移動平均線の種類は3種類?トレードで欠かせない3つの移動平均線を徹底解説
「移動平均線にはどんな種類があるのだろう?」「移動平均線について調べているけど、様々な種類があるみたい」あなたは、こんな漠然とした疑問を抱いてはいないでしょうか?
移動平均線は多くのトレーダー(投資家)が意識しているテクニカル分析の一つであることから、欠かせない分析方法の一つとなっております。そこで、当記事では多くのトレーダーが意識している3つの移動平均線について詳しく解説します。各移動平均線の種類から使いどころまで理解できるので、分析手法の一つとしてチェックしてください。
目次
1. 多くのトレーダーが意識する移動平均線は3種類!各移動平均線の特徴を抑えよう
先述したように、株式から為替まで、多くのトレーダーが意識している移動平均線の種類は3つあります。
・指数平滑移動平均線(EMA)
・加重移動平均線(WMA)
これらの移動平均線について、各特徴を解説します。
1-1. 単純移動平均線(SMA)
単純移動平均線は、「Simple Moving Average」あるいは、単に「Moving Average」と表記される場合が多く、「SMA」や「MA」と呼称されています。
単純移動平均線の特徴は、一定期間における終値の平均値を計算して求めた数値を線にして繋いでいます。
例として、200日移動平均線の場合、200日分の終値を集計し、日数分(200)で平均化した数値を線として表示しています。
200日移動平均線を計算式に当てはめると、200日移動平均線=(1日目の価格+2日目の価格+3日目の価格+4日目の価格………+200日目の価格)÷200となります。
一定期間からシンプルに移動平均線を求めることから、シンプルな平均線をチャート上に表示しやすいです。
*因みに、いずれの移動平均線に関しても、時間軸の違いごとによって求める平均の終値は異なってきます。
一般的に使われるのは以下のとおりです。
・1時間-4時間足 100MA 200MA
・5-15分足 8MA 14MA 22MA
この数値は絶対的なものではなく、多くのチャートソフトにデフォルト(初期設定の意味)でされている数値であり、あくまで参考程度にしてください。
1-2. 指数平滑移動平均線(EMA)
指数平滑移動平均線は、「Exponentially smoothed Moving Average」と略されている移動平均線のことで、「EMA」と呼ばれています。
EMAの特徴は、一定期間における終値の平均価格と直近の終値価格を2倍にして、日数分を割った平均線です。
詳しい計算式としては、
EMA=(前日のEMA)+N×(当日終値-前日のEMA)N=2÷(k+1)*K=期間となります。
仮に、5日目EMAの価格が100円だったとします。そして、6日目(当日終値)の価格が101円の場合、EMAを求める計算式は以下となります。
6日目のEMA(最新)=100+2/7(101-100)=100.285714*N = 2/(6+1)=2/7
したがって、6日目(最新)は「100.285714」のEMAが求められます。以上のように、直近価格に比重を置いて求める移動平均線であることが分かります。
ハッキリ言って計算式は覚えなくていいです。この後で説明しますが、今はこういうもんだとだけ覚えてください。
1-3. 加重移動平均線(WMA)
加重移動平均線は、「Weighted Moving Average」の略で、「WMA」と呼称されている移動平均線の一つです。
加重移動平均線の特徴は、指数平滑移動平均線と類似しており、直近の価格を重視して移動平均線を算出しています。
a日移動平均線と仮定し、加重移動平均線を求めると、
a日間の加重移動平均線=(当日値×a+〈a−1〉前日値+…〈a−5〉前日値)÷(a+〈a−1〉+…..+1)
となります。
仮に、以下の終値を参照として3日間の加重移動平均線を求める場合、
3日間の加重移動平均線=(3×a)+(2×a1)+(1×a2)÷ (3+2+1)*《300+240+90÷6=105》で求めることが可能です。
上記から分かるように、加重移動平均線では直近の値における比重を高く置いています。反対に、過去の終値になるほど比重も低くなっています。
直近の値動きによく反応することからも、直近のチャートの値動きに対して敏感に反応することを把握しておきたいです。
ハッキリ言って計算式は覚えなくていいです。この後で説明しますが、今はこういうもんだとだけ覚えてください。
2. 3種類の移動平均線はどのように使いこなすべきか?
ここまで、代表的な移動平均線について3つほど紹介しました。下記の画像は、200日での各移動平均線を表示したものです。
単純移動平均線は、一定期間における終値の平均を求めることで全体的な平均値を求めることから緩やかな線を描いています。
他方、指数平滑移動平均線や加重移動平均線では、より直近の値動きを意識した線が描かれています。
画像からも分かるように、各移動平均線によって現れる特徴には違いがあり、特定の条件において強みを発揮するとされています。
いずれの移動平均線にもメリットとデメリットがあり、どれを使えばよいのか?という疑問がわいてくるでしょう。
結論から先に言うと、「決めてしまえば何でもよい」です。
EMAを使ったからSMAより勝てるようになるという事はないです。移動平均線は過去の終値をいくつか足して加工したものであり、そのようなものがEMAだから勝てるとかWMAやSMAだから勝てないというレベルの話ではないです。ちなみに私と仲間のトレーダーはSMAを使っています。
3. 初心者におすすめの移動平均線とは?まずはSMAを使用してみよう
初心者が初めて使用するのにおすすめな移動平均線は、単純移動平均線(SMA)です。これは、多くの投資家が単純移動平均線を目安に取引しているため、線に当たる価格帯は強く意識されるラインとなります。また、複数の移動平均線を参考に、エントリーや利益確定、損切りをリアルタイムで判断するのは初心者にとって難易度が高いです。
ゆえに、単純移動平均線を用いてトレンドの転換から方向性をしっかりと確認してみましょう。
4. まとめ
今回は、移動平均線の種類について代表的な3つに分けて解説しました。
・単純移動平均線
・指数平滑移動平均線
・加重移動平均線
どの移動平均線にも、それぞれの特徴がありメリットもあればデメリットも存在します。そして、どれを使えば勝てるようになるというものは存在しません。
私としては、どれが多く使われているのか?で判断すればよいと考えています。たいていのチャートソフトにデフォルト(初期設定の意味)で設定されているのはSMAであり、それを別の種類に変更するトレーダーは少ないです。だとするならば、デフォルトのままSMAを使えば良いというのが結論です。