三尊天井は株式でも頻出なのか?実際のチャートで見方と売買のコツを紹介
高値圏で出現するとトレンドが転換しやすくなる三尊天井。
出現頻度こそ高くないものの、重要な形であることは間違いありません。
そこで当記事では、
- 三尊天井の概要
- 見方や実践例
- トレードする際の注意点
など、三尊天井について解説します。株式投資のチャートを用いて解説するので、より実践的な内容を理解できます。
ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
1. 空売りのチャンス?三尊天井の基礎概要を紹介
三尊天井とは、高値圏で出現するパターンの一つ。
3つの高値(山)から構成されており、真ん中の山が最も高いのが特徴です。
3つの山は高値更新に3回も失敗している現状を表しているため、上昇に陰りが出ていることを示唆しています。
その結果、上昇相場が終わり、大きく急落するケースも少なくありません。
三尊天井が完成するのは、価格の終値が安値を結んだ「ネックライン」を割れたタイミングです。
ネックラインを割れたら、どんなに長く続いた上昇トレンドでも、すぐに手仕舞いをしなければなりません。
なお、三尊天井の詳しい解説は、三尊天井の特徴って?概要から騙し・ネックラインまでまとめて解説!で解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
2. 三尊天井の見方や株式投資での実践例を解説!
三尊天井を覚えておけば、トレンドの転換を先読みできます。
そのため、覚えておいて損のない形です。
そこで、三尊天井の見方や株式投資での実践例を見ていきましょう。
2-1. 三尊天井のエントリー方法や損切りのタイミング
三尊天井でエントリーするのは、ネックラインを割れたタイミング。
また、損切りラインは、3つ目の高値を超えたあたりに置きます。
本格的に反転下落するのであれば、3つ目の高値を超えるのは不可能です。
それでも、3つ目の高値を超えた場合は、だましを疑わざるを得ません。
なお、利益確定する箇所は「ネックライン〜三尊天井の最高値の値幅」と同じ分下落した価格です。
例えば、トヨタ自動車のチャートを例に解説すると、ネックラインが3,230円、三尊天井最高値が3640円なので、値幅は410円です。
したがって、ネックラインから410円下落した2,820円で利益確定すればよいでしょう。
実際に、ネックラインを割れた後、トヨタ自動車の株式は2,790円まで下落していますね!
なお、ネックラインを割れない限りは、まだ三尊天井は完成していないので上昇する可能性が残っています。
慌ててエントリーしないようにしましょう。
2-2. 三尊天井の典型的な実践例
ここからは、三尊天井の典型的な実践例を解説します。
上は「ANAホールディングス」のチャートです。
ネックラインがほぼ平行で、1つ目の高値と3つ目の高値も同じくらいの高さですね。
①でネックラインを割れたので、エントリーしました!
一時的にネックラインまで価格は戻ってきたものの、焦る必要はありません。
実際に、利益確定ポイントまで無事に下落しました。
驚くことに、利益確定後ほぼドンピシャのタイミングで、再び反転上昇しています。
もし、欲を出して利益確定が遅れていれば、大きな利益を獲得できなかったかもしれません。
2-3. いびつな三尊天井の実践例
いつもきれいな三尊天井が出現すれば、トレードも楽になります。
ただ、実際にはいびつな形状の三尊天井が出現するケースも多いでしょう。
上の日本郵船のチャートを見ると、きれいな三尊天井と比べて以下の点が異なります。
- 3つ目の高値が1つ目の高値よりも高い位置にある
- ネックラインが平行ではなく、斜め上に伸びている
いびつな形の三尊天井は、1つ目の高値と3つ目の高値の位置が大きくずれています。
そのため、ネックラインは斜め上に引かざるを得ません。
利確幅までの距離も短くなるので、大きな利益を期待できないケースもあるでしょう。
いびつな形でも三尊天井は成立しますが、綺麗に下落しないケースもあるので、注意が必要です。
3. 三尊天井が否定されるパターンもあるので注意!
三尊天井が出ても、必ず下落するとは限りません。
特に、以下のような「ネックラインが右肩上がり」のパターンは注意が必要です。
このパターンは「安値を切り上げて上昇」しているため、反転しない可能性もあります。
上のチャートでも、ネックラインを割れた後、下落は進みませんでした。
むしろ、そのまま上昇し続けていますね!
三尊天井が出ても必ず勝てるわけではないので注意してください。
なお、三尊天井のだましは未然に防げる?だましにあってしまう典型例と対策を解説では、だましにあう典型的なパターンを解説しています。
ぜひ参考にしてみて下さい。
4. 株式投資で三尊天井を狙ってトレードする際の注意点3つ
株式投資で三尊天井を狙ってトレードする際には、いくつか注意点があります。
- 騙しにあったら無闇に売るのは禁止!
- 必ずネックラインを割ってからエントリーする
- 三尊天井の出現頻度は高くない
どの注意点も大事なので、詳しく解説しますね!
4-1. 騙しにあったら無闇に売るのは禁止!
三尊天井で、直近高値を超えたら、シグナル通り下落する可能性が低くなります。
なぜなら、直近高値を超えるということは、まだ上昇のエネルギーが残っているからです。
無闇に売ってしまうと、その後の急上昇につかまり大損するかもしれません。
三尊天井が成功するのは、直近高値を超えずに下落し続けたときのみ。
シグナルが出たからといって、ずっと下落するとは限りません。
4-2. 必ずネックラインを割ってからエントリーする
ネックラインを割るまでは、エントリーせずに待たなければなりません。
時々、ネックラインを割っていないのに「三尊天井の形が出つつあるから」とエントリーをする方もいます。
間違った方法でエントリーすると、大損につながるリスクがあるので注意してください。
例えば、上のチャートの最初の矢印では、完全にネックラインを割れていません。
一時的にはネックラインを割れたものの、終値では反転しています。
そして、数本後の矢印の部分で再びネックラインを割れました。
その後の値動きは、大きく急落しているのがわかりますね!
このように、必ずローソク足の終値がネックラインを割れてからエントリーしてください。
4-3. 三尊天井の出現頻度は高くない
三尊天井は天井からの下落を示唆する典型的なパターンです。
ただ、出現頻度は、そこまで高くありません。
そのため、三尊天井以外のパターンも覚えておいた方が、エントリーがしやすくなります。
天井からの下落を示唆する代表的なパターンは以下の2つです。
ダブルトップもトリプルトップも三尊天井と同じく有名なパターン。
いずれも、サポートラインを割れると、大きく下落する可能性が高くなります。
筆者は、逆三尊よりもダブルトップやトリプルトップでエントリーするケースが多いです。
そして、たまに逆三尊を確認してエントリーしています。
逆三尊だけを狙うというよりも、他の手法も含めて天井からの売りを狙った方がチャンスは多くなるでしょう。
5. まとめ
三尊天井は株式投資でもよく使われる手法の一つです。
使いこなすことで、トレンドからの転換を狙ってエントリーしたり、トレンド相場の継続性を図れます。
ただし、ネックラインを引いてみて、右肩上がりの場合は信頼性が高くありません。
また、きれいな形の三尊天井のみでエントリーした方が、早く慣れるでしょう。