【一番伸びる】エリオット波動3波の特徴とトレード戦略における活用法

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エリオット波動の3波は上昇5波のなかでもっとも伸びる可能性の高い波のため、これから活用してトレードしたい人もぜひ狙うべきです。

とはいえ、2波から3波にかけての反転ポイントや上昇した場合の目安の予測方法がわからなければ利益を得るのは難しくなります。

本記事では、以下の内容について詳しく解説します。

  • エリオット波動3波がもっとも長くなりやすい理由
  • 3波でトレードする際のポイント
  • チャートを用いたトレードの実例

当記事を読めば、エリオット波動の3波でのトレード方法がわかるため、より精度の高い分析ができるようになります。

ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

1. エリオット波動の3波とは?

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エリオット波動の3波とは、上昇5波のうち3番目の波です。

エリオット波動の上昇5波には、1波・3波・5波の3つの波があります。

3波は、1波や5波と比べるともっとも伸びる可能性が高いため、大きな利益を狙いやすいといえるでしょう。

特に初心者は、すべての波でエントリーするよりも、まずは3波でたくさん取引をした方がトレード技術を身につけやすくなりますよ。

2. エリオット波動の3波がもっとも長くなりやすい理由

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エリオット波動の3波がもっとも長くなりやすい理由は、3波のはじまりが以下の3つの注文の重なる箇所だからです。

  1. 下降トレンド初期から参入していた売り方の利確
  2. 安値づかみをした売り方の損切り
  3. 買い方の新規注文

特に、安値づかみをした売り方の損切りは、大きく上昇する要因となります。

一般的に投資家が損切りを設定する価格帯は、キリのよい価格や直近の高値・安値などが多くなります。

一斉に投資家の設定した損切りが執行されるとストップを巻き込むので、上昇しやすくなるのです。

加えて、売り方の利確注文と新規の買い注文まで集中すれば、買い方の勢いはさらに強くなるでしょう。

3. エリオット波動の3波とほかの波との違い

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エリオット波動の原則として3波が1波や5波と比べてもっとも短くなることはありません。

加えて、推進波のなかでも延長する可能性が高い波のため、エリオット波動を使っている人の多くは3波を狙います。

一方で、ほかの1波と5波については、3波よりもエントリーや決済のタイミングが難しくなります。

まず1波は、下降トレンドの最終局面からはじまるので、いつ上昇トレンドへ転換するのかを予測できなければ、利益を得るのは難しいでしょう。

1波がはじまるだろうと予測して買いで入っても、売り方の勢いが依然として強ければ、騙しになる可能性があります。

次に、5波についてはトレンドの最終局面なので、エントリーは難しくありません。しかし、上昇5波の最後の波であるため、いつまでトレンドが続くのか予測がしづらいのが難しいところです。

時には、5波が延長により大きく伸びるケースもあるため、5波終了からの下落に巻き込まれないように注意しなければなりません。

4. エリオット波動の3波でトレードする際のポイント

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この章では、エリオット波動の3波でトレードする際のポイントをいくつか紹介します。

これからエリオット波動を取引に活用したい人は、ぜひ参考にしてみてください。

4-1. 3波でエントリーするためには2波の転換を読む必要がある

まず、エリオット波動の3波に乗るためには、2波の転換がどこで発生するのか予測する必要があります。

エリオット波動の2波は1波からの戻しの波で、浅く押すパターンと深く押すパターンがあります。

 

浅く押すパターン 1波の終点から38.2%程度戻す
深く押すパターン 1波の終点から50%もしくは61.8%程度戻す

浅く押すパターンは、1波からの時間調整が行われていると判断できます。

浅く押すパターンでは、1波の下に長期足のサポートラインがあるケースが多いです。

つまり、サポートラインがある場所では買いの勢いが強いことが明白なので、下落方向への動きは限定的となります。

2波が浅く押すパターンは、1波が大きく上昇した後に出現しやすいパターンです。

次に深く押すパターンは、トレーダーが「1波は一時的な戻しであって、まだ下降トレンドが続くだろう」と考えているときに出現しやすいパターンです。

「まだ下落が続くだろう」と考えているトレーダーは、1波が終了した後に安値を更新すると判断するため、深く押す可能性が高くなります。

また、2波ではジグザグやダブルジグザグの出現頻度が多くなります。

一方で、逆トライアングルはほとんど出現しない点も覚えておきましょう。

4-2. 2波から3波の転換を狙うときは、インジケーターやラインも併用する

2波から3波の転換を狙うときは、フィボナッチだけではなく、以下のテクニカル指標も併用すれば、精度の高いトレードがしやすくなります。

  • インジケーター
  • サポートラインやレジスタンスライン

1波から50%や61.8%戻しのタイミングで、ピンバーが出現したり、サポートラインのある位置とフィボナッチの水準が被ったりしている場合は、3波へ移行する可能性が高くなります。

たとえば、以下のチャートではフィボナッチ50%の水準でピンバーが出現しました。

フィボナッチ50%の水準まで下落してきたという材料だけでは、3波へ移行するかどうかはわかりません。

しかし、ピンバーまで出現したとなると、買いの勢いがとても強くなっているため上昇しやすくなります。

4-3. 3波の伸びはフィボナッチで判断する

3波の始点からエントリーができた場合にどこまで伸びていくのかを予測する必要があります。

3波の目標値は、1波の値幅の1.382倍・1.5倍・1.618倍・2倍・2.618倍などが候補となります。

3波は、たいてい1波の1.618倍までは上昇するケースが多いので、少なくともその水準まではポジションを引っ張りたいところです。

とはいえ、下のチャートのように1.618倍(161.8%)を超えて上昇し続けるケースもあるので、一部のポジションは残しておいた方が良いでしょう。

3波が1波の1.618倍を超えた場合は、2倍や2.618倍も意識しつつ見極める必要があります。

もう1つ注意しなければならない点は、波動のカウント間違いです。

たとえば、以下のチャートを見たときに、最初は3波の位置をAと判断するかもしれません。

しかし、さらにチャートを見ていると、AよりもBを3波にした方が伸びも大きいため自然ではないでしょうか?

このように、エリオット波動を活用してトレードをしているときに、3波の終点を正確に把握するのは難しい作業です。

相場が想定していた通りに動かない場合は、カウントを数え間違えていないか疑う必要があります。

4-4. 上位足がエントリー方向と合致している局面でトレードする

相場は、いつもエリオット波動の流れ通りに動くわけではありません。

今の相場が3波だと思っていても、実はまだ1波のため大きく上昇しないケースもあります。

騙しを避けるためには、上位足と同じ方向のエリオット波動のみでエントリーするようにしましょう。

なぜなら、上位足と同じ方向のエリオット波動を狙った方が、価格が伸びる可能性があるからです。

また、逆に上位足でエリオット波動が出現した時に、下位足でほかのテクニカル分析を用いてエントリーしても良いでしょう。

筆者は上位足でエリオット波動を探した上で、インジケーターやサポートライン・レジスタンスラインを併用して取引することもあります。エリオット波動も見つつエントリーすることで、どこまで波が伸びるのか予測を立てやすくなるからです。

4-5. 必ず3波がもっとも長くなるとは限らない

エリオット波動では、3波がもっとも短くなることはありません。

この話を聞いた際に、3波がもっとも長くなると考える人がいますが、それは間違いです。

なぜなら、5波が延長することで3波よりも長くなるケースもあるからです。この点は誤解しやすいので注意しましょう。

5. エリオット波動の3波を活用したトレードの実例

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この章では、エリオット波動の3波を活用したトレードの実例について解説します。

3波はもっとも伸びやすい波なので、トレード方法を理解すれば、エリオット波動で大きな利益を狙えるかもしれません。

5-1. エリオット波動の2波から3波を狙ったトレード方法

エリオット波動の3波のはじめからエントリーするためには、2波から3波に転換する箇所がどの価格なのか予測する必要があります。

精度を上げるのであれば、サポートラインやレジスタンスライン・フィボナッチも併用しながら分析しましょう。

浅い押しからの転換を狙ったトレード方法

最初に2波の押しが浅いケースから解説します。

浅い押しの場合、1波の終点から38.2%戻したあたりが転換しやすい価格です。

そのため、1波の始点から2波の始点へフィボナッチ・リトレースメントを引っ張って分析しましょう。

実際に、下のチャートを見ると、フィボナッチ・リトレースメントの38.2%付近で反発して3波がはじまっています。

深い押しからの転換を狙ったトレード方法

次に2波が深く押したケースを見てみましょう。

2波が深く押す場合は、フィボナッチ・リトレースメントが50%や61.8%付近まで下落します。

以下のチャートを見ると、フィボナッチ・リトレースメントの61.8%付近の価格帯が、過去にサポートラインやレジスタンスラインとなっていた箇所である点に気づきます。

そのため、サポートラインやレジスタンスラインと一致する61.8%付近は転換しやすい場所です。

実際に、フィボナッチ・リトレースメントの61.8%付近で3波がはじまっています。

5-2. エリオット波動の3波でエントリー後決済するタイミング

ここからは、エリオット波動の3波でエントリーした後に決済するタイミングの分析方法を解説します。

エリオット波動の波がどこまで伸びるかを予測するためには、フィボナッチ・エクスパンションを活用します。

1波の始点、2波の始点、3波の始点にフィボナッチ・エクスパンションを引きましょう。

3波は1波の1.618倍(161.8%)以上に伸びる可能性が高いため、少なくともこの水準まではポジションを保有し続けましょう。

さらに、今回はフィボナッチ・エクスパンションの1.618倍の水準と過去のレジスタンスラインが重なっていることに注目します。

レジスタンスラインでは上昇トレンドが止まりやすくなります。

実際に、1.618倍の水準で一旦下落しはじめていることからもレジスタンスラインの強さがわかるでしょう。

6. まとめ

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エリオット波動の3波は、もっとも伸びやすい波のため、積極的にエントリーを狙っていきたいところです。

3波を狙って利益を得るためには、2波のチャートパターン・サポートラインやレジスタンスライン・ほかのインジケーターなども見ておく必要があります。

フィボナッチも使いこなせば、精度の高いトレードができるようになるでしょう。