赤三兵は株式相場でもよく出現する?実際の検証と見るべきポイントを解説

赤三兵は株式相場でもよく出現する?実際の検証と見るべきポイントを解説

赤三兵や黒三兵は株式投資でも出現するパターンです。
使いこなせば、トレンド相場に乗ったりレンジ相場で細かく利益を取ったりできます。

しかし、赤三兵や黒三兵を見てエントリーしても、なかなか勝てずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

そこで、

  • 赤三兵や黒三兵の見方やエントリー方法
  • 株式相場での出現頻度や勝率
  • エントリーする際の注意点

について解説します。

当記事を読めば、株式投資で赤三兵や黒三兵の使い方が分かります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

目次

1. 赤三兵・黒三兵とは株式相場でも出現するパターン

酒田五法

酒田五法は、主に株式相場で使われており、三兵はそのうちの一つです。
三兵は以下の2種類に分けられます。

種類 成立条件 値動き
赤三兵 陽線が3本続いた 上昇しやすい
黒三兵 陰線が3本続いた 下落しやすい

赤三兵とは、陽線が3本連続で出現したもので、強い上昇を示唆します。

安値圏やレンジ相場で出現すれば、そのまま上昇する可能性が高いでしょう。
陽線の実体が長く、上ヒゲの長さが短ければ、より信頼性の高いシグナルとして機能しやすくなります。

一方、黒三兵は、陰線が3本連続で出現したパターン。
黒三兵が、高値圏やレンジ相場で出現すれば、下落しやすくなるでしょう。
赤三兵や黒三兵といった呼び方は、元々、陽線を赤色、陰線を黒色で表していたからです。
出現頻度もやや多いので、見方やエントリーの方法を覚えれば、普段のトレードで役に立ちます。

2. 赤三兵・黒三兵の見方やエントリー方法は?

赤三兵・黒三兵の見方やエントリー方法は?

赤三兵や黒三兵を使いこなすためには、それぞれの見方やエントリー方法を覚えなければなりません。
それぞれ簡単に見ていきましょう。

2-1. 赤三兵の見方やエントリー方法

赤三兵の見方やエントリー方法

赤三兵は、上のチャートのように、陽線が3つ連続で出現したパターンです。
特に、安値圏やレンジ相場で出現すれば、上昇する可能性が高くなります。

丸をつけた箇所は、下降トレンドから反転してすぐのタイミングです。
エントリーする際は、赤三兵をつけた次の足ですぐにエントリーしてください。

本格的にトレンドが転換すれば、得られる利益も多くなるでしょう。

2-2. 黒三兵の見方やエントリー方法

黒三兵の見方やエントリー方法

続いて黒三兵の見方やエントリー方法を解説します。

黒三兵は、上の図のように陰線が3連続で出現するパターン。
高値圏やレンジ相場で出現すると、より下落しやすくなります。

黒三兵が出現したら、次の足でエントリーしてください。
ちなみに、損切りラインは、黒三兵1本目の最高値を超えた価格です。
実際に、黒三兵が出現後に、大きく価格が下がっていますね!

なお、赤三兵や黒三兵の詳しい使い方は、【酒田五法】三兵の出現はトレードチャンス?特徴と実際の使い方を詳しく解説が参考になります。
理解を深めるためにもぜひ、読んでみてくださいね!

2-3. 株式相場での出現頻度や勝率は高いのか?

赤三兵が優秀な手法であっても、うまく使いこなせなければ意味がありません。

そこで、株式相場での出現頻度や勝率について、1時間足、日足、週足で調べてみました。

なお、日経平均株価225銘柄のなかで、最も構成率が高いファーストリテイリング(2021年6月9日時点で10.36%)を選んでいます。

1時間足

期間 2020年11月11日~2021年6月9日
赤三兵の出現頻度 約7か月で20回(1ヶ月2,3回)
エントリーから5時間後に決済した場合の勝率 35%

まず、1時間足では、おおむね1か月2,3回くらいの頻度で赤三兵が出現していました。
ただ、勝率は35%と高くありません。

そのため、トータルで勝つためには、1回のトレードで損失の3倍の利益を出す必要があります。
短い時間足でトレードする場合は、赤三兵だけでトレードしないようにしましょう。

日足

期間 2017年10月~2021年6月9日
赤三兵の出現頻度 約3年8ヶ月で20回(2ヶ月に1回ペース)
エントリーから5日後に決済した場合の勝率 40%

次に日足の出現頻度は、約3年8か月で20回でした。

つまり、約2か月に1回のペースで出現しています。
勝率も40%とやや高くなりました。

エントリー回数を絞れば、十分利益を得られる可能性があります。

週足

期間 2009年10月~2021年6月9日
赤三兵の出現頻度 約11年8ヶ月で20回(1年に1,2回)
エントリーから5週間後に決済した場合の勝率 50%

最後に週足も調べたところ、約1年に1,2回のペースで赤三兵が出現していました。
週足になれば、勝率も50%とやや高くなります。

ただ、週足でのエントリーは、損切りも大きくなるので推奨できません。
今後の相場における値動きを見る時に使いましょう。

3. 株式投資で赤三兵を見てトレードする際の注意点5つ

株式投資で赤三兵を見てトレードする際の注意点5つ株式投資をする際に、赤三兵が出現したという理由のみでエントリーしていませんか?

赤三兵は勝率が高くないので、以下の5つの点に注意しなければ、思ったように利益を得られません。

  • 底値以外の場所で出現した場合は慎重に判断する
  • 赤三兵が出てもエントリーを見送った方が良いケースもある
  • 上位足も判断材料に使う
  • レンジ相場の場合、大きな利益は期待できない
  • 下降トレンド中の赤三兵はリスクが高い

これらの注意点を理解すれば、トレードで勝てる可能性がアップします!
必ず把握した上でトレードしましょう。

3-1. 底値以外の場所で出現した場合は慎重に判断する

赤三兵の出現箇所が高値圏の場合は、エントリーを控えた方が良いかもしれません。
すでに天井が近いために、下落する直前かもしれないからです。

上昇が続いたらもったいないと考えるかもしれません。
しかし、高値圏で出現する赤三兵の勝率は低めです。

できるだけ、レンジ相場からの上昇や下降相場からの反転時にエントリーしましょう。

筆者も、投資を始めた頃は、チャンスで何度もトレードをしていました。

ところが、エントリー回数を増やしても、損失ばかりが増えるだけ。
そこで、エントリー箇所を絞ると、損失が大幅に減りました。

3-2. 赤三兵が出てもエントリーを見送った方が良いケースもある

赤三兵は、エントリーすべき形と、見送った方が良い形があります。
見送った方が良い形の代表例は、「赤三兵先詰まり」と「赤三兵思案星」の2種類。
3本目の陽線上ヒゲがやや長い場合
上の図の左側のように、3本目の陽線上ヒゲがやや長い場合は、注意してください。
この形は赤三兵先詰まりと呼ばれており、上昇の勢いが衰えている可能性があります。

つまり、すでに高値をつけて下落が始まっているかもしれません。

また、図の右側の形は、赤三兵思案星と呼ばれています。
3本目の陽線が短いのは、上昇するか下落するか迷っている状態。

したがって、買いの勢いが衰えつつあり、いつ下落してもおかしくありません。
赤三兵でエントリーしても良い形と見送った方が良い形は、必ず覚えておきましょう。

3-3. 上位足も判断材料に使う

赤三兵のみでトレードをした場合、勝率があまり高くありません。
チャンスを逃したくない気持ちが強すぎて、エントリーを繰り返しても、損切りの回数が増えるだけです。

トレードで継続的に勝ちたい場合は、回数を増やすのではなく、チャンスの局面のみでエントリーしましょう。

以下の図は、ファーストリテイリングの日足チャートです。
ファーストリテイリングの日足チャート
水色点線部分のレジスタンスラインを、4度目でようやく超えたため、上昇トレンドに発展する可能性が高くなりました。
次に、以下の1時間足チャートを見てください。
1時間足チャート
レジスタンスラインを突破後、赤三兵が出現しているので、買うチャンスです。
事前に、上位足の日足で上昇傾向にあることが分かっていれば、迷うことなく買えるはず。

実際、赤三兵出現後も上昇の動きは止まりませんでした。
上位足の値動きも見て判断すれば、より勝ちやすいトレードが可能です。

3-4. レンジ相場の場合、大きな利益は期待できない

レンジ相場中に赤三兵が出現

レンジ相場中に赤三兵が出現した場合、エントリーしても問題ありません。
ただ、レンジ相場の下限からすでに上昇している場合は、大きな利益は期待しないでください。
買いポジションを引っ張りたい気持ちは分かります。

ですが、上図のように、レンジ下限まで下落するケースも想定しなければなりません。

3-5. 下降トレンド中の赤三兵はリスクが高い

下降トレンド中に赤三兵が出現した場合、トレンド転換の可能性があります。
しかし、赤三兵が出現しても、再び下降トレンドに戻るケースもあるでしょう。
チャートでは、2回赤三兵が出現
上のチャートでは、2回赤三兵が出現しましたが、いずれも反転上昇しませんでした。
このように、一度発生したトレンドは簡単に転換しません。

証拠金に見合わない資金でトレードすれば、大損するかもしれないので注意してください。

4. まとめ

赤三兵や黒三兵は、株式投資でも役立つ手法です。
トレンド相場の初期でエントリーできたり、レンジ相場で細かく利益を積み重ねたりできます。

ただし、勝率が高くないため、エントリー箇所は絞った方が良いです。
損切りに悩みにくくなり、利益を増やせるようになるでしょう。