【画像付き】ローソク足の見方を各パターンごとに詳しく解説!
ローソク足の見方が分からず悩んでいませんか?またローソク足の見方を覚えても、どのようにトレードに活かせば良いのか分からない人もいるかもしれません。
そこで当記事では、
・ローソク足の見方や意味
・様々なローソク足の解説
・ローソク足をどのようにトレードに活かすのか?
などなど、ローソク足の見方について解説します。当記事を読む事で、ローソク足の見方だけではなく、トレードでの使い方も分かるようになります。ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
- 1初心者向け! ローソク足の見方を解説!
- 1.1ローソク足は本間宗久が考えた?
- 1.2本間宗久は相場師じゃなかった?
- 1.3ローソク足は実体とヒゲで構成されている
- 1.4ローソク足を構成する5つの情報とは?
- 1.5ローソク足を見るだけで、期間中の値動きが分かる
- 2ローソク足の25種類のパターンを紹介!
- 2.1大陽線
- 2.2大陰線
- 2.3小陽線/小陰線
- 2.4小陽線のコマ足/小陰線のコマ足
- 2.5上影陽線/上影陰線
- 2.6下影陽線/下影陰線
- 2.7他にもこんなローソク足がある!まとめてチェック
- 3ローソク足が読める2つのメリットとは?
- 3.1過去の値動きの流れがひと目で分かる
- 3.2今後の値動きを予測できる
- 4ローソク足を利用したトレードの実例を紹介!
- 4.1ローソク足の最安値を下回らない限り、上昇トレンドは継続
- 4.2上昇トレンド中に高値圏で上ヒゲが長い足が出たら転換
- 4.3レンジ相場の高値と安値でのトレード
- 5まとめ
1. 初心者向け! ローソク足の見方を解説!
ローソク足は、相場の値動きを表すテクニカル指標の事です。日本で考案されたもので、一般的にはローソクの形に似ていることからローソク足と呼ばれています。多くのトレーダーは、トレードをする際にチャートを見ますがチャートに必ずと言っていいほど表示されているテクニカル指標です。(外国はバーチャートを使う事が多い)
そのため、FXを始めたばかりの方はまず、ローソク足の見方について知る事が必要です。ローソク足の見方が分かれば、今後の値動きの予測がしやすくなるので、特徴や使い方を覚えておきましょう。
1-1. ローソク足は本間宗久が考えた?
ローソク足は、江戸時代の相場師である本間宗久(1717年~1803年)が考案したと言われていますが、歴史研究家の間ではそれは疑わしいとなっています。
本間宗久が活躍されたとされる堂島の米市場(大阪)が徳川幕府に官許(市場として許可された)のは1730年のことで、当時は取引形態が整備されてなく、ローソク足を構成する始値・終値・高値・安値という呼称すら存在していませんでした。
ローソク足が書けるくらいに、取引形態が出来たのは本間宗久の死後である可能性が高いのです。
1-2. 本間宗久は相場師じゃなかった?
読み飛ばしOK! 歴史マニアだけ読んでください。
また、歴史研究家の間では「本間宗久非相場師論」というものがあり、そもそも相場師ではなかったのではないか?という意見も多いのです。理由としては以下の5つがあります。
理由1
江戸時代で流行った川柳で「本間様には及びもないが せめてなりたや殿様に」というものがあります。これは、「本間家のようにはなれないが、せめて大名になりたい」と庶民が冗談まじりに願う様子を川柳にしたものです。この川柳からもわかるように、大名よりも力を持つと言われた豪商の本間家の人間が、相場に手を出しただろうか?という疑問が生まれます。
理由2
相場で莫大な富を築いたとされていますが、本間家は小作人からの搾取と、小作米の高利潤販売と米手形割引、いわゆる高利貸しでのし上がった家です。そもそも、とんでもない大金持ちが相場で金を増やそうとするでしょうか?現代なら、ソフトバンクの孫さんが相場に手を出すような話です。つまり、莫大な資産は相場ではなく、高利貸しで稼いだものなのではないか?と考えた方が自然です。
理由3
本間宗久は士分の株(武士の資格を金で買う事)を買い、幕臣(幕府の家来)となります。封建制度の厳しい武家社会で相場に手を出すことが許されたでしょうか?ちなみに鬼平犯科帳で有名な、長谷川平蔵は火付盗賊改方(放火や強盗、賭博を取締る役職)の長官でしたが、取締りのための予算不足を補うために、米相場に手を出して火付盗賊改方の長官を解任されたという話があります。この事からわかるように武士が相場に手を出すのは破廉恥なものとされていたのです。
理由4
武士の身分を金で買い、相模守(称号)にまでなった人が相場一筋に生きた相場師と言えるのか?という疑問です。何のために武士になったのかは分かりませんが、少なくとも相場一筋の人生とは言えません。
理由5
本間宗久の伝説の著書「本間宗久遺訓」(要するに宗久のトレード攻略本)とされるものには、米の作柄や季節の気候変動についての記述はありますが、相場の取引方法についての記述がないのです。
以上から、本間宗久が相場師であったというのは、どう考えても怪しいと考える研究家が多いのです。
結論、ローソク足は日本で考案されたが、巷で定説となっている「本間宗久が考案したというのは間違い」と考える研究家が多いと知っておきましょう。
1-3. ローソク足は実体とヒゲで構成されている
ローソク足は誰が考えた?という疑問がありますが、本間宗久が考えたのでなかったとしても、トレードでものすごく重要な事には変わりはありません。ですから、ローソク足を覚えることは超重要です。初心者の方は、ローソク足を見ても何を表しているのか分からないかもしれません。そこで、この章ではローソク足の基本的な見方を解説します。ローソク足について基本的な部分なので、必ず覚えましょう。
まず、ローソク足は以下の2つから構成されています。
・実体(胴体ともいう)
・ヒゲ(上ヒゲと下ヒゲ)
では、ローソク足の実体やヒゲは何を表しているのでしょうか?
1-4. ローソク足を構成する5つの情報とは?
ローソク足を見ると2つの色から構成されており、陽線(上げた足)と陰線(下げた足)に分けられます。
・陽線は、期間中の始値よりも終値の価格が高い時に出現します。
・陰線は、期間中の始値よりも終値の価格が安い時に出現します。
つまり、ローソク足が陽線か陰線かを見るだけで、価格が上昇したのか下落したのかが分かるのです。
そして、ローソク足の形から以下の4つの情報が分かるのです。
・期間中の始値
・期間中の終値
・期間中の高値
・期間中の安値
ローソク足を構成する5つの情報とは、上下の状態/始値/終値/高値/安値の5つとなります。
1-5. ローソク足を見るだけで、期間中の値動きが分かる
ローソク足を見てトレードする時は、以下の2つのポイントに着目しましょう。
ローソク足の実体(胴体)の長さとローソク足のヒゲの長さ
ローソク足の実体(胴体)の長さに注目
ローソク足の実体の幅が長ければ長いほど、売買方向への勢いが強くなります。一方で、実体が短ければ、あまり勢いがなかったことを表します。
そして、ヒゲの長さを見る事で、ヒゲが伸びている売買方向への抵抗の強さが分かります。
ヒゲの長さに注目
ヒゲが長い場合はヒゲが伸びている方向の抵抗が強い事を示します。反対にヒゲが短い場合はヒゲが伸びている方向の抵抗が弱い事を示します。
このようにローソク足の実体の長さやヒゲの長さを見れば、期間中の値動きが分かるため、予測が立てやすくなります。
2. ローソク足の25種類のパターンを紹介!
ローソク足には様々なパターンがあり、その数は25種類もあります。実際にどのようなパターンがあるのか画像付きで解説します。
25種類もあるのかよ!! 無理!!とページを閉じたくなったあなた、安心してください。一度に覚える必要はありません。私も経験を積んで少しずつ覚えていきました。
沢山、ローソク足があり過ぎて、覚えきれないという方は、とりあえず。
陽線は上方向に強い、陰線は下方向に強い。 上ヒゲは下げ圧力が強く、下ヒゲは上げ圧力が強い。
とこれだけは、覚えといてください。
2-1. 大陽線
まず紹介するのは大陽線です。大陽線は最も実体が長い陽線を表します。大陽線が出現した時は、上昇方向の勢いが強いです。特に安値圏で出現すれば、トレンドが転換する可能性が高くなります。大陽線には、ヒゲの有無により他にも以下の3種類があるので、抑えておきましょう。
・陽の丸坊主
・大引け坊主
・寄り付き坊主
陽の丸坊主
陽の丸坊主とは、上ヒゲも下ヒゲもない大陽線です。一度も始値を割らずに、一方的に上がり続けると出現します。陽の丸坊主が出現した時に、安易に売り注文はしないようにしましょう。なぜなら、ローソク足の中で最も買いの勢いが強い足だからです。
陽の大引け坊主
陽の大引け坊主とは、一旦始値よりも価格が安くなったものの、その後大きく上昇して終わった時に出現します。始値を割れたので、そのまま下がると思いきや、反転しぐんぐん上昇するため、買いの勢いが強いローソク足です。(株式・商品相場では場が終わる時間を「大引け」と言います、大引け坊主の大引けはここから来ています。)
ただし、必ず最初に始値を割るとは、限りません。下図参照
同じ「陽の大引け坊主」でも以下のような値動きでも出現します。
1 始値からいったん上昇
2 下落し、始値を割る
3 再度上昇し、期間中の最高値で終値を付ける
陽の大引け坊主は、上ヒゲがなく、最高値と終値が一緒なので、買いの勢いがかなり強いローソク足です。
陽の寄り付き坊主
陽の寄り付き坊主は、始値から一方的に上昇し続けたものの、最後に高値から少し下落した際に出現します。陽の丸坊主や陽の大引け坊主との最大の違いは、上ヒゲがある事です。(ただしヒゲは短いです)
上昇し、買いの勢いが強いと思いきや最後に下落してします。「結局下がって終わったのだから、さらに下落するのでは?」と考える市場参加者が多ければ、次のローソク足以降下落し続ける可能性もあります。特に高値圏で発生した場合には、トレンド転換に注意する必要があります。
2-2. 大陰線
大陰線は、実体の長い陰線です。大陰線は売りの勢いが強い事を表しています。下降トレンド中に多く発生するだけでなく、上昇トレンドから下降トレンドに転換する際にも現れます。なぜなら、順調に上昇している時に大陰線が現れると「上昇の勢いがなくなりつつあるので売ろう」と考えるトレーダーが増えるからです。
大陰線には他にも以下の3種類があるので、抑えておきましょう。
・陰の丸坊主
・陰の大引け坊主
・陰の寄り付き坊主
陰の丸坊主
陰の丸坊主とは、上ヒゲも下ヒゲもない大陰線です。始値から一方的に下がり続けた時に出現するため、売りの勢いがとても強い事を表しています。そのため、全てのローソク足の中でも最も売り圧力が強いローソク足です。
陰の大引け坊主
陰の大引け坊主は、上ヒゲのみがある大陰線です。始値を一時的に超えたものの、結局下がり続けて終値を付けた時に出現します。
ただし、以下の図のように下落→上昇→下落という流れで出現することもあります。
陰の寄り付き坊主
陰の寄り付き坊主も売りの勢いが強い時に出現する大陰線です。始値からずっと下がり続けていましたが、最後のみ少し上昇して終値を付けた時に出現します。売りの勢いが強いですが、最後に上昇して終値を付けたため、トレンドが転換するきっかけになる可能性もあり注意が必要です。
2-3. 小陽線/小陰線
次に小陽線と小陰線を解説します。小陽線も小陰線も実体が小さいローソク足です。どちらのローソク足も始値と終値の差が小さいため、売りと買いの勢いが拮抗しています。
・小陽線は、わずかに買いの勢いが強い
・小陰線は、わずかに売りの勢いが強い
小陽線と小陰線が出たという理由だけで、トレードする事はほとんどありません。なぜなら、経験上、相場に方向感がない時にトレードをしても良い結果が生まれないからです。相場の格言に休むも相場という格言があります。私達は、いつトレードをしても自由なので、相場に方向感がない時までトレードをする必要はありません。
2-4. 小陽線のコマ足/小陰線のコマ足
小陽線と小陰線よりも実体とヒゲが短くなるとコマ足になります。コマ足(コマ線ともいう)の名前の由来は、おもちゃのコマに形が似ているといわれており、相場に方向感がない時に現れます。コマ足が出現した際は、その後の値動きも読みにくいので、安易な売り買いは避けるべきです。
ただし、高値圏や安値圏で出現した場合、トレンドの勢いが一旦なくなりつつある事を表しています。
2-5. 上影陽線/上影陰線
上影陽線とは、上ヒゲが長い陽線の事です。高値圏で出現した場合は売りのサインなので、注意しましょう。なぜなら、長い上ヒゲはこれまでの上昇を否定しているとも捉えられるからです。そのため、長い上ヒゲを見たトレーダーは「ヒゲのある価格帯まで上がると売りの勢いも強くなるので、これ以上価格が上がらないのでは?」と考えます。
そうなると、これまで買っていたトレーダーの利益確定売りとヒゲの先端付近で買ってしまったトレーダーの損切りで下降トレンドに転換する可能性があるのです。逆に上影陽線が安値圏で出現した場合は、買いのサインです。
・上影陽線が高値圏に出た場合は売りのサイン
・上影陽線が安値圏に出た場合は買いのサイン
また、上影陽線を見る際には、上昇して終わったのか、下落して終わったのかという点も大事です。下図参照
例えば、最安値から上昇して終わったのであれば、まだ買いの勢いが続く期待が持てます。ところが、最高値まで上昇した後に大きく下落した場合は、上昇の勢いが止められたと判断できます。したがって、陽線という理由だけで、買い続けるのは危険です。次に上影陰線は、長い上ヒゲがある陰線です。上昇したものの、結局売り方の勢いが強かった事を表しています。
特に高値圏で出現すれば、下降トレンドに転換する可能性が高いでしょう。
なお、以下の条件を満たした場合、トンカチというパターンになります。
1.ローソク足の上ヒゲが実体の3倍
2.下ヒゲがない
トンカチのような形をしているのでトンカチと言います。トンカチは始値から高値まで一気に上昇したのに、売り方の勢いに押され、最終的に始値近くまで価格が戻されます。上影陽線や上影陰線よりもヒゲが長いため、トレーダーにも強いインパクトを与えます。
そのため、上昇トレンド中に高値圏でトンカチが出現した場合、トレンドの継続を疑うべきです。また陽のトンカチが安値圏で出現した場合は、上昇に転換する可能性があります。
2-6. 下影陽線/下影陰線
下影陽線は、下ヒゲが長い陽線です。下影陽線の長い下ヒゲは、一時的に下落したものの、買い方の勢いが強かった事を表します。市場参加者は、長い下ヒゲを見ると「ヒゲがある価格帯では買いの勢いが強いのでは」と考えます。
そのため、安値圏で下影陽線が出現した場合は、トレンドが転換し上昇する可能性があります。
一方で、下影陰線が出現しても、安値まで下落した後に再度上昇した場合は注意しなければなりません。なぜなら、売りの勢いが強かったのに、ヒゲ付近で勢いを止められた事を表します。
下影陰線が安値圏で出現した場合は、陰線であってもトレンドが転換する可能性があるのです。
・下影陰線が高値圏に出た場合は売りのサイン
・下影陰線が安値圏に出た場合は買いのサイン
そして、下影陽線や下影陰線よりもさらに買いの勢いが強いローソク足がカラカサです。カラカサの名前の由来は、唐傘といわれています。(トンカチを逆さまにしたもの)カラカサの特徴は以下の通りです。
1 実体よりも下ヒゲの長さが3倍の長さ
2 上ヒゲがない
陽のカラカサが安値圏で出現した場合、下影陽線よりも上昇する可能性が高くなります。なぜなら長い下ヒゲを強い買い方の抵抗と見る事ができるからです。一方、陰のカラカサは出現した場所によって値動きが異なります。
・陰のカラカサが高値圏で出現は売りのサイン
・陰のカラカサが安値圏で出現は上昇転換のサイン
2-7. 他にもこんなローソク足がある!まとめてチェック
ローソク足には、陽線と陰線以外のローソク足もあります。始値と終値が同じ位置で終わった場合、以下のようなローソク足が出現します。
・十字線(迷い線とも言う)
・一本線(寄引同時線とも言う)
・足長同時線
・トウバ
・トンボ
十字線(迷い線)
十字線とは、始値と終値が同値で、買いと売りが拮抗している時に出現します。また上ヒゲも下ヒゲも長くありません。このローソク足は次の足が上に行く場合は上に行き、下に行く時は下にいく事が多いために、「上か下か迷っている」という意味から「迷い線」とも言われます。
十字線が高値圏や安値圏で出現すると、それまでのトレンドが転換する可能性があります。
なぜなら、これまでのトレンドが一旦落ち着いたことを表しているため、一旦利益確定で反対売買をするトレーダーが増えるからです。
一本線(寄引同時線)
一本線(寄引同時線)は、価格が一切動かなかった時に現れます。FXでは一本線(寄引同時線)が現れる事はほとんどありませんが、株式や商品には見かけます。主にストップ高/ストップ安などの値幅制限が起きたときにこのようなローソク足になります。
足長同時線
足長同時線は、始値と終値の価格が同じなので、十字線(迷い線)に似ていますが違いは、上ヒゲと下ヒゲが長い事です。つまり十字線(迷い線)よりも値動きが激しかったにも関わらず、結局始値と終値の差がなかった時に出現します。これは解釈がわかれますが、私は十字線(迷い線)と同じ意味と考えて差し支えないと思っています。
つまり、このローソク足は次の足が上に行く場合は上に行き、下に行く時は下にいくと考えています。
足長同時線も高値圏や安値圏で出現すれば、トレンドが転換する可能性があります。
トウバ
トウバとは、始値と終値に加えて安値も同じ価格だった時に出現します。トウバの上ヒゲは買いに対する抵抗が強い事を表すため、高値圏で出現した場合、下降トレンドに転換する可能性があります。
トウバとは「塔婆」が由来です。お寺で法要の際に「塔婆(トウバ)は立てますか?」と住職に聞かれるアレです。故人の冥福を祈り供養の意味で立てます。ようするに「上昇相場よ!!今までありがとう!!成仏してくれよ!!」という意味なのです。
トンボ
トンボとは、始値と終値に加えて高値も同じ価格だった時に出現します。トンボの名前の由来は、形が昆虫のトンボのように見えるからといわれています。
トンボは、売りに対する抵抗が強い事を表すので、安値圏で出現すると、反転上昇する可能性が高いです。
上十字/下十字
上十字とトンボとほぼ同じ意味の足で、トンボに短い上ヒゲがつけば「上十字」と言います。一方、「下十字」はトウバとほぼ同じ意味の足で、トウバに短い下ヒゲがつけば「下十字」と言います。
・上十字線は安値圏で出現すれば買いのサイン
・下十字線は高値圏で出現すれば売りのサイン
このように、ローソク足には様々なパターンがあります。上手く使えば、今後の値動きを読む際のヒントになるでしょう。
3. ローソク足が読める2つのメリットとは?
初心者から脱出するためには、ローソク足を読めるようになる必要があります。ローソク足が読めるようになると、トレード時に以下の2つのメリットがあります。
・過去の値動きの流れがひと目で分かる
・今後の値動きを予測できる
3-1. 過去の値動きの流れがひと目で分かる
ローソク足を読めるようになると、過去の値動きの流れがひと目で分かるようになります。例えば、上昇トレンド時と下降トレンド時では、以下のような違いがあります。
上昇トレンド時は陽線が多くなりやすい。陽線の実体は長くなりやすい。
下降トレンド時は陰線が多くなりやすい。陰線の実体は長くなりやすい。
そのため、過去のローソク足から現在のローソク足までの値動きを見るだけで、具体的には陽線/陰線の数を数えて、ローソクの実体(胴体)の長さに注目する事です。現在までの相場の流れを把握する事が可能です。
3-2. 今後の値動きを予測できる
ローソク足を見方が分かれば、今後の値動きを予測する際にも役に立ちます。例えば、下降トレンドが続いていても、陽のカラカサが出現すれば、トレンドの反転を予測できる可能性があります。陽のカラカサは下ヒゲが長いため、売りに対する抵抗が強い時に出現するからです。
そのため、仮に売りポジションを持っていても、陽のカラカサが出現すれば「上昇に転換する可能性があるので、念のたねめ、利益を確定しておこう」と考えることができます。。
逆にローソク足の見方が分からなければ「なんで急に下降トレンドが終わったんだろう」という心情になるので、上昇トレンドへの転換を見抜けません。
4. ローソク足を利用したトレードの実例を紹介!
ローソク足の見方が分かっても、トレードにどのように活かせば良いのか分からない方も多いでしょう。そこで、以下の3つのケースを例に解説します。
・上昇トレンドの継続
・トレンド中の反転
・レンジ相場でのトレード
4-1. ローソク足の最安値を下回らない限り、上昇トレンドは継続
上昇トレンドが継続している場合、ローソク足の終値を下回らなければ、強い上昇トレンドが継続している事になります。例えば、上昇トレンド時に陽線が連続して出現している箇所があります。上のチャートの例では、陽線の安値が、直前の陽線の安値よりも上の価格で推移しています。
しかし、左から8本目のローソク足で久しぶりに出現した陰線は、直前のローソク足の安値を割れて終わっています。その結果、上昇方向への勢いは衰え始めており、再度上昇したものの、レンジ相場になりました。このように、1本前のローソク足の終値を下回らない限りは、上昇トレンドが続いていく事が分かります。
レンジ相場とは、一定の範囲に価格が収まっている行って来いの相場。
4-2. 上昇トレンド中に高値圏で上ヒゲが長い足が出たら転換
上昇トレンド中に高値圏で上ヒゲが長いローソク足が出現した場合、下降トレンドに転換する可能性が高くなります。上図のチャートでも、上ヒゲの長いローソク足が数本出現したため、次第に上昇の勢いは衰え、下降トレンドに転換しています。
このようにトレンドが継続していても、ヒゲが長いローソク足が出現した場合は、トレンドが転換する事があるので注意すべきです。
4-3. レンジ相場の高値と安値でのトレード
ローソク足は、トレンド相場だけでなく、レンジ相場でも役に立ちます。例えば上のチャートは、レジスタンスラインとサポートラインの間で行ったり来たりしています。
レジスタンスラインとは、レンジ相場で上値を押さえこんでいるラインのこと。一方、下値を支えているラインのことをサポートラインと呼ぶ。レジスタンスライン付近では、売りに転換、サポートライン付近では、買いに転換する傾向が強い。
このような相場では、レジスタンスラインで売り、サポートラインで買う方法が有効です。ローソク足を見ても、以下のような傾向があります。
・レジスタンスラインでは、上ヒゲの長いローソク足が出現しやすい
・サポートラインでは、下ヒゲの長いローソク足が出現しやすい
レジスタンスラインで何度も上ヒゲが長いローソク足が出現する理由は、「またレジスタンスライン付近で再度下がるだろう」と考えているトレーダーが多いからです。一方で、サポートラインの場合も「さきほどと同じ様にサポートライン付近まで下落した後に、また上昇に転じるだろう」と考えているトレーダーが多いからです。
そのため、ローソク足の見方が分かれば、レンジ相場のトレードでも役立ちます。
5. まとめ
さて、長々とローソク足の話をしてまいりました。最後まで読んでくださった方はありがとうございます。一度に覚える必要はありません。私も経験を積んで少しずつ覚えていきました。
沢山、ローソク足があり過ぎて、覚えきれないという方は、とりあえず。
陽線は上方向に強い、陰線は下方向に強い。 上ヒゲは下げ圧力が強く、下ヒゲは上げ圧力が強い。
とこれだけは、覚えといてください。
ローソク足は、陽線・陰線、始値、終値、高値、安値における5つの情報から構成されています。
その上、ローソク足には様々な種類があるため、出現したローソク足によりトレンドの継続や転換などが把握できるようになります。ローソク足の見方が分かれば、現在の価格になるまでにどのような値動きがあったのか?今後の価格はどうなるのか?といった事が理解しやすくなります。