三尊天井のだましは未然に防げる?だましにあってしまう典型例と対策を解説
三尊天井が高値圏で出現すれば下落しやすくなります。
ただ、だましに遭うこともあるため、どうすれば勝てるようになるのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そこで当記事では、
- 三尊天井の概要
- 三尊天井でだましに遭うパターン
- エントリー後に上昇した場合の正しい対応策
などについて解説します。当記事を読むことで勝率を上げることもでき、だましを恐れる必要がなくなるはずですよ!
目次
1. 三尊天井とは?
三尊天井とは高値圏でよく出現するローソク足のパターンで、特徴は以下の2つです。
- 3つの高値(山とも呼ばれる)のうち真ん中の山が最も高値
- 安値同士を結んだネックラインを割れた時点で成立
三尊天井は上昇トレンドの最終局面で出現しやすく、ネックラインを割れれば、反転下落する可能性が高くなります。トレーダーの心理を説明すると、ネックラインで反発するまでは買い目線です。しかし、3つめの山は真ん中の高値を超えられませんでした。
この時点で、真ん中の高値を超えるほど買いの勢いが強くなっていないことがわかります。
そして、ネックラインも割れた場合、買いの勢いよりも売りの勢いが強くなっている可能性があります。ネックラインは2回も反発するほど重要な安値です。安値を下回れば、売りエントリーをするトレーダーが増え、価格は急落、あるいはずるずると下落していくのです。
このように上昇中の相場でも三尊天井が出た場合、トレンドの転換を疑った方が良いでしょう。
2. 三尊天井でエントリーしても「だまし」になるケース
ただ、三尊天井でエントリーをすれば、必ず下落するわけではありません。想定通りの動きをしなければ、三尊天井はだましになります。
2-1. 「だまし」により上昇することもある
三尊天井がだましだった場合、価格は大きく下落せず上昇します。
たとえば、以下のチャートでは三尊天井が完成しています。そのため売りエントリーをしても構いません。
ところが、ネックラインを割れた直後は下落し続けたものの売りの勢いはあまり強くありません。
結局、もみあった後に大きく上昇してしまいました。
2-2. 三尊天井でだましに遭う確率
ところで、三尊天井でだましに遭う確率はどのぐらいなのでしょうか?
その時の相場環境などによって違うので一概にいえませんが、ドル円とユーロドルで調べてみました。結果を見ると、三尊天井でエントリーをしても勝率は高くないことが分かります。
特に5分足は、5割未満の勝率なので高いとはいえないです。
三尊天井に限らず、100%勝てる手法はありません。常にだましにあう可能性は頭に入れておきましょう。
3. 三尊天井が「だまし」になる5つのパターン
三尊天井がだましになるパターンは5つあります。
- 安値を切り上げる三尊天井はだましになりやすい
- 突発的なニュースや事件で上昇するケース
- 上位足が強ければだましで終わることも多い
- 三尊天井の形がきれいではないケース
- 出来高が急増し、三尊天井が成立しないケース
どういったケースでだましになりやすいか理解しておけば、想定通りに動かなくても焦らなくて済みます。
3-1. 安値を切り上げる三尊天井はだましになりやすい
三尊天井にはさまざまな形があります。数ある三尊天井の中でも安値を切り上げる形になっている場合は、安易な売りエントリーは控えましょう。
*注釈 安値を切り上げるとは、最初の安値よりも後の安値が高い価格にあることです。
三尊天井が成立する前には、2回ほど反発している箇所があります。
そのため、最初に反発した価格よりも2回目に反発した価格が高ければ、安値を切り上げているといえます。
なぜなら、安値を切り上げるということは、買いの勢いがまだ続く可能性があるからです。
実際に上のチャートでは、ネックラインを割れた後にエントリーすると、損切りになりました。
ネックラインからの距離が長い時は、損切りラインまでの距離も長く損失も多くなります。筆者は初心者時代、どんな相場環境でも同じロット数で取引をしていました。
損切りまでの距離が長い時も大きめのロットで取引をしたため、思わぬ損失を被ったことがあります。
筆者のように思わぬ損失を防ぐための方法は2つあります。
- あらかじめ損切りになった場合の損失を想定しておく
- 損切りまでの幅によってロット数を調節する
まずエントリーする前にあらかじめ損切りになったら、どのぐらいの損失が出るのか想定しておきましょう。
損失が大きいと感じたのであれば、明らかにロット数が多いことが原因です。
次に、損切りまでの幅によりロット数を調節することも大事です。
例えば、あなたが1回のトレードで1万円までの損失なら許容できるのであれば、以下のように調節しましょう。
エントリー価格から損切りまでの幅が20pipsであれば、5万通貨の売買が可能です。
ただ、損切り幅までの距離が50pipsで、5万通貨の売買をすると、損失は2万5,000円になります。
その場合はロット数を2万通貨にしましょう。そうすれば、普段と同じぐらいの損失になるので慌てることもなくなります。
3-2. 突発的なニュースや事件で上昇するケース
三尊天井のルール通り、ネックラインを割れてエントリーをしても、以下のような突発的なニュースや事件が起きた際は要注意です。
- 中央銀行の金利政策が変更された
- 大統領選挙で大方の予想と反する候補が選ばれた
- 隣国同士での戦争懸念のニュースが報道された
- 雇用統計などの経済指標が想定と大きく違う結果になった
特に5分足や1時間足でトレードする際は、これらのニュースや経済指標の結果次第でだましになることがあります。
金利政策や経済指標の発表時間帯は、価格が上下しやすいです。
リスクを抑えるためには、金利政策や経済指標の発表時間帯に三尊天井が出現してもトレードしないことです。
3-3. 上位足が強ければ「だまし」で終わることも多い
相場は、上位足の動きに支配される傾向があります。
そのため、継続的に勝ち続けているトレーダーは、上位足の動きを見ながら短期足でエントリーするかどうか決めています。
たとえば、日足で上昇している場合は、下位足で三尊天井が出現してもエントリーは慎重にするべきです。
なぜなら、上位足が上昇している場合、大きな流れは買い目線だからです。
したがって、下位足で三尊天井が出現しても、買いの勢いに押され、だましになる可能性が高くなります。
上の画像は、日足チャートの丸い部分を1時間足で表示したチャートです。
三尊天井が成立したものの、すぐに損切りラインを超え大きく上昇しました。
このように、三尊天井が出現しても大きな流れに反するトレードは控えるべきです。
3-4. 三尊天井の形がきれいではないケース
最初の高値と3つ目の高値の位置が異なる場合、綺麗な三尊天井とはいえません。
綺麗な三尊天井でなければ、三尊天井と認識して売るトレーダーも少ないため、だましに遭う可能性が高くなります。
特に三尊天井を覚えたばかりの時は、何回もトレードをして自信をつけることが大事です。
そのため、だましに遭いにくい最初と3つ目の高値が同じ価格帯の三尊天井に絞ってトレードしましょう。
3-5. 出来高が急増し、三尊天井が成立しないケース
三尊天井の形成時は、最初の高値から真ん中の高値は出来高が増える傾向があります。
しかし、3つ目の高値が出現し下落が続くと出来高は大きく減ります。
ところが、だましになるケースでは、逆に出来高が増えるので注意しましょう。
出来高の急増は価格にも影響を与え、ロスカットを巻き込むように上昇することもあるので注意が必要です。
4. 三尊天井後に上昇した場合の対処法
三尊天井のネックラインが割れたら売りエントリーをするタイミングです。
ただし、エントリー後すぐに下落していくとは限りません。
では、エントリー後に上昇した場合、どのように対応すべきなのでしょうか?
4-1. 一旦上昇しても損切り箇所までは保有し続ける
ネックラインを大きく割れた後に上昇しても慌てる必要はありません。
逆にネックライン近くまで戻れば、より高い価格で追加売りが可能です、仮にその後において下落をすれば利益も大きくなります。
また、エントリー後は損切りラインである直近の高値まで上昇しない限りは保有すべきです。直近高値を超えなければ、買いの勢いは強いとは言えないからです。
4-2. 損切り箇所まで上昇したら損切りする
エントリー後に、直近高値を超えるぐらい上昇した場合は、躊躇なく損切りしましょう。
すでに三尊天井のだましが判明したので、いつまでも売りポジションを持っていれば、損失が膨らんでしまいます。
4-3. 損切りと同時に買いエントリーもあり
トレードに慣れてきた場合は損切りをするだけでなく、買いエントリーをしても良いかもしれません。
三尊天井が否定されるということは、今後上昇する可能性もあります。
また、上位足が上昇トレンドの場合、三尊天井がだましになる可能性が高いです。
このような場合は、三尊天井のだましを待ち、逆に買いで利益を狙っても良いかもしれません。
5. まとめ
三尊天井は、上昇相場から反転下落する際によく出現します。ただし、だましも多いため、対策を知らなければ損切りばかりになります。
また、エントリー後にすんなり下落しなくても焦る必要はありません。上昇しても損切りラインまでは持つようにしましょう。
どんな手法でもだましは起きうるので、よくあることと割り切るようにしてください。