【一歩待つ】トレンドラインのブレイクで利益を得るための考え方とは?
トレンドラインのブレイクは、トレンド転換のシグナルです。そのため大きな利益を狙うチャンスになります。しかしダマシであった場合、トレンド転換にはならないので、気軽にエントリーできないですよね。
この記事では、エントリー・損切り・利確(利益確定)の根拠を解説しつつ、トレンドラインのブレイクを狙ったトレード手法をご紹介します。
併せて、トレンドラインの概要や正しい引き方についても説明します。
画像を含めながら分かりやすく解説するので、きっとあなたのトレードの成功イメージを膨らませるきっかけになるでしょう。
目次
- 1トレンドラインとは?活用方法を簡潔に説明
- 1.1活用法① トレンドの方向性が分かる
- 1.2活用法② トレンドの持続性が分かる
- 1.3活用法③ トレンドの強さが分かる
- 2要注意!トレンドラインのブレイクはトレンド転換のサイン
- 3まずはトレンドラインを正しく引けるようになろう
- 3.1トレンドラインは高値(安値)を結ぶのが基本
- 3.2(よくある疑問)トレンドラインを引く時にヒゲはどうするべき?
- 3.3長い時間足でもトレンドラインを引き、主要トレンドを理解する
- 3.4トレンドラインは複数引けば分析精度が上がる
- 4トレンドラインのブレイクを狙ったトレード手法
- 4.1パターン① ブレイクと同時にエントリー→損切り
- 4.2パターン② ブレイク後の押し目買いを意識してエントリー→利確
- 4.3パターン③ ブレイク後にトレンド転換を確認してエントリー→利確
- 5まとめ
1. トレンドラインとは?活用方法を簡潔に説明
トレンドラインとは、安値同士を結んだサポートラインと、高値同士を結んだレジスタンスラインを指します。
トレンドラインを活用すれば、トレンドの方向性・持続性・強さが分かるので3つの要点についてこの章では解説します。
1-1. 活用法① トレンドの方向性が分かる
まず、トレンドラインを活用するとトレンドの方向性が分かります。
画像のように、切り下がっていく高値同士を線で結ぶと、レジスタンスラインになります。つまり、下降トレンドが発生していると分かるのです。
反対に、切り上がっていく安値同士を線で結ぶと、サポートラインになります。
レジスタンスラインとサポートラインは、価格が貫通しにくい「境界線」としてトレーダーに意識されています。もし相場が変動しても、価格はトレンドライン付近で反発し、一方向に進み続けるケースがあるのです。
そのためトレンドラインを引けば、相場のトレンドが上向きか下向きかを判断できます。
1-2. 活用法② トレンドの持続性が分かる
トレンドラインの角度に注目すると、トレンドの持続性も予測できます。
トレンドラインの角度が45度より高い、もしくは低い場合、トレンドは長続きしません。価格はトレンドラインをブレイクし、すぐにトレンド転換する可能性があります。
理想的なトレンドラインの角度は45度です。45度の角度であれば、持続性の高いトレンドであると考えられます。
ただし45度の角度は、あくまで目安にするようにしてください。角度が45度より高い・低い時でも、トレンドが長期間続くこともあります。
1-3. 活用法③ トレンドの強さが分かる
トレンドラインの角度により、トレンドの強さも分析できるのです。トレンドの強さとは、値動きの激しさを指します。
トレンドラインの角度が45度より高いと、強いトレンドです。
強いトレンド下では、値動きが激しくなりがち。
一方で45度より低いと、弱いトレンドです。価格は落ち着いた動きになると考えられます。
2. 要注意!トレンドラインのブレイクはトレンド転換のサイン
トレンドラインのブレイクとは、価格がトレンドラインを超えることを指します。
トレンドラインのブレイクは、トレンドの終了・転換のサイン。
もし上昇トレンド中に価格がサポートラインをブレイクすれば、上昇トレンドは終了し、下降トレンドに転換する可能性があります。FXでは、トレンドを把握し、値動きの方向を知るのが大切です。
そのため、トレンドラインのブレイクは重要なポイントになります。
ただし、トレンドラインをブレイクしても、すぐにトレンド転換になるとは限りません。
例えば上昇トレンド中に、サポートラインの上から下へ価格が超えたとします。サポートラインをブレイクしても、下降トレンドに切り替わらず、上昇トレンドが継続するケースもあるのです。
このように、トレンドラインのブレイクはダマシの可能性があります。そのため、ブレイク直後のトレードはハイリスク・ハイリターンである点に注意してください。
3. まずはトレンドラインを正しく引けるようになろう
トレンドラインのブレイクを利用して利益を狙うなら、トレンドラインを引けるようにならなければなりません。
ここではトレンドラインの正しい引き方について、
- トレンドラインは高値(安値)を結ぶのが基本
- (よくある疑問)トレンドラインを引く時にヒゲはどうするべき?
- 長い時間足でもトレンドラインを引き、主要トレンドを理解する
- トレンドラインは複数引けば分析精度が上がる
の4つを詳しく解説します。トレンドラインのブレイク判定からより優位性の高いエントリー方法について理解を深められるはずですよ。
3-1. トレンドラインは高値(安値)を結ぶのが基本
トレンドラインを引く時は、高値(安値)同士を結びます。
線を結ぶタイミングは、「高値(安値)を連続して更新し、かつ安値(高値)を更新しない時」です。
このタイミングでトレンドラインを引く理由は、ダウ理論にあります。
ダウ理論とは、アメリカの証券アナリストであるチャールズ・ダウ氏が提唱した理論。
ダウ理論では、トレンド発生の要件を「高値(安値)を更新した後に、安値(高値)を更新しない」と定めているのです。
【関連記事】トレンドラインとダウ理論の組み合わせはアリ?実践的な活用法を詳しく紹介!
実際のチャートで解説します。このように高値を更新し続け、なおかつ安値を更新していない場合、「上昇トレンドが発生している」と解釈できます。
そのため、安値同士を結び、トレンドライン(サポートライン)を引けるのです。
一方で、安値を更新し続け、同時に高値を更新しないケースでは、「下降トレンドが発生している」と判断できるでしょう。画像のように高値同士を結び、トレンドライン(レジスタンスライン)を引きます。
3-2. (よくある疑問)トレンドラインを引く時にヒゲはどうするべき?
トレンドラインを引く時、ローソク足の実態同士を結ぶべきなのでしょうか。それともヒゲ同士を結ぶべきなのでしょうか。
意見の分かれるポイントですが、筆者はヒゲ同士・実体同士のどちらを選んでも問題ないと考えます。
ただし、結ぶのはどちらかで統一するようにしましょう。
ヒゲ同士を結ぶ時は、ヒゲの先端同士を繋ぎ、トレンドラインを引きます。
一方で実体同士を結ぶ時は、ヒゲを無視して終値(始値)を繋ぎましょう。
ヒゲ同士にすると決めた場合はヒゲ同士で結び、実体同時にするなら実体同士を結ぶ方法を徹底します。
3-3. 長い時間足でもトレンドラインを引き、主要トレンドを理解する
トレンドラインを引いた後は、大きな時間足でもトレンドラインを引いてみましょう。なぜなら、大きな時間足であればあるほど、相場の大きな流れを示すためです。
例えば、15分足でトレンドラインを引いた方は、日足でもトレンドラインを引いてみると良いでしょう。日足のローソク足1本は、15分足のローソク足96本分です。
*(1時間足÷15分足)×日足(1時間足24本分)=15分足のローソク足96本分
時間足が長ければ、その分だけローソク足1本の完成までに時間を要します。そのため、15分足だけで見るよりも、日足で見た方が主要なトレンドを把握できるのです。
もし長い時間足と短い時間足の両方が上昇トレンドであれば、しばらく上昇トレンドが続くでしょう。しかし長い時間足で下降トレンド、短い時間足で上昇トレンドであれば、上昇トレンドは長続きしないと考えられます。
このように、トレンドラインを引く際は主要なトレンドを把握しておくのが大切になります。
3-4. トレンドラインは複数引けば分析精度が上がる
トレンドラインは1本だけではなく、相場の様子を見て複数引くのをおすすめします。トレンドラインを繰り返し引くことで、分析の精度を上げられるのです。
このチャートでは、トレンドラインを引くごとに角度が上がっていきました。つまり、「だんだんトレンドが強くなっている」と理解できます。
そして強いトレンドは長続きしないため、「やがて下降トレンドに転換するだろう」と予想できるのです。
次のチャートでは、トレンドラインを同じ起点から引き直していくにつれて、角度が下がっていきました。
この様子を見て、
「トレンドラインの角度が45度辺りになったので、しばらく上昇トレンドが続くだろう」
「このまま角度が下がり続け、いずれレンジ相場に突入するかもしれない」
「レンジ相場の後に、下降トレンドに転換するケースもあり得る」
といった複数のシナリオを立てられます。
このように、トレンドラインを引き直していけば、より詳細に相場の環境認識が可能になります。
4. トレンドラインのブレイクを狙ったトレード手法
それでは、トレンドラインのブレイクを狙ったトレード手法を3つ解説します。
ここでは、筆者が実際にトレードした結果をお伝えします。
4-1. パターン① ブレイクと同時にエントリー→損切り
このチャートでは、上昇トレンドが発生しています。安値同士を線で結び、トレンドライン(サポートライン)を引きました。
今回のエントリーポイントは、価格がサポートラインの上から下へブレイクしたばかりのタイミングです。このタイミングをエントリーとした理由は、ブレイク後に上昇トレンドから下降トレンドへ転換する可能性があるため。
そのため、サポートラインを下抜けた直後にショートポジションを持ち、利益を狙います。
しかし、エントリー後に価格は再びトレンドライン近くまで戻ります。そしてトレンドラインを上抜け、高値更新してしまいました。高値更新は上昇トレンド継続の根拠となるので、ここで損切りしました。
今回の敗因は、サポートラインのブレイク直後にエントリーしたことでしょう。トレンドラインを超えたからといって、すぐにトレンド転換するとは限りません。
なぜなら、ダウ理論には「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」という原則があるためです。
加えて、トレンドラインの角度は45度に近いため、「上昇トレンドは持続性が高い」と考えられます。
そのため転換シグナルの確認前に、ショートポジションを保有するのは、危険な行為でした。
4-2. パターン② ブレイク後の押し目買いを意識してエントリー→利確
このチャートはユーロ/米ドルの5分足チャートです。チャートを見ると、上昇トレンドを確認できました。
今回のエントリーポイントは、価格がトレンドライン(サポートライン)をブレイクした後です。1つ前の安値付近で、押し目買いを狙ってロングポジションを持ちます。利確ポイントはトレンドラインであり、損切りポイントはトレンド転換のサインを確認した時です。
上昇トレンドが継続すれば、利益を狙えるでしょう。しかし、トレンドラインの角度は緩やかであるため、強いトレンドとは言えません。
上昇トレンドが持続するか不安ですね。
そこで、上昇トレンドが続くかどうか分析するために、長い時間足を確認します。5分足チャートより長めの4時間足チャートを調べてみましょう。
4時間足チャートを調べたところ、5分足チャートと同じく上昇トレンドでした。主要トレンドの方向と一致しているので、長期的に見れば上昇トレンドが続くと判断できます。
エントリー後は価格が上がり、トレンドラインまで達しました。利確のポイントであるため、トレンドライン付近で利確します。
4-3. パターン③ ブレイク後にトレンド転換を確認してエントリー→利確
このチャートでは、上昇トレンドが発生しているので、トレンドライン(サポートライン)を引きます。そして価格は、サポートラインを上から下へ向けてブレイクしました。
今回のエントリーポイントは、価格がサポートラインをブレイクし、トレンド転換を確認した時とします。
価格がサポートラインをブレイクした後、サポートラインの上に戻らず、手前で反発しています。このサポートラインは、価格のブレイク後にレジスタンスラインとして意識されていると考えられますね。
価格が反発した点と、1つ前の高値を比べると、高値は切り下がっているのを確認できます。切り下がる高値を結び、トレンドライン(レジスタンスライン)を引きましょう。
この時点では、まだ安値の更新をしていません。そのため、まだ下降トレンドには転換しておらず、上昇トレンド中となります。エントリーポイントはブレイク後にトレンド転換したタイミングですので、まだポジションを持ちません。
レジスタンスラインを引いた後、価格は前回の安値を更新しました。連続で安値を更新したため、下降トレンドに転換と判断できます。
なお、トレンドラインの角度は緩やかですね。そのため、持続性は低く、弱いトレンドであると考えられます。
無事にトレンド転換を見届けたので、レジスタンスライン付近でエントリーしましょう。トレンドの方向に従って、ショートポジションを持ちます。
利確ポイントはチャネルライン(トレンドラインの平行線)付近とし、損切りポイントはレジスタンスラインを超えた時とします。
エントリー後、価格は徐々に下がりました。チャネルラインに達したところで、利確します。
「今回ご紹介したのは、トレンド転換を見届けてレジスタンスライン付近でエントリーした事例です。しかし、価格がレジスタンスラインまで近づくことなく、さらに離れていったケースもありました。」
トレンドライン付近のエントリータイミングを逃した場合は、再び価格がトレンドライン付近に達するのを待つのが良いでしょう。
または、トレンドラインを引き直しつつ、別のタイミングを狙う方法もあります。
5. まとめ
トレンドラインをブレイクした後のトレードは、リスクが高めです。そのため、エントリーのタイミングに注意する必要があります。
エントリーのタイミングを検討するには、トレンドラインの引き方の理解や、トレンド分析の精度を上げると良いでしょう。
ご自身で実際にトレンド分析をし、実践していくのをおすすめします。
sam