【ボリンジャーバンド】バンドウォークって意外と複雑?特徴と「だまし」を回避する方法
ボリンジャーバンドのバンドウォークを活用すれば、トレンド相場で大きな利益を期待できるでしょう。
しかしバンドウォークかと思ってエントリーした直後に、相場が反転するケースはよくありますよね。
「バンドウォークはダマシばかりで全然勝てない!」
「どうすればトレンドに乗って利益を出せるの?」
と気になる方は多いはず。
この記事では、
- バンドウォークの概要
- バンドウォークの見極め方とダマシを回避するポイント
- バンドウォークを利用したトレード手法
について解説します。
最後まで読めば、バンドウォークを上手く活用するスキルが身に付きますよ!
1. ボリンジャーバンドでよく聞くバンドウォークとは
ボリンジャーバンドのバンドウォークとは、トレンド発生中に価格が1σ(シグマ)~2σで推移する現象を指します。
標準偏差をバンド(帯)に見立て、その上をローソク足が歩いていると例えたところから「バンドウォーク」と名付けられています。
チャートに表示されている黄色い線は、ボリンジャーバンドで利用されている移動平均線です。
その上下にあるピンクの線は、上から+2σ・+1σ・-1σ・-2σです。
画像のように+1~2σで価格が推移するのをバンドウォークと呼びます。
このバンドウォークを上手く利用すれば、順張りで利益を狙えるのです。
始めにバンドウォークを使った一般的な順張り方法と、ボリンジャーバンドの基本的な見方について解説します。
1-1. バンドウォークを利用すれば順張りで利益を狙える!
バンドウォークを利用して順張りすれば、大きな利益を期待できます。
一般的にバンドウォークが見られるのはトレンド発生時。
トレンド相場では、値動きが上下のいずれかで推移し続けますので、値動きと同じ方向でエントリーできれば大きな利益を期待できるのです。
上手くバンドウォークを利用するためには、トレンド発生のサインを見つけて、エントリーする必要があります。
1-2. 覚えておきたいボリンジャーバンドの基本的な見方
それではトレンドの発生の前兆を見つけるには、どうすればいいのでしょうか。
ボリンジャーバンドはトレンド系のテクニカル分析方法なので、形を見ればトレンド分析が可能です。
ボリンジャーバンドの基本的な見方は下記の通り。
ボリンジャーバンドの形 | サインの意味 |
---|---|
縮小 | トレンド発生の前兆もしくはレンジ相場であるサイン |
拡大 | トレンド相場であるサイン |
バンドウォークを上手く利用して利益を狙うには、事前にトレンド発生を察知しなくてはなりません。
したがって、ボリンジャーバンドの縮小を見逃さないようにしましょう。
バンドウォークを上手く利用して利益を狙うには、事前にトレンド発生を察知しなくてはなりません。
したがって、ボリンジャーバンドの縮小を見逃さないようにしましょう。
ボリンジャーバンドを活用した分析方法はこちらの記事でも解説していますので、参考にしてください。
2. バンドウォークを利用する注意点
ボリンジャーバンドの縮小はトレンド発生の前兆であると解説しました。
とはいえ「縮小を発見したら即エントリー」といったやり方では、相場の急反転により損失を出してしまうリスクがあるのです。
そのため、バンドウォークを利用する際は下記の2点に注意しましょう。
- 注意点① バンドウォークの判断基準を明確にすること
- 注意点② バンドウォークのダマシを回避するポイントを理解すること
それぞれ解説します。
2-1. 注意点① バンドウォークの判断基準を明確にしよう
FXのテクニカル分析方法を解説するサイトの多くは、バンドウォークについても触れています。
ところが、バンドウォークの判断基準についてまで、詳しく解説するサイトは多くありません。
ここではバンドウォークを判断するための基準について、詳しく説明します。
冒頭で「バンドウォークとは価格が±1σ~2σの間で推移する現象である」と説明しましたが、実際のチャートを見ると、その範囲を超える様子をよく見かけます。
このようにローソク足は+1σを下回ったり+2σを上回ったりしますが1σ~2σの範囲を僅かに超えていても、バンドウォークであると判断できます。
しかしバンドウォークの判断基準を明確にしないと、エントリーのタイミングも統一できません。
エントリーのタイミングが定まらなければ、トレードルール全体が曖昧になるため、行き当たりばったりなトレードをしてしまうでしょう。
ゆえにバンドウォークの判断基準を明確にする必要があるのです。
バンドウォークの判断基準に正解はありませんが、この記事では下記のようにバンドウォークを定義付けします。
- ボリンジャーバンドの縮小→拡大というプロセスを経ている
- ローソク足の実体が6本続けて+1σ以上、もしくは-1σ以下に含まれてる
- ボリンジャーバンドが±σともに拡大している
この中で大切なのが2番目の「ローソク足の実体が6本続けて+1σ以上、もしくは-1σ以下に含まれてる」です。
図のように+1σを超えるローソク足が6本以上あるかどうかを基準とします。
+1σを超えないローソク足が6本中1本でもあれば、基準を満たしません。
なお、+2σを超えていても問題ないものとします。
ぜひ自分なりの判断基準を決めてみましょう。
2-2. 注意点② バンドウォークのダマシを回避しよう
バンドウォークと判断してすぐにエントリーすれば、ダマシに遭うリスクがあります。
このチャートではボリンジャーバンドが拡大し、ローソク足も上昇していますね。
しかし直後に相場は反転し、ローソク足が+1σや移動平均線を下抜けているのが分かるでしょう。
バンドウォークを利用して順張りする際は、こうしたダマシに注意しなくてはなりません。
ダマシを避けるポイントは下記の2点。
ポイント① 他のテクニカルを併用する
ポイント② 主要トレンドと一致しているかどうか確認する
詳しく解説します。
ダマシを避けるポイント① 他のテクニカルを併用する
1つ目のポイントは、トレンド分析の際に他のテクニカル分析も用いることです。
例えば水平線を併用して、トレンド分析をしてみます。
このチャート上で標準偏差は縮小しているため、直後にトレンド発生する可能性があります。
とはいえダマシに遭うケースも想定されるため、水平線も活用して分析の精度を高めましょう。
チャート上には水平線(サポートライン)を引いているため、ここをブレイクした後にトレンド転換すると考えられます。
ブレイク後に価格は下落し、-1σ以下で推移しているローソク足が10本以上見られるため、バンドウォークであると判断できますね。
水平線のブレイク後に下降トレンドになったため、順張りすれば大きな利益を狙えるでしょう。
以上のようにボリンジャーバンドに加えて他のテクニカル分析も同時に使用すれば、ダマシを回避しやすくなるのです。
ダマシを避けるポイント② 主要トレンドと一致しているかどうか確認する
ダマシを避けるもう1つのポイントは、主要トレンドと一致しているかどうか確認すること。
主要トレンドとは、長い時間足で確認できるトレンドの方向を指します。
仮に5分足チャートでトレードしている場合、30分足や1時間足・4時間足チャートといった長めの時間足を確認し、トレンド分析しましょう。
4時間足のローソク足1本に含まれる情報は、5分足のローソク足48本分です。
*4時間=1時間60分×4=240分
*240分÷5分=48
つまり、より多くの情報を反映させたチャートであるほど、相場全体の流れを掴めるのです。
もし4時間足チャートで下降トレンドを確認できるのに対して、5分足チャートで上昇トレンドが発生していれば、5分足のトレンドは長続きしないと予想できます。
5分足チャートのトレンドは主要トレンドの流れと反しているため、5分足で上昇トレンドを察知してもダマシである確率が高いのです。
ダマシを回避するためにも、普段利用しているよりも長い時間足のトレンドを把握するようにしましょう。
3. バンドウォークを利用したボリンジャーバンドのトレード手法を解説
バンドウォークを利用する注意点について解説しましたが、いくら気を付けていてもダマシを無くすのは不可能です。
したがってダマシに遭うことを想定した上で、損切りの目安を明確にしておく必要があります。
ここではエントリーや損切り・利確の方針について解説した後に、実際のトレード手法を解説しましょう。
3-1. エントリーや利確・損切りの方針を決めよう
「トレードルール全体が曖昧になれば、行き当たりばったりなトレードをしてしまう」と解説しました。
一貫したトレードをするためにも、エントリーや利確・損切りの方針を明確にしておきましょう。
まず、エントリーの方針は下記の通りです。
- バンドウォークの発見
- 他のテクニカルのサインを見つける
- 主要トレンドと一致しているか確認
バンドウォークの判断基準は前述の通りになります。
加えて他のテクニカルを併用した時の売買サインと、主要トレンドの方向を確認し、エントリーしましょう。
下記の画像では、−1/−2σの拡大によってバンドウォークが発生。
画像の「エントリー」箇所で一度は揉み合うものの、連続した陰線の出現が起きていることから、文字通りバンドは歩いている(ウォーク)ことが分かります。
そして、利確の方針は「ボリンジャーバンドの縮小を確認した時です。
ボリンジャーバンドの標準偏差が縮み始めれば、トレンド終了を予測できますので、縮小し始めたところで利確します。
画像では、標準偏差の上下ともに縮小を確認したところで、利確しました。
そして損切りの方針は、ローソク足が移動平均線を超えた時です。
平均価格を超えて値動きし始めれば、トレンドの方向は逆転する可能性があります。
下記画像をご覧ください。
上図のように、バンド下限に沿ってローソク足が推移していることからも、下落のバンドウォークが発生していると考えられますね。
そこで、チャンスと思い、黄色枠の戻り(高値)を狙ってショートエントリー。
その後、順調に価格が下落してきたものの、売りの勢いが弱まってきたため急反発。
結果的に、終値をベースとした直近のローソク足における平均価格を示す「移動平均線」を上抜けしました(移動平均線は黄色線)。
つまり、売りが一巡したことで買いの勢力が強まった(いわゆるトレンド転換)と判断できます。
強いトレンド発生を意味するバンドウォークの終了も意味する平均価格(移動平均線)の交差が、損切りラインとなると捉えておきましょう。
エントリーや利確・損切りの方針を解説しましたが、ここで取り上げた方針は、あくまでも一例です。
トレードスタイルによって、方針を替えていくのをお勧めします。
例えば通貨ペアによっては大きく値動きするケースがあるでしょう。
そのような場合、損切りラインを移動平均線ではなくを±1σに設定し、ストップロス注文をかけておく方法もあります。
ぜひ自分に合ったトレード方針を見つけてみてくださいね。
3-2. トレード手法① バンドウォーク×移動平均線
1つ目は、バンドウォークと移動平均線を組み合わせた方法です。
こちらのチャートでは、期間20日のボリンジャーバンドと期間9日の短期移動平均線を表示しています。
ボリンジャーバンドは黄色い線が移動平均線。
そして、期間9日の短期移動平均線は「紫色の線」。
先に、短期の移動平均線が長期(20日)の移動平均線を上抜けしていることから、上昇トレンド発生の兆しが起きていると分かりますね。
さらに、ピンク枠の箇所ではバンドウォークが発生したかのように+1〜2σを推移しています。
このまま、バンドウォークの発生を期待して買いエントリーしたいところですが、ダマシでないかも確認したいです。
よって、価格が落ち着いた後に移動平均線(画像ではMAと表記)上でサポートされるかも見るべきポイントになります。
もし、移動平均線上で押し目としてサポートされるのであれば、バンドウォークの継続も見込んだ根拠の高いエントリーが可能になるでしょう。
先程、移動平均線のゴールデンクロスを確認し、バンドウォークも発生していることからエントリーチャンスがあると解説しました。
実際、この場合のエントリーを検討できるポイントは黄色矢印となるでしょう。
理由は、
- ゴールデンクロスによって上昇トレンド発生の可能性が高いから
- バンドウォークが発生し、現在は価格調整の押し目を形成しているから
と、仮説を立てられるため。「絶対に予測が当たる」
なんてことはあり得ない話ですが、買いエントリーをする材料としては揃ったことになりますよね。
事実、黄色矢印でエントリーした後は価格が上昇。
利益確定の目安は、上昇のバンドウォークが終了したと判断できるバンドの縮小。
及び、価格をサポートしていた移動平均線を下抜けしたタイミング。
ちょうど、白の点線枠、ピンク枠の箇所が利益確定の目安になりますね。
繰り返しになりますが、分析は外れることもあるため損切りの目安はしっかり決めておきましょう。
こちらのバンドウォークと移動平均線を用いた分析であれば、「移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロス等の失敗」や「バンドウォークの明確な終了」などとなりますね。
3-3. トレード手法② ボリンジャーバンド×ストキャスティクス
2つ目は、ボリンジャーバンドとストキャスティクスを組み合わせたトレード手法です。
チャート上にボリンジャーバンドを表示させ、サブチャートにストキャスティクスを表示させました。
ストキャスティクスは黄色い線が%Kであり、ピンクの線が%Dです。
ボリンジャーバンドが縮小している箇所で、ストキャスティクスの%Kが%Dを下抜けていますね。
これは売りのサインになりますので、この後に値下がりする可能性があります。
次にバンドウォークを見つけます。
黄色い枠で囲ったところでは、-1σ以下に達しているローソク足が6本以上ありますね。
さらにボリンジャーバンドは拡大しているので、バンドウォークしていると判断できます。
ストキャスティクスで売りサインを見つけ、バンドウォークも見つけたので、ショートエントリーしましょう。
エントリー後に価格は下がり、黄色い枠で囲ったところでボリンジャーバンドが縮小し始めます。
縮小を確認したタイミングで利確しました。
4. まとめ
今回はボリンジャーバンドのバンドウォークを活用する方法を解説しました。
バンドウォークを利用すれば、トレンドに乗って大きな利益を期待できますが、ダマシに遭うリスクもあります。
ダマシを防ぐには、バンドウォークの判断基準を明確にしなくてはなりません。
さらに他のテクニカル分析を併用したり、主要トレンドを確認したりするのも大切になります。
トレードを繰り返す中で、自分なりのトレード手法を見つけてみてください。