【組み合わせ方も解説】移動平均線やローソク足の見方や判断方法とは?
トレードで継続的に勝ち続けるためには、チャートの見方について理解する必要があります。ただ、トレードを始めたばかりだと、チャートに何が表示されているのかさっぱりわからないという人も多いのではないでしょうか?
そこで、まずは、初心者から上級者まで多くの人が使用しているローソク足と移動平均線を覚えることをおすすめします。ローソク足と移動平均線の見方がわかれば、現在の相場状況の判断や、どのようにトレードをすればよいのかイメージできるようになります。当記事を参考に、知識を深めていってくださいね。
目次
1. 移動平均線は一定期間の平均価格を表したテクニカル指標
移動平均線は、一定期間の平均価格を表したテクニカル指標のことです。以下のチャートでは、青いラインが単純移動平均線です。
移動平均線は全部で3種類ありますが、初心者が覚えておくべきは単純移動平均線です。なぜなら、3つの移動平均線のうち、最も多くのトレーダーが使用しているからです。
したがって、単純移動平均線をメインに解説します。日足のチャートを表示し、移動平均線の数値を5に設定すれば、5日間の平均価格の推移がチャートに表示されます。例えば、10月5日の移動平均線の価格は、10月1日〜10月5日までの価格の平均価格と一致します。
計算式としては、過去5日間の価格をすべて足し、5で割って算出するだけです。
移動平均線の計算式:101円+102円+103円+104円+105円÷5日=103円
ただ、トレードをする時には、わざわざ現在の移動平均線の価格を計算する必要はありません。証券会社の取引ツールから、簡単に表示できます。
1-1. 移動平均線の数値は表示する時間足によって変更する
移動平均線の設定数値は、表示する時間足によって変更します。
5分足であれば、5分、8分、13分の移動平均線を見ている人が多いですが、日足のチャートを見ている人の多くは、5日、25日、75日の移動平均線を見ています。もちろん、自分好みの数字に設定できますが、初心者の間は多くの人が見ている移動平均線の設定に従っておいたほうが良いでしょう。
1-2. 移動平均線は短期から順番に動く
移動平均線は短期から順番に動きます。したがって、移動平均線の期間が長ければ長いほど、遅れて動きます。まず価格が上昇し始めた場合を例に解説すると、最初に上昇する移動平均線は短期です。その後、短期移動平均線に遅れて、中期移動平均線の上昇が始まります。
最後に、ようやく長期移動平均線の上昇が始まるのです。ただ、長期移動平均線は、期間が長いため、少々の値動きではあまり変化がありません。そのため、長期移動平均線で上昇を確認できたタイミングは、既に安値から大きく上昇しているケースも多いです。
2. 移動平均線の3つの使い方とは?
移動平均線には、以下の3つの使い方があります。
・トレンドの方向を見る
・トレンドの強さをみる
・売買のタイミングを探す
具体的にどのように使えばよいのか解説します。
2-1. 移動平均線はトレンドを見るのにおすすめ
移動平均線はトレンドを見るのにおすすめです。トレンドとは、相場の流れを意味します。例えば、チャートの左側から右側にかけて価格が上昇し続けている相場は上昇トレンドと呼ばれています。
一方で、チャートの左側から右側にかけて価格が下がり続けている相場は下降トレンドと呼びます。
このように、移動平均線を見るだけで、これまでの価格の流れが簡単にわかります。現在の相場が上がっているのか下がっているのかわからない場合は、まず移動平均線の方向を見るようにしましょう。
2-2. 移動平均線の角度を見ればトレンドの強さがわかる
移動平均線の角度を見れば、トレンドの強さがわかります。例えば、移動平均線の角度が急な場合、価格も大きく動いています。
一方で、移動平均線の角度が緩やかな場合、価格は少しずつしか変化していません。
このように、移動平均線の向きを見れば、現在のトレンドの強さについて判断できます。
2-3. 移動平均線の交差で売買のタイミングを探せる
移動平均線は、必ずしも1本のみチャートに表示するわけではありません。短期と長期の移動平均線を表示することで、売買のタイミングを探せます。
代表的な売買ポイントがゴールデンクロスとデッドクロスです。
例えば以下のチャートの右側の枠では、短期移動平均線が長期移動平均線を超えているため、ゴールデンクロスが発生しています。
ゴールデンクロスが発生すると、価格が大きく上昇する可能性があります。
一方で、左側のように短期移動平均線が長期移動平均線を割るとデッドクロスが発生します。デッドクロスが発生すると価格が大きく下落する可能性があります。
したがって、ゴールデンクロスが発生したら買い、デッドクロスが発生したら売りという方法でトレードしている人もいます。
もう一つ例をあげましょう。下記のチャートでは、移動平均線を3本表示させています。チャートの丸部分を見ると、移動平均線が上から長期・中期・短期という順番で並んでいます。このように移動平均線が順番に並んでいる場合、トレンドが発生する可能性があります。
そして、移動平均線の並びが順番になる直前に、短期の移動平均線が中期の移動平均線や長期の移動平均線と交差していることが分かります。
このように移動平均線は売買の判断にも利用できる便利なテクニカル指標です。
ただし、ゴールデンクロスやデッドクロスは、頻繁に表れます。そのため、デッドクロスが出現したすべての場所で売ったとしても、思惑どおり上昇しないことが多いです。
上昇トレンド時に上から短期・中期・長期移動平均線の順番のときにエントリーすることをパーフェクト・エントリーとか、パーフェクト・オーダーなどと表現します。下降トレンドの場合はその逆で、下から短期・中期・長期移動平均線の順番となります。
そのため、移動平均線の交差のみで売買するのでは、何度も損切りにかかるため、勝ち続けることは難しいでしょう。
3. ローソク足とは期間内の値動きを表しているもの
ローソク足とは、期間内の値動きを表しているテクニカル指標のことです。例えば、日足チャートであれば、1本のローソク足=1日の価格の値動きを表しています。
そのため、ローソク足のなかには、トレードをした人たちの様々な感情が含まれているといっても過言ではありません。
3-1. ローソクは胴体とヒゲで構成されている
ローソク足は胴体部分とヒゲと呼ばれる線で構成されており、真ん中の長い棒が胴体で、上下に出ている線をヒゲと呼びます。この胴体とヒゲの見た目がローソクのような形をしているため、ローソク足と呼ばれるようになりました。
ローソク足は大きく2種類に分けることができます。
・始値よりも終値が高ければ陽線が表示される
・始値よりも終値が低ければ陰線が表示される。
また、その期間の最も安い価格と最も高い価格はヒゲによって表します。このようにローソク足一本でその期間内の値動きについてある程度把握できるのです。
3-2. ローソク足のさまざまなパターン
ローソク足は胴体やヒゲの長さにより、様々なパターンがあります。
例えば、太陽線や大陰線のようにヒゲがほとんどない場合は、陽線なら強い上昇、陰線なら強い下降を表しています。一方で、ヒゲが長いローソク足が出た場合は、今後の値動きについて注意しなければなりません。
例えば、上昇トレンドが続いていたにも関わらず、高値圏で上陰陽線が出た場合は、一旦上昇の動きが止まり下落に転じる可能性があります。というの、長い上ヒゲは、上昇していた価格が最終的に大きく下がったときに表れる形だからです。
そのため、それまでの上昇トレンドが発生していたとしても、上昇の勢いが無くなりつつあることが見て取れます。このようにローソク足はトレードに欠かせないテクニカル指標なのです。
私も普段ローソク足を見て、トレードをしています。ただ普段、重視して確認しているのは、上の7つにおけるローソク足ぐらいです。なぜならご紹介したローソク足は、数あるローソク足のパターンのなかでも、トレードをする際のヒントになりやすいためです。
・トレンド発生やトレンドが伸びるきっかけになる
・トレンドの反転のきっかけになる
・まだトレードをしない方が良いことがわかる
など、私はトレード歴が12年以上ですが、ご紹介した7つのローソク足は、今でも重視して確認しています。
4. (超重要)移動平均線とローソク足の位置関係を把握してる?
ここまで、移動平均線とローソク足の位置関係について紹介しましたが、チャートにおける両者の位置関係を把握することは非常に重要です。
「移動平均線とローソク足の位置関係を見て何が分かるのか?」
この問いの答えは、移動平均線とローソク足を用いることで、相場において含み益・含み損状態の価格帯を把握できることです。
以下のチャート画像をご覧ください。
200移動平均線の傾きとローソク足の位置関係から、過去の200本の期間のローソク足において買った人が含み益なのか、含み損なのかを分析できます。
詳しくは、移動平均線の上に価格(ローソク足)がある場合は、該当期間に買ったトレーダーは含み益である状態を指します。
反対に、移動平均線の下に価格(ローソク足)がある場合は、該当期間に買ったトレーダーは含み損である状態を指します。
たったこれだけのことですが、移動平均線の傾きとローソク足の位置関係から、
・相場のトレンド方向
・含み益・含み損の分岐点
について、大まかにチェックできるのです。つまり、単に
「移動平均線の傾きが上だから、上昇トレンドだ!」
「ローソク足が移動平均線の下にあるから下降トレンドが発生している」
というように、見かけだけでトレード判断をするのではなく、移動平均線とローソク足の関係性からどういう意味(相場の心理状態)か、分析できるのです。
相場の心理状態と言うと難しく聞こえるかもしれませんが、あなたがこの立場になったとして想像してみてください。例えば含み損をかかえている時はどんな気持ちになりますか?「せめて買値までもどらないかなあ」などとお祈りしたくなるし、精神的には不快な感情になっているはずです。そして、価格が買値まで戻ったら「ヤレヤレ」と売ってしまいませんか?このような心理が働くために、下降トレンドの時は多少リバウントしたとしても再び下がってしまうのです。
5. (まとめ)移動平均線とローソク足抜きではトレードが難しい
移動平均線もローソク足も初心者から上級者まで多くのトレーダーが利用しているテクニカル指標です。移動平均線を見れば、トレンドの方向や勢いなどを把握できます。
またローソク足を見れば、どのような値動きがあったのか分かるので、今後もトレンド相場が続くのかどうかも予想しやすくなります。
ただし、移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロス単体でトレードしないようにしてください。
勝率が低いため、利益を出すのが難しくなってしまいます。もし手法として利用するのであれば、他の手法と組み合わせたりするなど工夫をしてトレードに取り組んでみてくださいね。