酒田五法って?概要と主な5つの種類を項目ごとに詳しく解説

酒田五法

「トレードの判断方法が分からず悩んでいませんか?」

トレードを始めたばかりの方は何から覚えれば良いのか分からない方もいるでしょう。

そこで当記事では、

  • 酒田五法の概要
  • 酒田五法の5つのパターン
  • 酒田五法を覚えるメリット

など、酒田五法について解説します。当記事を読めば、酒田五法がなぜ長年使われてきたのかが分かるようになります。ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

1. 酒田五法とは

酒田五法は、江戸時代の米相場師である本間宗久が発案した分析方法と言われています。

名前の由来は、本間宗久の出身地が山形県酒田市であり早くから相場師として名を上げていました。
本間宗久は、酒田の米相場が大阪の米相場と連動することを知っており、飛脚を雇うことで正確な分析を徹底。
また、米市場における動向を随時、分析していたことからもファンダメンタルズ分析を得意としていました。

その後、現在においては日本人投資家の主流なテクニカル分析として「酒田五法」の発案者として紹介されています。
酒田五法の発案者として明確な根拠はありませんが、投資に関する書籍が出版された明治期にかけて本間宗久の名前を用いられたことが要因とされています。
*補足として、本間宗久に関する詳強い考察はこちらの記事にて解説しています。

酒田五法はローソク足の並びに注目した分析方法で、5つのパターンから構成されています。

しかし、さらに細かく分ければ20種類以上もあります。なかでも、代表的なパターンである酒田五法について5つほど紹介します。

  • 三山
  • 三川
  • 三法
  • 三空
  • 三兵

上記のように、5つの酒田五法におけるパターンについて解説していきます。

2. 三山

三山

三山とは上昇した相場の天井を判断するパターンで、上昇と下落を3回ずつ繰り返しているパターンです。

上昇した相場で三山が出現すると、その後反転下落しやすいといわれています。

なぜなら、高値の更新に3回も失敗していることで、上昇に陰りが出ていることが想定されるからです。
三山には三尊と呼ばれる真ん中の高値が最も高い価格をつけているパターンもあります
また、三山には三尊と呼ばれる真ん中の高値が最も高い価格をつけているパターンもあります。

三尊のパターンも上昇相場の最終局面で出現しやすく、反転下落しやすいパターンです。

三山を覚えれば、トレンド相場の反転を判断しやすくなるので、比較的早いタイミングでトレンドに乗れることもあります。

三山のエントリー方法や注意点については、酒田五法の三山とは?特徴から機能する足組の見分け方まで詳しく解説!で解説しています。

3. 三川

三川とはローソク足3本の並びに着目したパターンです。酒田五法の中でも種類が多く、以下のような局面で利用できます。

  • 相場の高値圏や安値圏からの反転
  • トレンドの継続

三川を使えるようになれば、上昇あるいは下落し続けている相場が将来どのように動くのか判断ができるようになります。そのため、エントリー時だけでなく、ポジションを持っている場合の決済タイミングを図る際にも役立つでしょう。

なお、三川の様々なパターンやエントリー時の注意点については、酒田五法の三川って何?詳しい種類と実際のトレード事例も詳しく解説!で解説しています。

初めて覚える人でも理解しやすいように画像つきで解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

4. 三法

三法

三法とは、相場が小休止している時に現れるパターンです。三法は時には休むことも重要なことを教えてくれます。

相場の世界では、値動きがはっきりしている局面は全体の3割〜4割ほどです。

したがって、いつもエントリーをすれば勝てるわけではありません。

「筆者も投資を始めた当初は相場の値動きに関係なく手を出していました。しかし、1回のトレード毎に手数料がかかるため、損益がゼロの状態であれば、手数料負けすることも多くありました。
そのため、投資で継続的に利益を出し続けるためには、無駄な負けトレードをいかに減らすかが重要なのです。」

三法が形成された際はエントリーを控えましょう。相場の方向性がはっきりしてからエントリーをしても十分利益が得られるからです。

また、無駄なトレードが減り損切りの回数が減れば、結果的に利益を上げやすくなります。

三法のパターンについては【酒田五法】三法を抑えればエントリーも冷静になれる?特徴と使い方を解説で解説しています。

5. 三空

三空

三空とは3回連続して窓が開きながら上昇あるいは下落し続けるパターンです。窓は1本前のローソク足の終値と直近の始値に差がある時に発生します。そのため、株式投資のように24時間開場していなければあまり出現しません。

三空が出現するきっかけは突発的なニュースや経済的な事件がほとんどです。
三空が完成するまでは値動きが一方向に偏りますが、完成後は反転しやすくなるので注意しましょう。

三空を覚えれば、トレンド開始時に保有したポジションを決済するタイミングも分かるようになります。

三空のエントリー方法や形成中の投資家の心理については、【酒田五法】三空は窓が3つ空く?特徴からよくあるパターンまで伏せて紹介で解説しています。

6. 三兵

三兵

三兵とは長い陽線もしくは陰線が3本連続で出現するパターンです。三兵出現後は、さらにトレンドが継続する可能性が高いでしょう。

三空とは窓が開いているのか開いていないかという点で違います。

三兵を知らなければ、上昇していた相場が一転下落をした際に下落し続けるのか、再び上昇していくのか見極めるのは困難です。

「筆者も初心者の時代にこのような局面に遭遇したことがあります。これまでの上昇が強かったため、三兵を見逃してしまったのです。その結果、さらに大暴落し、そこそこの含み益があったにも関わらず売り時を逃し、大幅に含み益を減らしてしまった経験があります。」

三兵は様々な局面で出現するので、どのような価格帯で出現したかが重要です。

三兵を使いこなせれば、相場の天井や大底から利益を伸ばすこともできます。

三兵のエントリー方法や注意点については、【酒田五法】三兵の出現はトレードチャンス?特徴と実際の使い方を詳しく解説を参考にしてみてください。

7. 酒田五法を利用すればトレンドの転換や継続の判断が可能

酒田五法を利用できるようになれば、一見複雑な相場が判断しやすくなります。

また、酒田五法を使わず海外のテクニカル分析を覚えた方でも共通している部分があるため、参考になるはずです。特に相場から大きな利益を得たい方は、トレンド相場の転換や継続を上手く見極める必要があります。

売買する際の判断材料の一つとして利用することで、トレードする際に迷いにくくなるでしょう。

8. まとめ

酒田五法を理解すれば、どのような局面でトレードをすればより利益を得やすいのかが分かるようになります。

そのため、トレードする際の売買判断で悩んでしまう方でも、判断の迷いが少なくなるでしょう。

酒田五法は江戸時代に生まれてから100年以上残ってきた分析方法なので、初心者から上級者に幅広く使われてきました。
トレードを始めたばかりで、判断方法に迷っている方にはおすすめのテクニカル指標です。