ローソク足のヒゲって何を表す?ヒゲを活用したトレード方法も解説!

ローソク足のヒゲって何を表す?ヒゲを活用したトレード方法も解説!

ローソク足に表示されるヒゲですが、実は何の意味があるのか分からない方もいるのではないでしょうか?
ズバリ、ローソク足のヒゲの意味を理解しておけば、売買の判断がしやすくなります。

そこで当記事では、

・ローソク足のヒゲの意味
・上ヒゲと下ヒゲの長さによる違い
・ヒゲを見る事で、どのように判断を行えるのか?

など、ローソク足のヒゲの意味について解説します。当記事を読めば、ヒゲの意味を理解できるだけでなく、ヒゲが出現している背景なども分かるのでトレードが上達します。

ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

1. ローソク足のヒゲが表す意味とは?

ローソク足のヒゲが表す意味とは?

ローソク足のヒゲとは、ローソク足のうち、上下に伸びている線を指します。

例えば、ヒゲを確認すれば以下のようなことが分かります。

・期間中にどのぐらいまで価格が上昇したのか
・期間中にどのぐらいまで価格が下落したのか
・上昇や下降に勢いがあるのか

そのため、トレードをする際にはヒゲの長さを見れば、今後の値動きを予測しやすくなります。

1-1. ローソク足のヒゲは売買方向への圧力として機能する

ローソク足のヒゲは売買方向への圧力として機能する

ローソク足のヒゲは売買方向への圧力として機能します。例えば、上の画像はどちらも陽線なので、期間中価格が上昇していることが分かります。

しかし、長い上ヒゲがある陽線と短い上ヒゲがある陽線では、トレード時の判断は大きく異なるので注意しなければなりません。長い上ヒゲのある陽線は、売りの圧力が強く、価格が上昇しにくい状況を表しています。

決してローソク足が陽線だから、今後も100%価格が上がるわけではないのです。そのため、売買方向への圧力が強いのか弱いのかはヒゲを見れば、分かります。

ところで、ローソク足のヒゲには以下の4つのタイプがあるので、それぞれの意味について順番に解説します。

・上ヒゲが長い
・上ヒゲが短い
・下ヒゲが長い
・下ヒゲが短い

上ヒゲが長いローソク足の意味

上ヒゲが長いローソク足の意味

上ヒゲが長いローソク足は、売りの圧力が強いため、安易に買ってはなりません。トレーダーは、始値から上昇するローソク足を見て、買いの勢いが強いと考えます。

ところが、このまま価格が上昇すると思いきや、大きく戻されてしまいます。つまり、長い上ヒゲは最初の上昇の勢いを否定された時に表れるのです。

また、上ヒゲが長いローソク足が、陽線と陰線のどちらで終わったかによって意味が変わる点も注意しましょう。
上ヒゲが長いローソク足

上ヒゲが長い陽線であれば、始値よりも高い価格で終わっているので、まだ買いの勢いは残っているかもしれません。ただ高値圏で上ヒゲが長い陽線が出現すれば、買いの勢いが衰え、トレンドが転換する可能性があります。

一方、上ヒゲが長い陰線は、上昇の動きを否定するどころか、始値よりも低い価格で終値をつけています。期間中の上昇がすべて否定されるので、上ヒゲの長い陽線よりも売りの勢いは強いでしょう。

また、長い上ヒゲのローソク足は、高値圏以外の場所でも出現します。
長い上ヒゲのローソク足は、高値圏以外の場所でも出現

例えば、下降トレンド中に上ヒゲが長い陰線が発生した場合、以下の事実が分かります。

・長い上ヒゲは反転上昇に失敗した証拠
・終値が始値よりも低いので、まだ売りの勢いは衰えていない

長い下降トレンドでそろそろ価格が上昇して欲しいトレーダーは、価格が上昇し始めた時に買い始めます。ところが、勢いが強い下降トレンドの場合、一度反発したぐらいでは、トレンドが転換しません。

大きく上昇したと見せかけて、再度価格が下がってしまうのです。その際に表れる上ヒゲの長いローソク足はまだ売りの圧力が強い事を表しています。

このように、上ヒゲが長いローソク足は、トレンド相場の途中でも出現する場合があります。

ちなみに、私は売り注文で利益を狙うことが多いです。その際にエントリーの一つの目安として、長い上ヒゲのローソク足が出現しているかという点を重視しています。長い上ヒゲが発生するという事は、売り圧力が強いため、価格が大きく急落するケースも多いのです。

上ヒゲが短いローソク足の意味

上ヒゲが短いローソク足は、上ヒゲの短さだけで売買の判断ができません。よって、以下の2点から相場の値動きを読む必要があります。

・陽線と陰線のどっちか?
・実体の長さは長いのか?

上ヒゲが短いローソク足の意味

上ヒゲが短い陽線で、実体が長く下ヒゲが短い場合は、売りの圧力が弱いと判断できるので、今後も上昇する可能性はあります。

上ヒゲが短い陽線

陽線の実体が長いことは、上昇の勢いが強いことも表すからです。
上ヒゲが短い陰線

一方、上ヒゲが短い陰線で、実体が長く下ヒゲが短い場合は、一旦上昇したにも関わらず、始値よりも終値の価格が低くなります。
上ヒゲが短い陰線

トレーダーの心理を解説すると、最初の上昇で期待して買ったのに、買いの勢いが続かず、始値を割れたため、失望売りが続くような相場です。

始値を割るような値動きになれば、以下のようなトレーダーの注文により、さらに売りの勢いが強くなるのです。

・うっかり高値で買ってしまったトレーダーの損切り
・新たに売りで儲けたいトレーダーの売り注文

等です。

なお、実体が短く上下ともヒゲが短いローソク足が出現した相場は、値動きが乏しく、どちらに価格が動くか迷っている状態なので、今後の値動きを予測するのは難しいです。
実体が短く上下ともヒゲが短いローソク足

上図で説明しているような状態になるため、安易な売買は控えましょう。

その上、高値圏や安値圏でこのようなローソク足が出現すると、それまでのトレンドの勢いが衰え、トレンド転換する可能性があります。トレンド相場で利益が出ているポジションを保有している場合は、すぐの決済をおすすめします。

下ヒゲが長いローソク足の意味

下ヒゲが長いローソク足の意味

下ヒゲが長いローソク足は、下ヒゲ付近での買いの勢いが強いことを表します。一旦価格が下落したものの、反転し、それまでの下落を打ち消すほどの強い買いが発生した時に出現するローソク足です。

長い下ヒゲは、最初の下落が否定されたことを表します。したがって、安値圏で出現した場合は、トレンドが転換する可能性が高いです。他にも、長い下ヒゲのある陽線は上昇トレンド中に出現する場合があります。

上昇トレンドに乗り遅れ、買いたくても買えなかったトレーダーにとって、価格が下がったタイミングは買いのチャンスです。

そのため、一時的に下落したタイミングで、トレンドに乗り遅れた多くのトレーダーが買えば、再度価格は上昇し続けます。

押し目買いと呼ばれるものですが、すでに利益ののったトレーダーは、下ヒゲの長いローソク足を見て、さらに利益を増やそうとするのです

このように下ヒゲが長いローソク足は、下降トレンドからの転換だけでなく、上昇トレンドの継続を表すこともあるのです。

下ヒゲが短いローソク足の意味

下ヒゲが短いローソク足を見るだけでは、売買の判断をするのは難しいでしょう。そこで、陽線と陰線のどちらなのかを実体の長さも見て、判断する必要があります。
上ヒゲが短いローソク足の意味
下ヒゲが短い陽線で、上ヒゲの長さも短ければ、買いの勢いは衰えていないため、価格は上昇しやすいです。

上ヒゲが短い陰線

他方、下ヒゲが短い陰線で、上ヒゲの長さが短い場合は、売りの勢いが強いため、価格は下落しやすくなります。そして、上ヒゲ・下ヒゲ・実体のいずれも短いローソク足が出現した時は、値動きがはっきりしません。

このように上ヒゲや下ヒゲの長さにより売買の判断が異なります。ところで、全てのローソク足の上下に必ずヒゲがついているわけではありません。

値動き次第では、以下のようなローソク足が出現します。

・上ヒゲも下ヒゲもないローソク足
・上ヒゲか下ヒゲのどちらかのみあるローソク足

どのような値動きの時にこれらのローソク足が出現するのかも解説します。

ヒゲがないローソク足の意味

上ヒゲも下ヒゲもないローソク足が出現した場合、以下の2つの点を踏まえて売買の判断を行います。

・陽線か陰線か
・実体の長さ

例えば、「陽の丸坊主なら強い買い」「陰の丸坊主なら強い売り」として機能します。

ヒゲのないローソク
どちらのローソク足もヒゲがありません。

ヒゲがないローソク足

ゆえに、陽の丸坊主も陰の丸坊主も一方向にしか動いておらず、逆の方向への圧力がないのです。加えて、ローソク足の実体も長いため、勢いが強い時にしか出現しません。

次に、ローソク足のうち上ヒゲか下ヒゲの片方しかヒゲがない場合は、以下の3つを根拠に売買の判断を行いましょう。

・ヒゲの位置
・ヒゲの長さ
・実体の長さ

例えば、陰の寄り付き坊主は下ヒゲしかない実体の長い陰線です。
陰の寄り付き坊主

実体の長い陰線なので売りの勢いは強いですが、短い下ヒゲが気になります。なぜなら、最終的に反発して終わっているからです。

基本的には売りの勢いが強いですが、トレンドが転換した可能性も考えなくてはなりません。一方、陰の大引け坊主は上ヒゲしかない実体の長い陰線です。

陰の大引け坊主

短い上ヒゲは、最初の上昇がわずかな範囲で終わったことを表しています。買いに期待するトレーダーにとって、上ヒゲの短さは期待がすぐに失望に変わったことの表れです。

始値よりも終値の価格が低いので、高値で飛びついたトレーダーや始値で買ったトレーダーも、一旦決済せざるを得なくなります。そのため、売りの勢いが持続する可能性が高いです。

このように、長い陰線でもヒゲが上と下のどちらにあるかによって、値動きの予測が変わります。ヒゲの位置は重要なポイントなので、必ず確認しましょう。

1-2. ローソク足のヒゲは相場の転換点になることが多い

ローソク足のヒゲは相場の転換点になることが多い

ヒゲが長いローソク足が出現すると、相場の転換点になることが多いです。
安値圏で下ヒゲが長いローソク足

特にピンバーやリバーサルと呼ばれるヒゲの長さが実体より3倍も長いローソク足が出現すると、強い転換のサインです。

ピンバー

ピンバーは、ヒゲが実体の3倍前後あり、実体の位置が上下に大きく偏っています。ピンバーの長いヒゲは、トレンドの勢いが否定された事を表します。

ですので、高値圏での売りのピンバーや安値圏での買いのピンバーの出現が原因でトレンドが転換する事も多いです。続いて、リバーサルも高値圏や安値圏で出現すれば、トレンドが転換しやすくなります。

リバーサルハイの条件は、以下における2つです。

・1本前のローソク足の高値を一時的に更新する
・ローソク足の終値が1本前の終値よりも安い

リバーサルハイ

トレーダーの心理を解説すると、1本前のローソク足高値を超えたことでこのまま上昇を続けると期待するトレーダーが増えます。

ところが、反転し、1本前のローソク足よりも終値が低くなれば、上昇はだましで、すでに買いの勢いが衰えている事が分かります。

高値で買ってしまったトレーダーと新たに売り注文を行うトレーダーの注文が増え、価格は一気に下落するのです。

リバーサルロー

一方、リバーサルローの条件は、リバーサルハイとは逆です。

・1本前のローソク足の安値を一時的に更新する
・ローソク足の終値が1本前の終値よりも高い

トレーダーの心理を説明すると、1本前の安値を割れたので、さらに下落するだろうと考え、売るトレーダーが増えます。ところが、相場はそんなトレーダーをあざ笑うかのように、上昇し、1本前よりも高い位置で終値をつけるのです。

こうなると、結局買いの優勢が明らかになります。安値で売ったトレーダーの損切りと、新規で買うトレーダーの注文が増えるため、そのまま価格は上昇するのです。

以上のように、長いヒゲのローソク足が出現すると、トレンドが転換しやすくなります。

2. ローソク足のヒゲをトレードに活かせる4つのパターンを解説!

ローソク足のヒゲをトレードに活かせる4つのパターンを解説!

ローソク足のヒゲは、様々なトレード局面に活かせます。具体的にどの様な局面でトレードに活かせるのか解説します。

2-1. 上ヒゲの出現がきっかけでトレンドが転換した実例

上ヒゲの出現がきっかけでトレンドが転換

上のチャートは、上ヒゲの出現がきっかけでトレンドが転換した事例です。上昇トレンドから下降トレンドへの転換直前に、上ヒゲが長いローソク足が複数出現しています。

上ヒゲの長いローソク足は売りの圧力が強い事を表しています。そのため、①〜③のいずれかのタイミングで売り注文を検討すべきです。

2-2. レンジ相場で長いヒゲが何度も出る箇所での実例

レンジ相場で長いヒゲが何度も出る箇所

レンジ相場とは、一定の価格帯の中に値動きが収まることです。上のチャートも、一定の価格帯に値動きがほぼ収束しています。

レンジ相場の上限付近では、長い上ヒゲのローソク足、下限付近では、長い下ヒゲのローソク足が何度も出現しています。

長いヒゲは何度もレンジ相場の突破に失敗した根拠です。長いヒゲが出現した箇所で売買をすれば、勝率の高いトレードができます。

2-3. トレンド中にヒゲの長いローソク足出現でトレンド継続の実例

トレンド中にヒゲの長いローソク足

上の画像は下降トレンド継続中のチャートです。

長い上ヒゲのローソク足が出現している3箇所では、いずれも上昇の勢いが止まり、下降トレンドが継続しています。つまり、長い上ヒゲは、一時的な反発だったのです。

ローソク足の終値が確定していないのに慌てて買ってしまったトレーダーは、すぐにポジションを決済すべきです。すぐに決済しなければ、その後の急落に飲み込まれます。

逆に、長い上ヒゲのローソク足終値を確認後に売れば、その後のトレンド相場や急下落で利益を得られました。

2-4. 長い上ヒゲのローソク足が出現したが、終値がヒゲの先端を超えた場合の実例

長い上ヒゲのローソク足が出現したが、終値がヒゲの先端を超えた

長い上ヒゲが出現すれば、売りの圧力が強いです。

しかし、上昇トレンドの途中で長い上ヒゲのローソクが出現すれば、上ヒゲの先端を超えて上昇するケースもあります。

長い上ヒゲのローソク足出現で、価格は一時的に下落したものの、すぐに反発しました。価格が長い上ヒゲの先端を超えた場合、売りの圧力を上回るほど買いの勢いが強くなっています。

ですから、価格が長い上ヒゲを超えたのに売るのは危険です。実際、上図のチャートでは上ヒゲを超える価格上昇をしています。

3. まとめ

ローソク足におけるヒゲの見方が分かれば、売買判断をする際にとても役立ちます。特に、ローソク足の長いヒゲは強い圧力を表しているため、トレンド相場の転換時によく出現します。

また、ヒゲが短いローソク足やヒゲが片方しかないローソク足が出現した場合は、ヒゲだけを頼りにトレードをするのは危険です。

以下の3点を踏まえて売買の判断を行いましょう。

・ヒゲのある位置
・ヒゲの長さ
・実体の長さ

ヒゲの見方が分かれば、トレンドが継続するのか転換するのかの判断がやりやすくなります。ぜひローソク足のヒゲの見方を覚えて、トレードに活かしてみてください。