エリオット波動8つの特徴③オルタネーションを分かりやすく解説
前回の記事では、エリオット波動の均等性について説明した。均等性の特徴がわかっていると波の価格の目安がわかるので、是非マスターしよう。
エリオット波動8つの特徴
・波動の延長
・波動の均等性
・オルタネーション ←今回はこの話をします
・チャネリング
・出来高
・比率関係
・修正波の深さ
・波動の個性
今回は、エリオット波動8つの特徴のうち3つ目、「オルタネーション」について解説する。オルタネーションを理解していると、修正波のときに前回とは違う修正波の形になることがイメージできるので、展開の予測がしぼりこめる。
目次
1. エリオット波動のオルタネーションとは
オルタネーションは、波動における副次波の修正波が別の形になるという特徴を指している。一般的に、インパルス・フラットのオルタネーションとして挙げられる場合が多い。
インパルスのオルタネーション
フラットのオルタネーション
ここでは、インパルスとフラットのオルタネーションの特徴を解説する。
2. インパルスで発生するオルタネーション
インパルスで発生するオルタネーションは2波と4波に該当し、各波によって波形に特徴がある。
通常、インパルスの大きな波動で2回目の修正波、つまり4波が発生すると2波と同様な波形を予測する市場心理が芽生える。しかしながら、実際のところは波形の特徴が異なりやすい。
以前の記事で説明をしているように、2波では価格の大幅な修正をするケースが多い。変化率も大きい傾向があり、インパルスの主な特徴である2波が1波の始点近くまで修正をする理由でもある。
他方、インパルスにおける4波では時間調整に分類される横ばい修正をする傾向が強い。波形に関しても2波ではジグザグであるのに対し、横ばい修正波形をするフラットやトライアングル、複合修正波などが見られる。
3. フラット内で発生するオルタネーション
修正波であるフラットはa波、b波、c波の3波動構成で、基本形は副次波の3-3-5で構成される。
そんなフラットのa波、b波は同程度の波となり、ジグザグ/フラットで構成されている波形だ。波形が重複することはなく、a波、b波によって各波形が分かれる性質がある。
例えば、a波がジグザグであるとb波はフラットになる。反対にa波がフラットであればb波はジグザグとなる。
副次波でも修正波に当たる波形は、オルタネーションの性質があるということだ。事実、エリオット波動の考案者であるエリオットも、オルタネーションの波形は頻出すると述べている。
ただし、エリオット波動成立の必須条件ではなく、場合によってはインパルスの2波にフラット、4波にジグザグな波形が見られることもある。絶対的なルールではないが、こういう習性があると知っておくと良い。
ここまでどうだろうか?理解がついてこれているだろうか?
ページを閉じたくなっただろうし、眠気が襲ってきたかもしれない。修正波の記事を読んでないと理解できないだろう。読んでいたとしても図で説明しないと無理だと思う。
ただ、そんなに難しいことを言っているわけではない、図を見てもらえば簡単な話である。
A波がジグザグ、B波がフラット。A波とB波は違う波形になる事が多い。下図参照
A波がフラット、B波がジグザグ A波とB波は違う波形になることが多い。下図参照
内田から一言
相場における調整(押しや戻り)がいつ完了するのか?と考えたときに4波の段階で、2波を参考にしようというのは誰しもが自然と考えることである。実際に、多くの人がそのように考える。
しかし、大口(ビッグボーイズ)はその心理を逆手にとり玉集めをしたり手じまいをしたりする。そして2波を参考にして仕掛けた大勢の人たちは、損切をさせられることになる。このような、大口の群衆を翻弄する行為の結果がオルタネーションとしていう形でチャートに現れる。
ビッグボーイズとは銀行、保険会社、年金基金、ヘッジファンドなど大口の投資家で、機関投資家と言われる。基本的に素人の逆の行動をとる習性がある。この連中はある程度ではあるが相場を動かせるので、ワザと安値を割り込んでロスカットを誘発させたり大量の買いで価格をブチ上げておいてから放置プレイといったことをしてくる。こういう連中に素人はいつもいつも引っかかり、高値で買い、安値で投げ売りをする。
4. エリオット波動のオルタネーションまとめ
ここまで、エリオット波動のオルタネーションの特徴について、インパルスとフラットについて説明してきた。押さえてほしいのは以下のことだ。
・フラットのA波とB波は違う修正波になることが多い。
次回は、エリオット波動8つの特徴の4つ目、「チャネリング」について解説していく。