【信頼できる】ダウ理論とローソク足を見てチャート分析の精度を上げる方法を解説
テクニカル分析について学ぶ際、出てくる分析方法の一つに「ダウ理論」があります。
ただ、投資を始めたばかりの段階でダウ理論を理解しようとしても、どう使えばよいのか分からず悩んでしまいませんか?
そこで当記事では、
- ローソク足やダウ理論の特徴
- ローソク足とダウ理論を組み合わせる理由
- トレンドの分析にどう役立つのか
について解説します。
当記事を読めば、ダウ理論で大事な考え方が分かるようになり、実際のトレードでも活かせるようになります。
ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
1. ローソク足とは?(ダウ理論を知る上での基礎知識)
ローソク足とはテクニカル分析の一つ。
形がローソクに似ていることからローソク足と呼ばれています。
ローソク足は実体とヒゲから構成されています。
一本の線を見れば、その期間の値動きについて以下の情報が分かるため便利な分析法です。
- 高値
- 安値
- 始値
- 終値
そのため、ひと目で価格が上昇して終わったのか、下落して終わったのかが分かります。
加えて、ヒゲの長さを見れば、今後もトレンドが続くのか反転するのかの判断も可能です。
このように、ローソク足は便利さから日本だけでなく、海外のトレーダーにも幅広く使われています。
なお、ローソク足の種類や特徴については、【画像付き】ローソク足の見方を各パターンごとに詳しく解説!を読んでみてください。
2. ダウ理論とは
ダウ理論とは、アメリカの金融ジャーナリストであるチャールズ・ダウが提唱した理論。
ダウ理論は六つの基本原則から構成されており、相場の値動きの特徴についての考え方です。
- 平均はすべての事象を織り込む
- トレンドには3種類ある
- 主要トレンドは3段階からなる
- 平均は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
なお、ダウ理論を理解すれば、誰でも必ず勝てるようになる訳ではありません。
例えば、ダウ理論の第3原則である「主要トレンドは3段階ある」を上昇トレンドにあてはめて見てみましょう。
第3原則では、トレンドの開始から終了までの間に全部で「3つの段階」があると謳っています。
段階 | 特徴 |
---|---|
先行期 | トレンドが開始 |
追随期 | トレンドが継続する |
利食い期 | トレンドが終了し転換 |
先行期の段階では、多くのトレーダーは上昇トレンドが開始したことに気づきません。
そのため、これから上昇することが予測できたトレーダーのみが買っている状況です。
ただ、追随期になると価格の上昇が本格化します。
なぜなら、上昇トレンドが開始したことに気づいたトレーダーが、上昇に乗り遅れまいと買い始めるからです。
ただ、上昇し続けた相場が永遠に上がることはなく、どこかで必ず下落に転じます。
この時期を利食い期と呼びます。
ここまでの話を聞くと、先行期で上手くトレンドに乗って、利食い期で決済すれば勝てると考えるかもしれません。
しかし、相場の底と天井を完全に読み切るのはプロでも難しいことです。
したがって、ダウ理論を理解するだけでは勝てるようになりません。
そこで、エントリーの基準になるテクニカル指標も組合わせる必要があります。
筆者の知り合いにも毎月FXで数千万円以上稼いでいるトレーダーがいるのですが、ダウ理論の考え方も手法に反映していました。
そのため、トレード上級者もダウ理論について意識していることが分かりますね。
3. ローソク足とダウ理論は単体よりも組み合わせて使う
ローソク足はダウ理論と相性が良いテクニカル指標なので、組み合わせて使いましょう。
ダウ理論単体で勝とうとしても高い勝率は見込めません。
例えば、ダウ理論の第6原則では「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する」とあります。
ただ、転換シグナルは何で判断すればよいのか、分からない方もいるのではないでしょうか?
そこで、転換のシグナルとしてローソク足を組み合わせるのです。
実際に、上昇トレンド中と下落トレンド中に分けてどのように組み合わせるのか見ていきましょう。
3-1. 上昇トレンド中の考え方
ダウ理論の第6原則をもとに考えると、上昇トレンド中に明確な転換シグナルが発生しない限りは上昇が続きます。
直近のローソク足が前のローソク足終値よりも高値で終われば、上昇トレンドが続いている可能性が高いといえます。
高値が切り上がっている以上、買いの勢いは継続していると考えられるからです。
さらに、安値も切り上がっていれば、買いの勢いが相当強いことが分かります。
そのため、ローソク足が高値や安値を切り上げている限り、買い目線のままで構いません。
なお、ローソク足がいつも綺麗に切り上げながら上昇するのはまれです。
高値の切り上げが終わっても、もみ合った後に再び高値更新するケースもあるのです。
最初のローソク足の最安値を下回らない限り、まだ上昇する可能性は残されています。
では、上昇トレンドが終了するときはどのような状況になるのでしょうか?
以下の図を見てください。
陽線が連続して出現しており上昇トレンドが発生しています。
ところが、陰線が初めて出現しただけでなく、安値の切り上げが終了してしまいました。
さらに、直前の陽線の終値も割れたため、トレンドが転換した可能性が高くなります。
つまり、この時点で買いポジションは手放した方が良いでしょう。
3-2. 下落トレンド中の考え方
次に、下落トレンド中の考え方について解説します。
下落トレンドは明確な転換シグナルが出現しない限り、続く可能性が高いです。
つまり、前のローソク足の安値を更新し続けている限り、下落トレンドは継続すると考えましょう。
高値も切り下がっていれば、反転する勢いもないことが分かるので、安心して売れます。
しかし、下落トレンドも永久に続くわけではありません。
以下の2つの条件が揃えば、目線を売りから買いに変えざるを得ません。
- 安値の切り下げが終了
- 直近のローソク足の高値まで越えた
また、すぐに反転しなくても、売りの勢いが衰えているのは確実です。念のため、売りポジションはさっさと手仕舞ってください。
3-3. 安く買って高く売るを狙っても、上手くいかないことも多い
ここまで、ダウ理論とローソク足の関係について解説してきました。
ダウ理論の考え方では、高値を更新し続けている限り、買っても良いことになります。
ただ、相場の世界では「安く買って高く売る」という格言もあります。
そのため、「下落したところで買った方が利益も大きくなるのでは?」 と考えるかもしれません。
けれども、安く買って高く買うのは、プロの投資家でも困難です。
なぜなら、相場がどこで天井や底をつけるかなんて分からないから。
下がるのを待って買えればよいのですが、ほとんど下落せず上昇し続けるケースも結構あるのです。
さらに、運良く下落してきたとしても、うまくいく保証はありません。
すでに上昇トレンドが終了していて、本格的に下落するケースもあるからです。
したがって、高値更新が続いている間に買った方が勝てる可能性があるります。
筆者も上昇トレンドが終わっていたことに気づかず、買ったことがあります。
すぐに上昇すると利益が増えていくだけなので安心してポジションを見れるもの。
ところが、1回も上昇することなく急落してしまうと、どんどん損失が膨らむため、不安な気持ちになります。そのような経験をして以来、根拠のない押し目買いをやらなくなりました。
4. ローソク足の形も見ることでより分析しやすくなる
トレンドがいつまで続くか判断する上で、参考にしたいのがローソク足の形です。
ローソク足のパターンを知っておけば、明確な反転シグナルとして利用できるので、チャート分析がしやすくなります。
上の図では、②のローソク足が安値を更新しているので、このまま下落し続けると考えるかもしれません。
ただ、ローソク足の形をみると下ヒゲが長いローソク足が出現しています。
このローソク足はピンバーと呼ばれており、長い下ヒゲは強い買いのシグナルを表します。
そのため、安値を切り下げているからと売り続けるのは危険です。
実際に、下ヒゲが長いローソク足の出現後、価格は上昇し続けました。
このように、ローソク足のパターンを知っていれば、より価格の値動きを分析しやすくなります。
無駄な損切りも減るので、利益率も高くなるでしょう。
むしろ、ピンバーをダウ理論の「明確な反転シグナル」と考えれば、買って利益を得られたかもしれません。
【関連記事】
・(ピンバーに関する解説あり)ローソク足の前後に注意!相場のトレンドを読み解くプライスアクションとは?
5. まとめ
投資を始めたばかりの方がダウ理論を理解するのは難しいかもしれません。ただ、ダウ理論の考え方は投資をする上で役立つ理論ばかりです。
特に、第6原則の「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する」は、ぜひ覚えておきたい原則です。
ローソク足と組み合わせることで、トレンド相場の分析がやりやすくなります。