酒田五法の三山とは?特徴から機能する足組の見分け方まで詳しく解説!

三山

テクニカル分析を極めるためにぜひ知っておきたいのが、酒田五法にもある三山です。
ただ、投資を始めたばかりの方は、三山について調べてもイマイチ使い方が分からない方も多いのではないでしょうか?

そこで当記事では、

  • 酒田五法の三山の意味
  • 三山のエントリー方法や損切り方法
  • エントリー時のポイント
  • エントリー後に損切りになった場合の事例

など、三山について解説します。当記事を読めば、三山の意味だけでなく、使い方や知っておきたい失敗例なども分かるので、三山を使いこなせるようになります。

ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

1. 酒田五法の三山とは?

酒田五法の三山とは? 酒田五法の三山

酒田五法の三山とは、上昇している相場で上昇と下落を3回ずつ繰り返すパターンです。

上昇と下落を繰り返した相場では、上記の図のように3つの高値と安値が出現します。また、日本では、「三山」と呼ばれていますが、海外では「トリプルトップ」と呼ばれることが多いです。

ところで、三山は上昇トレンドからの転換時によく出現しますが、なぜ上昇トレンドから転換する際によく表れるのでしょうか?

その理由は、酒田五法の高値がほぼ同じ価格帯にあるからです。

言い換えると、高値をつけた価格帯は3回とも高値を更新できなかったことになります。この時のトレーダーの心理的状況を解説すると、何度も同じ価格帯で下落したので「もう高値を更新しないから、上昇トレンドが終わるのでは?」と疑い始めます。

さらに、三山の形成中にできた安値を結んだ価格帯(ネックライン)を割れれば「直近の安値を割れたのだから、もう上昇は終わったんだ、むしろ下降トレンドに転換したに違いない」と考えるため、売り注文が増えるのです。

その上、「これまで上昇してきたんだから、これからも上がるだろうと高値で買っていたトレーダーも、これはまずい!まだ下がるかもしれない」と考え、慌てて損切りをします。

このように、三山の出現後にネックラインを割れた場合、価格は下落しやすくなるのです。

なお、三山は三尊としても解釈されます。以下の画像を見て下さい。
酒田五法、三尊

三尊も、画像のように3つの高値から形成されています。ただし、三山とは違い、真ん中の高値が他の高値よりも高い位置にあります。

加えて、1つ目の高値と3本目の高値が同じ価格帯でなくとも三尊が成立するので、ネックラインを割れれば下落しやすくなります。
三尊ネックライン

2. 三山で売買する場合のエントリー方法とは

三山で売買する場合のエントリー方法とは 三山で売買する場合のエントリー方法とは

次に三尊のエントリー方法について解説します。まず、エントリー前に三山が形成されるのを待たなくてはなりません。エントリーするのは、3つの高値が出現後に、ネックラインをローソク足の終値が割ったタイミングです。

三山が出現する前に上昇していた場合でも、ネックラインを割れれば大きく下落する可能性があります。

たとえば、以下の事例は三山の成功例です。

三山形成前はやや右肩上がりの相場でしたが、ネックラインを割れた後に急落しています。ネックラインを割れるということは、それまでの上昇トレンドが転換する可能性が上がるので注意が必要です。

上昇中に買っていたトレーダーも「このまま持っていたら大損するかも」と慌てて売るため、急落のスピードが早い傾向があります。
三山の成功例
次に、三尊のエントリー方法についても確認しておきましょう。
三尊のエントリー方法
三尊も同じく、安値同士を結んだネックラインを割れたらエントリーします。
以下のチャートは、三尊から下落したチャートの代表例です。
三尊から下落したチャートの代表例
三尊形成後に、ネックラインを割れています。すぐに大きく下落はせず、もみ合った後、一気に急落していますね。

結局20日分の上昇を、わずか6日で帳消しにするような下落が発生しました。このように、三山や三尊はトレンドが転換する際によく発生します。

2-1. 三山でのエントリーはネックラインがポイント!

三山と三尊のエントリーをする際には、ネックラインがポイントになります。
したがって、エントリーをする際は、ネックラインがどこにあるのかを把握しなければなりません。

ただ、ここまでの説明で「ネックラインを割ったらエントリーするとあるけど、3つ目の高値からエントリーした方がより利益を伸ばせるから、そちらの方が良いのでは?」と考える方もいるかもしれません。

もちろん、ネックラインよりも3つ目の高値で売りのエントリーができれば、より大きな利益を得られます。しかし、三山はしばらく価格が下がった後でなければ、高値だったのか分かりません。

そのため三山の高値付近でのエントリーは、避けた方が良いでしょう。
例えば、以下のチャートのエントリーをした箇所は、直近2つの高値の価格帯です。
三山の高値付近
このまま下落に転換すれば、ネックラインも割れて利益も大きくなるので、すぐに飛びつきたくなりますね。

ただ、エントリーした段階では、2つの山は確認できますが、現在の価格が3つ目の高値になるのは分かりません。
もしかすると、このまま上昇する可能性も十分に考えられます。
売りエントリー後、逆に上昇
実際に売りエントリー後、逆に上昇していきました。つまり、まだ買いの勢いが強かったのです。このように、三山の高値からエントリーすると、その後の上昇に巻き込まれる可能性があります。

3つの高値が出現しなければ三山ではないので、ネックラインを割れるまで待つべきでした。

実際、私も三山を見てトレードを行うことがあります。ただし、上昇トレンド中に三山が出現した場合、「まだ上昇する可能性もある」と考えて、ネックラインを待ってからのエントリーをしてます。

このあたりは、通常のレンジ相場とは意味合いが異なりますね。

注釈:レンジ相場とは、高値と安値が一定の価格帯に収まっている相場。

2-2. 損切りを置く場所について

エントリーをする際には、損切りを置く場所も決めておきましょう。なぜなら、損切りを決めてなければ、自分の欲望に負けて損失の確定ができなくなるからです。

では三山と三尊では、それぞれどの場所に損切りを置けば良いのでしょうか?
まず三山の損切りは、3つの高値を少し超えた場所におきましょう。
三山の損切り
3つの高値を超えるということは、すでにその高値の売り圧力はなくなりつつあります。

そのため、損切りをしなければ、その後の上昇に巻き込まれ大きな損失を出す可能性があります。
三尊の損切り
一方、三尊の損切りは三山とは若干違い、3つ目の高値よりやや上の場所に損切りを置くケースが多いです。

もし、もう少し引っ張りたいのであれば、真ん中の高値付近まで損切りをせずに下落を待つ方法もあります。

ただ、損切りになった場合の損失が多くなるので、初心者の方は3つ目の高値に置いた損切りを超えたら、素直に決済するべきです。

3. 三山の失敗パターンを解説!

三山の失敗パターンを解説!

続いて、三山の失敗パターンを解説します。失敗パターンを知っておけば、エントリー後に思惑と違った方向の価格が動いても焦らなくなります。

トレードで継続的に勝つためには、エントリーをする前に、以下のようなシナリオを作っておきたいです。

  • エントリー後に価格が下がった場合は、ポジションを保有したままにする
  • エントリー後に価格が3つ目の高値を超えたら、決済する(損切り)

下記の項目にて、三山と三尊で天井を更新した場合の事例をチェックしてみましょう。

3-1. 三山形成も天井を更新すると損切りになる

ネックラインを割れた

上の画像は三山ができており、ネックラインを割れたのでエントリーしました。ところが、エントリー後に3つの高値の価格帯を超えたため止むなく損切りします。

三山の高値を更新したため、その後一旦下落はあったものの長くは続かず、上昇を続けました。つまり、発生した三山は下落への転換ではなく、一時的に買いと売りの勢いが拮抗していただけだったのです。

3-2. 三尊形成後に天井を更新すると損切りになる

三尊が形成

上の画像では、三尊が形成されています。ネックラインを割れたところでエントリーしましたが、3つ目の高値を超えたため損切りです。

その後、価格は急上昇しました。

このように、三山や三尊が形成されても、いつも想定通りに下落するわけではありません。三山や三尊で高値を更新した場合、上昇の勢いが強くなります。

安易な売りエントリーや損切りをせずに放置すると、あっという間に大きな含み損が発生することも珍しくありません。
いかに速やかな損切りで、大きな損失を抑えるのが大切であるかについて分かりますね。

4. まとめ

三山まとめ

酒田五法のなかでも三山はぜひ覚えておきたい形です。

特に、トレンド転換時に出現しやすいので、普段買いだけしかやらない人も覚えておきましょう。注意しなければならないのは、必ず3つの山が形成されてからエントリーする事です。

利益が取れるからという理由で、3つ目の山が形成される前にエントリーをすると痛い目に合う可能性があります。

三山の使い方を覚えて、相場に落とし込んで使いこなせるようにしてみてください。