プライスアクションを意識しても勝てない?意外な落とし穴と改善策を紹介
プライスアクションは、海外では多くのトレーダーが使っている分析方法です。
しかし、プライスアクションを覚えたにも関わらず、なかなか勝てずに悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、
- プライスアクションの意味
- プライスアクションを使っても勝てない6つの理由
- 勝つためにやるべき4つのこと
などについて解説します。
当記事を読めば、プライスアクションで勝てない原因が分かるので、もう悩む必要がなくなりますよ!
目次
1. プライスアクションとは?
プライスアクションとは、ローソク足の値動きを見て相場を予測する方法です。
実は、ローソク足は日本発祥といわれていますが、世界中でもほとんどのトレーダーが参考にしています。
このあたりは、利用するトレーダーの人数に差があるインジケーターとは異なりますね!
そして、プライスアクションは、ローソク足を見てトレーダーの心理を分析しなければなりません。
そのため、ローソク足自体の見方も理解する必要があります。
なお、プライスアクションの種類は豊富です。
プライスアクション | 出現後の価格の流れや特徴 |
---|---|
ピンバー |
|
スパイクハイ・スパイクロー |
|
スラストアップ・スラストダウン |
|
インサイド・アウトサイド |
|
リバーサルハイ・リバーサルロー |
|
詳しい解説やエントリー方法については、ローソク足の前後に注意!相場のトレンドを読み解くプライスアクションとは?で解説しています。
2. プライスアクションで勝てない6つの理由
プライスアクションは人気のある分析方法です。
ただ、プライスアクションの通りにエントリーをしても、勝てずに困っている方もいるでしょう。
もし、プライスアクションを使用しても勝てない場合は、以下の6つのいずれかに該当する可能性があります。
- だましに遭うことがある
- 長期足のトレンドに従っていない
- プライスアクションしか見ていない
- 分析能力が足りていない
- 資金管理ができていない
- 感情的にトレードしている
順番に詳しい理由について解説していきますね!
2-1. だましに遭うことがある
プライスアクションのパターン通りにエントリーをしても、必ず勝てるわけではありません。
エントリーをしても、想定した方向と違う値動きが起きることもあります。
例えば、上の図はプライスアクションの一つであるリバーサルローと呼ばれるパターンです。
リバーサルローが出現すれば、反転上昇しやすくなるので、買って良い局面です。
しかし、以下のチャートでは、リバーサルローが7回出現していますが、サイン通り上昇したのはわずか3回です。
むしろ、想定とは逆の動き(だまし)をするケースも多くあるので注意が必要です。
2-2. 長期足のトレンドに従っていない
プライスアクションは便利な分析方法です。
しかし、相場の流れを読まなければ、思うように勝つのは難しいでしょう。
以下のチャートは1時間足ですが、リバーサルハイが3回出現しています
そのため、価格は下落すると考えるのが普通です。
ところが、いずれも価格は上昇し続けるという結果に終わっています。
では、なぜリバーサルハイが出現しているにも関わらず、上昇してしまったのでしょうか?
実は、1時間足のチャートを日足チャートで見ると、丸の部分で上昇トレンドが発生していたのです。
上昇トレンドが発生するということは、買いの勢いが強くなっていることを表します。
つまり、そもそも上昇しやすい相場だったのです。
2-3. プライスアクションしか見ていない
プライスアクションだけを学べばトレードで勝てると考えていませんか?
例えば、以下のチャートを見ると、①と②でスラストダウンが2回出現していますが、すぐに上昇してしまいました。
このように、単純にプライスアクションだけを見て、トレードした場合、勝率が低いことがあります。
では、同じチャートにトレンドライン(水色のライン)を足すとどうなるでしょうか?
価格がサポートライン近辺まで落ちてきた場合、一旦反発する傾向があります。
スラストダウンが出現した①と②は、いずれもサポートラインに近い価格帯です。
そのため、エントリーを控えた方が良いことが分かりますね。
このように、プライスアクションを用いる際は、単体で使うのではなく、他の判断材料と併用して使うことをおすすめします。
そうすることで、無駄な負けを減らせるのです。
2-4. 分析能力が足りていない
プライスアクションを使う時は、なぜそのパターンが出現したのか背景を知っておくべきです。
なぜなら、プライスアクションは、ローソク足を見て判断する分析方法だからです。
以下の図を見てください。
一番最後の上ヒゲが長い陽線は、ピンバーと呼ばれるパターンです。
ピンバーは反転下落の合図だから、とりあえず売ればいいと考えてはなりません。
「なぜピンバーが出現したのか」「ピンバーが出現して投資家はどのように考えるのか」を判断してエントリーするのです。
ピンバーのヒゲは、売り方の抵抗が強いことを表しています。
したがって、ヒゲの付近では価格が高すぎると考えるトレーダーが増えるかもしれません。
また、 ピンバーの出現はトレーダーの心理に影響を与えるので注意してください。
トレーダーの立場 | ピンバー出現後の判断例 |
---|---|
すでに買っていて利益が出ている | 安全のために利益確定しておこう |
ポジションを持ってないトレーダー | そろそろ売りのチャンスかも |
トレーダーの心理的状況を考えなければ、次の値動きを予測するのは困難です。
2-5. 資金管理ができていない
投資で勝ち続けるために大事なことは資金管理です。
プライスアクションが優秀でも、資金量に見合わないロット数でトレードをすれば、証拠金を全額失う可能性が高くなります。
例えば、100万円の証拠金があるAさんとBさんが、以下の条件で10回ずつトレードを行った場合はどうなるでしょうか?
Aさん | Bさん | |
---|---|---|
1回の利益 | 30万円 | 10万円 |
1回の損失 | 30万円 | 5万円 |
勝率が6割の時の損益 | 60万円 | 40万円 |
勝率が3割の時の損益 | -120万円 | 0万円 |
まず、勝率が6割の場合はAさんの方が利益が多いですね。
ところが、勝率が3割の時はどうでしょうか?
Bさんの損益はゼロですが、Aさんは証拠金を大幅に超える損失を出してしまいました。
Aさんが大損を出した理由は、負けた時の損失が大きすぎるからです。
実際に、Aさんは勝ち負けに関わらず1回あたりの損益が、証拠金のうち3割を占めていました。
投資の世界では、勝率5割の手法でも、一時的に勝率が落ち込むことがあります。
資金量を無視したロット数で取引をすると、少し連敗をしただけで大幅な損失が発生するリスクがあるのです。
2-6. 感情的にトレードしている
投資において、感情面は重要な意味を持っています。
トレードをしている途中に以下のような感情が浮かんだことはありませんか?
- 損切りをしたら◯円損するから怖い
- エントリーのチャンスだが、さっき負けたからまた損するかも
私達はロボットではないので、これらの感情が浮かんでくるのは仕方がないことです。
しかし、トレード中の判断を感情に左右されては、ルールが良くても勝てなくなります。
感情面によるトレード例 | 起きること |
---|---|
損切ができない | 含み損が増加する |
怖くてエントリーできない | チャンスを逃がすので利益が得られなくなる |
さらに、エントリーを怖がった場合も利益を出せません。
エントリーをしなければ、得られるはずだった利益を逃すからです。
その結果、損切りが多い割に、利益を得られる回数が少なくなりかねません。
恐怖や欲に駆られたトレードは、避ける必要があります。
3. プライスアクションで勝つためにやるべき4つのこと
プライスアクションを使っていても、なかなか勝てずに悩んでいる方も多いでしょう。
プライスアクションで勝つためには、以下4つのことに注意しなければなりません。
- 長期足も確認した上でエントリーする
- 他のインジケーターや出来高などもみて判断する
- プライスアクション形成の背景も考える
- 負けても淡々とトレードできる金額で勝負する
これらのことに注意すれば、プライスアクションで勝てないという悩みも減ります。
3-1. 長期足も確認した上でエントリーする
まずは長期足を確認した上でエントリーするか決めるようにしてください。
例えば、1時間足でトレードするなら日足のチャートを見てからエントリーの判断を行います。
上のチャートは日足のチャートです。
矢印の地点で久しぶりにトレンドラインを越えていますね。
そのため、これまでのような下落目線ではなく、むしろ上昇する可能性も考えなければなりません。
次のチャートは、日足でトレンドラインを越えた後の1時間足の値動きです。
プライスアクションのうち、複数のパターンが発生しており、いずれも上昇を示唆していますね!
- ピンバー
- スラストアップ
- リバーサルロー
実際に、すべての場所でエントリーした場合の勝敗は10勝3敗なので、勝率は76%です。
もし、日足で上昇することを想定できていなければ、これらのサインで自信を持ってエントリーできなかったかもしれません。
このように、プライスアクションでは、上位足で長期的な相場の流れを読むことで、より勝ちやすくなるのです。
3-2. 他のインジケーターや出来高などもみて判断する
プライスアクションを使う場合は、他のインジケーターや出来高などと比較することで、より精度の高いエントリーが可能です。
例えば、上の図では、ピンバーが3箇所出現。
エントリー箇所 | RSIの位置 | エントリー後の流れ |
---|---|---|
①買い | 70に近い | やや上昇後に、急落 |
②売り | 30に近い | すぐに上昇 |
③売りと買い | 70に近い | すぐに下落 |
最初に買いのピンバーが出現していますが、RSIが70で買われ過ぎを表しているので、エントリーは控えるべきです。
次に売りのピンバーが出現しているものの、RSIは30に近い位置にあるため、むしろ上昇しやすいと考えます。
実際に、価格は上昇し続けました。
そして、最後にピンバーが買いと売りの両方発生しています。
しかし、RSIを見ると70付近にあり買われすぎですよね。
エントリーするなら売りで入る局面であり、価格も下落しました。
このようにインジケーターと併用すれば、エントリーをするべきか否かの判断がしやすくなります。
「筆者も以前、ある手法の検証を数年分行ったことがあります。
ただ、一つの手法だけでは勝率が5割を割っており、使い物になりませんでした。
しかし、他のインジケーターと併用したところ、勝率が6割になり、無駄な損切りが減った経験があります。
エントリーの回数が減ればチャンスを逃したと残念がることはありません。余計な損失を減らせば、利益率も高くなるのです。」
3-3. プライスアクション形成の背景も考える
プライスアクションで勝つためには形成されるまでの背景も考えなければなりません。
上のチャートはスラストダウンなので、さらに価格が下落すると考えるのが自然です。しかし、右の陰線の下ヒゲがやや長いことが気になりませんか?
このようなケースでは、短い足のチャートを見て、どのような流れでスラストダウンが成立したのか見なければなりません。
ケース | その後の値動きの傾向 |
---|---|
安値→高値→下落で終わる | 再度下落する可能性が高い |
高値→安値→上昇で終わる | すでに安値をつけて上昇している途中かも |
どちらのケースも始値よりは下落しています。
ですが、下落し続けて終値を付けたか、反転上昇して終わったかで印象は異なります。
特に、反転上昇して終わったケースでは、既に安値を付けて上昇している途中の可能性もあるのです。
このように、プライスアクションはインジケーターとは異なり、どのような背景で出現したのか分析しなければなりません。
パターンが完成するまでに、どのような心理戦が繰り広げられていたのか想像することが重要ですよ。
3-4. 負けても淡々とトレードできる金額で勝負する
プライスアクションを利用しても負けることはあります。
したがって、エントリーする時は、負けることも想定して置かなければなりません。
利益を追い求めるあまり、証拠金に見合わない量で売買すれば、大損するリスクが高くなるため。
感情的なトレードがやめられないのであれば、取引量が多すぎなのです。
損をしても痛くもかゆくもない量で取引しましょう。
4. まとめ
プライスアクションは、ただパターン通りにエントリーすれば勝てるようになるわけではありません。
以下の2つの視点で分析しなければ、いつまで経っても勝つのは大変でしょう。
- なぜそのパターンが出現したのか
- 出現した後投資家はどのように考えるのか
また、プライスアクションを単体で使っても高い勝率は期待できません。
上位足やトレンドライン・インジケーターなどと併用して判断してみてくださいね。