【エリオット波動】波の見極めに必須の推進波のルールと種類を解説

エリオット波動の1波や5波の見極めに必須の推進波のルールと種類を解説

この章では、エリオット波動における推進波についての話をする。推進波とはメジャートレンドの方向に進む波形のことである。チャートを見て推進波に気がつくと、トレードチャンスが増える。

推進波に限らずエリオット波動は、相場の展開を他のテクニカルや理論よりも早くイメージすることが出来る。気がつくのに早ければ熟考する時間も多くなり、余裕を持ってシナリオを立てられる。

この記事を読み理解すると、今まで気がつかなかったエントリーポイントに気がつくようになったり、相場の転換を察知する能力が格段に上がたりする。

今までのように終わったチャートで「あー見逃したーー」と地団駄を踏んだり、エントリーした瞬間に「転換にまきこまれて利益を飛ばしたー」と悔しい思いしたりをすることが激減することだろう。

目次

1. エリオット波動論における推進波の種類

エリオット波動 推進波の種類

前記事「エリオット波動のカウントの仕方。見極めには3つの基本ルールの理解が重要」で、エリオット波動には5つの波形があるということを解説した。

推進波に、インパルス(衝撃波)、ダイアゴナルという2つの波形。修正波には、ジグザグ、フラット、トライアングルという3つの波形がある。
この記事では、推進波であるインパルス(衝撃波)とダイアゴナルの波形を解説していく。

推進波の図

1-1. エリオット波動の1波・3波・5波・A波・C波に見られる波形(波の形)

推進波は、5波動構成の波でメイントレンドの方向に進むアクション波として現れる。
波動の1波・3波・5波・A波・C波に現れる。

先の記事で書いたように、アクション波=推進波と誤解されていることが多い。
ただ、このページから初めて訪れた人のために、もう一度おさらいをする。

アクション波・リアクション波


推進波は、メジャートレンドの方向に推進する波の形のこと。

アクション波は、メジャートレンドの方向に進む波のこと。

 

アクション波とリアクション波

 

どうして誤解している人が多いかというと、ひとまわり大きいエリオット波動をフラクタル構造(フラクタル構造はこの後に説明)で見た場合、1から5の波がひとまわり大きい1波となり、それがアクション波になるから、「アクション波=推進波」と解釈しても不都合がない点にある。

話を戻してもう一度強調する

推進波は、メジャートレンドの方向(アクション波と同じ方向)に出る波の形である。

 

推進波は5波動更生

 

これを理解すると、5波動構成の波を見つけたらそれは推進波であり、ひとまわり大きな時間軸の1波・3波・5波・A波・C波のどれかであるという事が推測される。

その中で一番可能性の高いものを推測して、そこからの相場展開がイメージできるのでシナリオが立てやすくなる。

注釈
シナリオというのは今後どのような値動きをするのか?をイメージすることである。
初心者はイメージって言葉を聞くと、予想することや相場の行方を当てることと勘違いをするがシナリオはあくまでも、考えられる可能性の一つでしかない。
しかし、なにか指針を立てて仮説を立てないと話が先に進まないので想定される可能性の中からどれか一つを選ぶ必要がある。その選んだ可能性に基づいてトレード計画を立てる行為を「シナリオを立てる」という。

 

1-2. エリオット波動論の副次波とは?

エリオット波動論では「何波構成」とか「副次波」いう言葉が頻繁に出てくる。これを聞いて、意味がわからないという人がいるといけないので説明する。

例えば「5波動の構成」というのは、フラクタル構造で一つの波を細かく見たときに見えるその波の一段下の階層の波が5つの波で出来ている状態のこと。また、その波を形成している波を「副次波」という。

脳みそバーン

文章だけだと、何を言っているのかわからないだろう。
説明している小生も、多分伝わらないだろうなあと思っているので図で説明する。

副次波が

よって、今後5波動構成という言葉が出てきたら。「あー、副次波が5つで構成されている波のことね」と理解してほしい。

2. エリオット波動の推進波の種類①インパルス(衝撃波)

インパルス

さて、推進波のインパルス(衝撃波)について話をする。

これはエリオット波動といえばこの波形と言うくらいメジャーであり、エリオット波動を覚えたての者が最初にチャートの中で見つけようとする波の形である。

エリオット波動の説明をするサイトや書籍の中には、インパルスの形のみをエリオット波動として説明しているところも少なくない。しかし、それは間違いである。
インパルスはエリオット波動の中の推進波の1つの種類である。

インパルスだけを指して「エリオット波動」というのは日本地図で千葉県だけを指して、これが日本ですというような話だ。

断片的で中途半端な知識ではトレードは勝てない。

インパルスのみをエリオット波動として誤解している者が多い理由だが小生が思うに、インパルスのルールが1番わかり易いからなんだと思う。

インパルスのルール

2-1. エリオット波動のインパルス(衝撃波)のルール

インパルスは副次波が、「5-3-5-3-5」の5構成で進む推進波で、チャートで頻繁に見かける形でもある。

インパルスのルール

前述したようにエリオット波動と聞いて、多くの人が最初に思い浮かべるのがこの形だろう。

インパルスの福次波
インパルスを形成している副次波の図

インパルスのルール

インパルスの要点

・1波、3波、5波において3波がもっとも小さくなることはない
・2波は1波の始点を割り込んでいない
・4波は1波に重ならない

これらはインパルスを形成する際のルールであり、一つでも成立しない場合は他の波形である可能性があるということだ。

2-2. エリオット波動論の勘違いと、こじつけと言われる理由

よく見る間違った解釈

本や他のWEB記事では、インパルスにおいて「3波が一番長くなる」と説明しているのを見かける。正確には、1波・3波・5波のうち3波が一番短くなることはないが正解である。

インパルスは3波が一番長くなることが多いので、3波が一番長いと考えてもいいんじゃないか?という考え方でそう説明しているのだろう。

でも正確には、3波が一番短くなることはないのである。

また、「4波は1波と重ならない。重なる場合はエリオット波動ではない」と説明しているサイトや書籍が多い。正確には「割り込む場合は、インパルスとは言えない」というだけの話である。

エリオット波動論には、インパルス以外にもさまざまな波形がある。こうした事実も知らないで、インパルスのみを相場にあてはめ、「エリオット波動論はこじつけだ」とか「使えないオカルト理論だ」とか言っている者が多い。インパルスのみしか知らないなら、使えないのは当たり前である。

3. エリオット波動の推進波の種類②ダイアゴナル

ダイアゴナル

ダイアゴナルはインパルスでない場合の推進波の波の形である。前述したようにインパルスだけがエリオット波動ではない、ダイアゴナルという波の形もある。

このダイアゴナルは1波や5波などの、トレンドの始まりや終わりに現れることが多いのでダイアゴナルを発見してから、展開を推理してシナリオを立てることに役立つ。

トレンドの始まりに現れるのが、リーディング・ダイアゴナル
トレンドの終焉に現れるのが、エンディング・ダイアゴナル

これについては、この記事の最後のほうで詳しく述べている。

ダイアゴナルを理解すると、インパルスが見つからない場合やインパルスの条件が途中で崩れた場合のシナリオ変更が出来るようになる。

注釈
シナリオというのは今後どのような値動きをするのか?をイメージする事である。
初心者はイメージって言葉を聞くと、予想することや相場の行方を当てることと勘違いをするがシナリオはあくまでも、考えられる可能性の一つでしかない。
しかし、なにか指針を立てて仮説を立てないと話が先に進まないので想定される可能性の中からどれか一つを選ぶ必要がある。その選んだ可能性に基づいてトレード計画を立てる行為を「シナリオを立てる」という。

3-1. エリオット波動のダイアゴナルのルール

ダイアゴナルのルール

*注意:ダイアゴナルの場合は、4波が1波と重なってもよい。ダイアゴナルもインパルスと同様、5波動で形成される推進波である。

ダイアゴナル

しかし、波を構成する副次波が、「3-3-3-3-3」または「5-3-5-3-5」のどちらかになる。

ダイアゴナル

波の特徴としては、上昇の初めとなる大きな波が徐々に小さくなり、最終的には上下どちらかに突き出る。別の言い方をするとウェッジである。

ダイアゴナルの要点をまとめると、以下のようになる。

・4波が1波に重なることが多い
・ダイアゴナルの上値・下値ラインは交差する
・3波が一番長くなるわけではない
・ダイアゴナルは、トレンドの始まりや終わりに現れることが多い

インパルスでは、ルールとして4波が1波に重ならないことが必須条件となる。ところが、ダイアゴナルの成立条件では4波が1波に重なってもかまわない。

また、ダイアゴナルの副次波となる1波と3波、2波と4波を結んだ線は、上下共に交差する形になる。(拡大型は除く)終盤となる5波にかけては、価格が縮小していることが確認できるはずだ。

さらに、インパルスの場合は3波が一番長くなることが多いが、ダイアゴナルの場合は一番長くなることはない。むしろ、1波、3波、5波にかけて、波の長さは小さくなる傾向にある。ただし絶対条件ではないから、無理やり当てはめる必要はない。

3-2. エリオット波動の拡大型ダイアゴナルのルール

拡大型ダイアゴナル

ダイアゴナルは1波からエンディングの5波にかけて、波形が縮小する特徴があると説明した。ただし、例外的に波形の振幅が広がる拡大型ダイアゴナルが出現することもある。

副次波が3-3-3-3-3でも5-3-5-3-5でも良いというのがダイアゴナルなので、事前に気がつくダイアゴナルはウェッジ型でないと気がつかないことがある。

5-3-5-3-5の構成で、4波が1波と重なればダイアゴナルかもと推測できるが、どちらにしろチャートが完成する最後のほうで気がつく場合がほとんどである。

ウェッジ型 ダイアゴナル

事前に気がつかないと意味がないと考える者がいるが、そんなことはない。ダイアゴナルはトレンドの始まりか終わりに現れることが多いとされているので出来上がってから気がついても遅くはない。

そこからトレンドが始まったり、転換したりするのであれば利益を出す場所はたくさんある。

3-3. ダイアゴナルの出現位置はインパルスの1波、5波など

ダイアゴナルは、ひとまわり大きな波動の副次波としては最初か最後に現れる。
このことから、相場の転換が近いと察知して早い行動が取れるようになる。

ダイアゴナルの出現場所は以下のとおり

・インパルスの1波・5波
・5-3-5-3-5のダイアゴナルの1波・5波
・ジクザクのA波・B波
・フラットのC波

注意

ジグザグとフラットは、修正波の種類のことで後述別記事で解説する

3-4. 出現位置(1)リーディング・ダイアゴナル

リーティ゛ングダイアゴナル

1波やA波に出現するダイアゴナルを、リーディング・ダイアゴナルと呼ぶ。これは、トレンド開始のサインといわれる。

例えば、インパルスの1波らしき箇所がダイアゴナルであるならば、「この次に推進の5波である3波と5波を形成し、伸びるのではないか?」とイメージすることができる。

リーディングダイアゴナル

3-5. 出現位置(2)エンディング・ダイアゴナル

エンディングダイアゴナル エンディングダイアゴナル

インパルスの5波、修正波のジグザグ、フラットのC波に現れるダイアゴナルをエンディング・ダイアゴナルという。

エンディング・ダイアゴナルは「最後の波」という意味なので、トレンドの最後の波である場合が多く、トレンドが終わり反対方向に進むとされている。

4. おわりに

エリオット波動 おわりに

この記事では推進波についてインパルスとダイアゴナルについての話をした。

インパルスのルール

インパルスの要点

・1波、3波、5波において3波がもっとも小さくなることはない
・2波は1波の始点を割り込んでいない
・4波は1波に重ならない

ダイアゴナルのルール ダイアゴナルの要点

・4波が1波に重なることが多い
・ダイアゴナルの上値・下値ラインは交差する
・3波が一番長くなるわけではない
・ダイアゴナルは、トレンドの始まりや終わりに現れることが多い

エリオット波動は厳密にルールを当てはめると何もできなくなる。しかし、これは覚える必要がないとかいい加減で良いということではない。

基礎をしっかり学んだ上で実践で役に立つ部分、役に立たない部分を自分の売買の記録から真面目に検証して、自分で取捨選択することが重要である。

取捨選択する上で、無視していい部分とこれだけは外せないものがある。

その判断をする為にも、エリオット波動でいわれている基礎は押さえておかないと聞きかじりで知ったかぶりしている否定派と同じことになってしまう。

逆に基礎をきっちりと押さえれば、単純で当たり前の事を難しく言っているだけということに気がつくだろう。そうなってはじめて「使える」と言えるのだ。

次の記事では修正波についての説明になる。
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