(過信はNG)プライスアクションのエントリーで精度を上げる方法を解説
アクションはローソク足の形を見て、値動きを分析するため、他のテクニカル指標よりも早くエントリーすることが可能です。
ただ、初心者の方はエントリーのタイミングに苦労する傾向があります。
そこで、
- プライスアクションの基礎知識
- プライスアクションのエントリールール
- プライスアクションの成功・失敗パターン
などを解説します。
プライスアクションのエントリールールとエントリー後の値動きを知れば、すぐに売買判断ができるようになりますよ!
目次
1. プライスアクションとは?
プライスアクションとは、値動きから投資家の心理を読み解いて分析する方法です。
プライスアクションでは、当日の終値が前日の安値、あるいは高値を上回っていないかなどを重点的に見ます。
そうすることで、トレンドの方向や値動きの強さを把握するのです。
また、インジケーターよりも早く相場の状況をつかめます。そのため、素早くトレンドに乗ったり、反転の動きを察知できます。
プライスアクションには様々なパターンがあり、一例を上げると以下のようなものがあります。
プライスアクション | 値動きの特徴 |
---|---|
ピンバー | 高値圏や安値圏での出現で転換する |
スパイクハイ・スパイクロー | それまでの上昇や下落が反転し逆方向の値動きが強くなる |
スラストアップ・スラストダウン | トレンドが強くなり継続しやすい |
インサイド・アウトサイド | 買いと売りの勢いが継続しており、ブレイクした方向に動きやすい |
リバーサルハイ・リバーサルロー | それまでの値動きから反転しやすくなる |
プライスアクションのパターンについては、ローソク足の前後に注意!相場のトレンドを読み解くプライスアクションとは?でも解説しているので、参考にしてみてください。
2. プライスアクションでのエントリーと損切りルール
この章では、プライスアクションでのエントリーと損切りルールについて解説します。
プライスアクションには様々なパターンがありますが、その中でも以下の5つのパターンについて見ていきましょう。
- ピンバー
- スパイクロー
- スラストアップ
- インサイド
- リバーサルハイ
プライスアクションを使いこなすためには、エントリールールを正しく理解しなければなりません。一つずつ覚えてくださいね!
2-1. ピンバー
ピンバーとはローソク足の実体よりもヒゲが長いパターンです。上の図は、売りのピンバー。
長い上ヒゲの価格帯は、強い上昇の否定を表すので、買いは控えましょう。
ピンバーが出現したらすぐにエントリーしてはなりません。価格がピンバーのローソク足の最安値を割るのを待ってください。
ピンバーの最安値を下回れば、エントリーが可能です。なお、損切りはピンバーの上ヒゲから少し離れた箇所に置きます。
2-2. スパイクロー
スパイクローは、安値圏で下ヒゲの長いローソク足が出現するパターンで、上昇しやすくなります。
スパイクローの特徴は、最も安値を付けたローソク足の下ヒゲが長いことです。
しかし、すぐにエントリーをしても、下落が続く可能性があります。
そこで、最安値から1本前のローソク足の高値に注目しましょう。
1本前のローソク足の高値を越えた時点で、エントリーすればだましに遭うリスクを減らせるのです。
なお、長い下ヒゲを越えて下落した場合は、すぐに損切りしましょう。
2-3. スラストアップ
スラストアップとは直前のローソク足の高値を更新して終値が確定したパターン。
エントリーをするタイミングは、スラストアップが完成したローソク足の最高値を越えた時点です。
高値を越えるということは、まだまだ上昇の勢いが衰えていない可能性があるから。
ただし、スラストアップが完成したローソク足の最安値を割れたら損切りしてください。
2-4. インサイド
インサイドとは直前のローソク足の範囲内に価格が収まったパターンです。
これは、買いと売りの勢いが拮抗していることを表しています。
そのため、いずれどちらかにブレイクするのを待たなければなりません。
終値でどちらかにブレイクしたら、素直にエントリーしましょう。
なお、ブレイクした方法と逆方向に再ブレイクした場合は、最初のブレイクは騙しだった可能性があり。
ですから、躊躇なく損切りしてください。
エントリー | 損切り |
---|---|
高値を抜けた | 安値を割れた箇所 |
安値を割れた | 高値を抜けた箇所 |
2-5. リバーサルハイ
リバーサルハイは上昇し続けてた相場が反転する際に出現します。
一本前のローソク足の高値を更新すれば、上昇の期待が高くなります。
ところが、結局直前のローソク足よりも終値が下落してしまいました。
つまり、上昇の動きは騙しで、今後下落する可能性が高くなるのです。
ただし、リバーサルハイの完成したローソク足の高値を上回れば、再度上昇トレンドに戻った可能性があります。
3. 主なプライスアクションの成功パターンと失敗パターン
プライスアクション使いこなすためには、ルールを覚えるだけで 勝てるようにはなりません。
エントリー後に成功するパターンと失敗するパターンを見て、どのような動きをするのか把握することが重要です。
- ピンバー
- スパイクロー
- スラストアップ
- インサイド
- リバーサルハイ
これまで解説してきた主なプライスアクションのルールと照らし合わせながら見ていきましょう。
3-1. ピンバー
上のチャートを見てください。ピンパーの典型的な成功パターンです。
上ヒゲの長いローソク足が出た次の足でエントリーをしたところ、価格は大きく下落していきました。
直前でも同じぐらいの価格で反転下落しているので、信頼できるパターンといえます。
一方で、ピンバーも失敗することはあります。
長い上ヒゲが出現し、安値も割れたのでエントリーしましたが、すぐに反転上昇してしまいました。
この負け方は仕方がない負けとも言えるでしょう。
3-2. スパイクロー
次にスパイクローの成功パターンと失敗パターンを解説します。
上のチャートはスパイクローの形になっています。
下ヒゲの長いローソク足の一本前の高値も超えていき、エントリーしたところ、価格は上昇していきました。
これは典型的なスパイクローの成功パターンです。
次に失敗したパターンも見てみましょう。
こちらのチャートでも下ヒゲの長いローソク足が出たため、上昇すると考えました。
ところが、価格は上昇するどころか下落したため、すぐに損切りという結果に終わったのです。
スパイクの動きを打ち消すほど、売りが強かったことになります。
3-3. スラストアップ
上のチャートはスラストアップの成功パターンです。
スラストアップが出現後にエントリーすると、価格はその後も上昇していきました。
このように、スラストアップは上昇トレンドの継続を示唆します。
スラストアップ完成時のローソク足も強い上昇なので、信頼性は高いでしょう。
しかし以下のチャートではどうでしょうか?
スラストアップが出現した後、上昇はしましたが長くは続きませんでした。
次第に横ばいになり、最後には急落したのです。
なお、筆者であれば、エントリーしてすぐ後に十字線が出た時点で、上昇に疑いを持ち損切りを考えます。
なぜなら、上昇し続けることを想定してエントリーしているからです。
想定通り上昇しない以上、買いの勢いが衰えている可能性を考えざるをえません。
3-4. インサイド
上のチャートはインサイドの成功パターンです。
インサイドの完成後、良い方向にブレイクしたため買いでエントリーをしました。
想定通り上昇がしばらく続いたため、十分成功パターンと言えるでしょう。
他方、上のチャートでは下方向にブレイクしたものの、すぐに反転します。結局、上昇が始まったことで損切りになりました。
エントリーしてすぐにそこそこ長めの下ヒゲをつけているのが気になります。
長めの下ヒゲが出現するということは、買いの勢いがまだ強いことを表すからです。
3-5. リバーサルハイ
上のチャートはリバーサルハイの成功パターンです。エントリー後に価格は順調に下落しました。
一応、点線の部分で値動きが衰えているので、一旦は利確しても良いでしょう。
次に失敗パターンを解説します。
上のチャートでは、リバーサルハイの出現後に一旦下がったものの、すぐに反転上昇しました。
このようにプライスアクションでエントリーをしても必ず勝てるわけではありません。
成功するパターンと失敗するパターンがあるので、両方のパターンを覚えてトレードに活かすことが重要です。
4. プライスアクションでエントリーする際の注意点
プライスアクションでエントリーする際には注意点がいくつかあります。
- 時間軸に注意してエントリーする
- 長期足を見なければ、大局を見誤る可能性がある
- きれいではない形のプライスアクションも出現する
- エントリー前に本当にプライスアクションなのか見ること
順番に解説しますね。
4-1. 時間軸に注意してエントリーする
プライスアクションでエントリーする際は時間軸に注意しましょう。
基本的には、上位足のサインの方が信頼性は高くなります。
逆に、5分足や1分足のように下位足は騙しも多く、慎重にトレードしなければなりません。
つまり、下位足ではプライスアクションのサイン通りにエントリーしただけでは、勝ち続けるのは難しいのです。
4-2. 長期足を見なければ、大局を見誤る可能性がある
プライスアクションのみを見てエントリーしても、高い勝率は期待できません。
少しでも勝率を上げるためには、長期足の動きも見てエントリーをするべきです。
長期足 | 下位足 | 売買判断 |
---|---|---|
上昇 | 上昇 | 買いでエントリー |
上昇 | 下落 | エントリーしない |
下落 | 上昇 | エントリーしない |
下落 | 下落 | 売りでエントリー |
例えば、長期足が上昇しているケースで考えてみましょう。
下位足でリバーサルローやスラストアップが出現していれば、エントリーしても構いません。
ところが、売りのサインであるリバーサルハイやスラストダウンが出現してる場合は、エントリーを控えた方が良いかもしれません。
なぜなら、長期的に上昇の可能性が高いのに、売りのプライスアクションでエントリーするのは、大きな値動きに逆らうからです。
リスクを考えると、長期足の値動きと同じ方向のみのエントリーをおすすめします。
4-3. きれいではない形のプライスアクションも出現する
プライスアクションを使う場合は、まず綺麗な形のプライスアクションのみでエントリーしましょう。
チャンスを逃すまいと、形がいびつなサインでもエントリーすると、トレード回数は増えても勝てなくなるかもしれません。
無駄な損失をなくすためにも勝てる可能性が高いサインのみでエントリーしてくださいね!
4-4. エントリー前に本当にプライスアクションなのか見ること
エントリーする前は、本当にプライスアクションが成立しているのかよく見るようにしましょう。
例えば、リバーサルハイに見えても、本当に直前のローソク足より終値が低いですか?
また、きちんと上ヒゲがついているでしょうか?
筆者もリバーサルハイでエントリーチャンスを見つける際に、何度も見間違えたことがあります。
人間は、焦って稼ごうとしている時は自分都合で判断をするもの。
最初の頃は、何度も確認してからエントリーするのが安全ですよ。
このように、プライスアクションでエントリーする際は、闇雲にエントリーするのではなく、慎重に行いましょう。
5. まとめ
プライスアクションのエントリーのタイミングは、やや難しいかもしれません。
ただ、成功パターンと失敗パターンを覚えれば、トレード中も迷うことなく判断ができるようになります。
まずは、プライスアクションの形をしっかり覚えて、負けなくなるようにしましょう。