・RSIチャートの両方で、価格はチャネルラインに達しました
ローソク足・RSIチャートの両方で、価格はチャネルラインに達しました。ここから再び価格はトレンドラインに戻ると予想できます。

そのため、チャネルラインに達したところでロングエントリーしましょう。

利確ポイントはトレンドライン、損切りポイントはチャネルラインをブレイクした時とします。
エントリー後は、ローソク足・RSIチャートともに価格がトレンドラインまで上がったため、利確しましょう。

「注意点は、チャネルラインをブレイクする可能性があることです。チャネルラインをブレイクし、どんどんトレンドラインから離れるケースもあります。」

チャネルラインをブレイクすると、トレンドラインとチャネルラインの値幅は、2倍近くになるケースが多いのです。
ですからチャネルラインをブレイクしたら、すぐに損切りすると良いですよ。

4-2. RSI・トレンドラインを活用した順張り手法

RSI・トレンドラインで順張りする手法を3つ解説します。

  • 順張り手法① RSIチャートのトレンドラインをブレイクした時にエントリー
  • RSIチャートのトレンドラインで反発した時にエントリー
  • リバーサルを確認した時にエントリー

それぞれ見ていきましょう。

順張り手法① RSIチャートのトレンドラインをブレイクした時にエントリー

RSIチャートで引いたトレンドラインがブレイクした時に、エントリーする手法を解説します。
トレンドの方向を調べると、ローソク足・RSIチャート両方でトレンドライン(サポートライン)を引けます
トレンドの方向を調べると、ローソク足・RSIチャート両方でトレンドライン(サポートライン)を引けます。
また、RSIチャートは50%以上で推移しているため、上昇トレンド中であると分かりますね。

チャートを観察していると、RSIチャートだけがトレンドラインをブレイクしました。
一方でローソク足チャートはブレイクしていません。よって、もう少し様子を見ましょう。
ローソク足チャートもトレンドラインをブレイク
やがてローソク足チャートもトレンドラインをブレイクしましたね。トレンド転換を予測できるので、ショートポジションを持ちます。

利確ポイントは、RSIチャートが30%の水準を下回った時です。

なぜならRSIでは、一般的に30%以下で「売られ過ぎ」であるためで、売られ過ぎのところを底値と想定して利確を狙います。

なお損切りポイントは、価格がトレンドラインを上抜いた時です。
予想通り、価格は下落
予想通り、価格は下落していきましたね。RSIチャートの30%を下回ったところで利確します。

「RSIチャート上にトレンドラインを引かない場合、トレンド転換のサインとしてダイバージェンスを意識するのがおすすめ。」

ダイバージェンスを発見し、なおかつローソク足の価格がトレンドラインをブレイクをすれば、トレンド転換の確率は高いでしょう。

順張り手法② RSIチャートのトレンドラインで反発した時にエントリー

RSIチャート上のトレンドラインを反発したタイミングを狙います。
ローソク足・RSIチャートでトレンドライン(レジスタンスライン)を引きました
このチャートでは、ローソク足・RSIチャートでトレンドライン(レジスタンスライン)を引きました。
RSIチャートを見ると、トレンドラインで反発しているところを確認できますね。

同じタイミングで、ローソク足チャートでも価格がトレンドラインを反発しています。
そのため、反発した直後でショートポジションを持ちましょう。

利確ポイントはRSIチャートの30%以下のところであり、損切りポイントはトレンドラインをブレイクしたところとします。
エントリー後、価格は下がりました
エントリー後、価格は下がりました。RSIチャートの30%を大きく下回ったため、利益確定します。

順張り手法③ リバーサルを確認した時にエントリー

最後に、リバーサルを活用したトレード手法を解説します。
ローソク足チャートにトレンドライン(サポートライン)を引きました
このチャートでは、ローソク足チャートにトレンドライン(サポートライン)を引きました。また、RSIチャートは50%以上で推移しているため、上昇トレンド中であると判断できますね。

注目すべきは、ローソク足・RSIチャートの動きが逆行している点です。
ローソク足では安値が切り上がっていますが、一方でRSIチャートでは安値が切り下がっています。

つまり、リバーサルを確認できるのです。

リバーサルはトレンドが継続するサイン。
そのため、まだ上昇トレンドは続くと予想できます。
トレンドが続くと考えられるので、トレンドと同じ方向でエントリーすれば、利益を狙えます
トレンドが続くと考えられるので、トレンドと同じ方向でエントリーすれば、利益を狙えますね。
ローソク足チャートのトレンドラインを反発したところで、ロングポジションを持ちましょう。

利確ポイントはRSIチャートで70%以上のところ(買われ過ぎと判断できる水準)です。
そして損切りポイントは、トレンドラインをブレイクしたところとします。

エントリー後、上昇トレンドは続きました。RSIチャートで70%以上に達したところで、利確します。

5. まとめ

RSIはトレンド系の分析法と併用すると効果を発揮します。
そのため、トレンドラインを組み合わせれば、トレンド分析の精度を上げられるでしょう。

また、RSIチャート上に直接トレンドラインを引いても、トレンド方向・転換点の分析が可能です。

今回ご紹介した手法を参考にして、ぜひトレンド分析やトレードの参考にしてみてください。