移動平均線の見方って?移動平均線の実践的な知識と使い方を徹底解説
「移動平均線の見方について詳しく知りたい」
「移動平均線を複数使ってるけど、具体的にどんなポイントを意識してトレードすべきだろうか?」
なんて、疑問を抱いて漠然とトレードをしていないでしょうか?
移動平均線は世界中の投資家/トレーダーが活用していることからも、相場において強く意識されやすいです。そのため、移動平均線の見方をしっかりと学ぶことで、利益を狙うためのチャンスも見つけやすくなります。
そこで、実践で十分に活用できる移動平均線の見方について詳しく解説します。当記事を読むことで、移動平均線の見るべきポイントと売買サインの判断について詳しくなれるはずですよ。
ぜひ、最後までチェックしてみてくださいね。
目次
1. 移動平均線の見方はシンプル(基本はこれだけ抑える)
まず、移動平均線を通じて相場からキャッチできる情報は以下に集約されます。
「移動平均線の傾きによって、価格に対する群衆の心理状態を確認できる」ということです。
それゆえ、移動平均線が上向きであれば上昇トレンドへの圧力が強く、反対に移動平均線が下向きであれば下降トレンドへの圧力が強いということになります。
また、移動平均線が横向きである場合は、トレンドがはっきりと出ていない状態として解釈できます。
一見、移動平均線を見ればトレンドを把握できるので、使いこなすことで簡単に利益が出せると勘違いしてしまいがちです。しかし、移動平均線は現在の値動き・トレンドを示しているだけであり、完全に今後の価格推移を推測できるものではありません。
騙しも多く多発するゆえ、簡単なテクニカル分析と考えてしまうのは早計となります。
2. 移動平均線は短期・中期・長期で使い分ける?各期間ごとにおける移動平均線の特徴
移動平均線を用いたトレードをする際は、複数の期間に分けた移動平均線を使用するのが一般的です。
これは、期間ごとに異なる一定の平均化された価格を移動平均線として算出しており、複合的に分析して現在のトレンド(上昇・下降・レンジ)を把握できるためです。
下記の表は、日足〜月足におけるチャートで多くの投資家/トレーダーが使用している移動平均線の各期間となります。
*あくまで、短期〜長期線における一般的な設定になるため、各投資対象に応じて調整/使い分けたいです。
このように、移動平均線の期間ごとにおける種類を抑え、あなたがトレードしている時間軸に当てはめて設定しておくことをおすすめします。
上記の日足における短期・中期・長期線をチャートに反映してみると以下のようなチャート画像となります。
チャートの上から青・オレンジ・黄色の順で移動平均線が推移しており、短期〜長期順で推移していることが分かりますね。
お気付きかもしれないが、短期の移動平均線は中期・長期よりも早くローソク足に反応した動きをしています。その上、中期移動平均線は長期移動平均線よりも早く、ローソク足に沿った動きをしていることが観測できます。
このような短期線が早く動く理由は、移動平均線の算出方法にあります。
つまり、5日移動平均線と25日移動平均線の場合では、集計する期間に違いがあるのです。
5日移動平均線:5日分の終値を平均して求めている
25日移動平均線:25日分の終値を平均して求めている
となるため、短期線は直近の価格に対して素直に動きやすくなります。そして、中期・長期線においてはトレンドの転換が遅れることも特徴的です。
もちろん、中期・長期線は短期線と比較すると、価格がブレイクする頻度はそう多くありません。ただし、ブレイクした場合は精度の高いトレンド転換としての根拠を持ちやすくなります。
2-1. 移動平均と価格の関係も重要
また、移動平均線に対して価格が上にあるのか?下にあるのか?ということも分析する上で重要になってきます。例えば25日移動平均線よりも価格が上にあるということは
過去25日に買った人は、含み益である場合が多いということです。
これは何を意味をするのか?ポジションが含み益の状態の時の心理状態を想像してみてください。
嬉しいですよね?強気ですよね?
では逆に、25日移動平均線よりも価格がしたにあるとします。
これは過去25日に買った人の多くの人が含み損の状態ということです。
もし、この時あなたが買いポジョンを持っているとしたら、どんな心境でしょうか?
移動平均線の傾きとともに価格が上にあるのか?下にあるのか?ここを注意してみる事でチャートに現れる心理状態が理解できるようになります。
次章では、この章でご紹介した期間ごとに異なる複数の移動平均線を用いて、トレンドを見極める方法を詳しく解説します。
3. 複数の移動平均線でトレンドを把握する?移動平均線を用いた売買サインの見分け方
短期〜長期における複数の移動平均線を掛け合わせることで、トレンド把握/売買サインを見つけることが分かりました。
ここでは、
・買いサインのゴールデンクロス(GC)
・売りサインのデッドクロス(DC)
の3種類について、複数(期間別)の移動平均線における実践的な使い方を習得してみましょう。
3-1. 移動平均線で把握できる買い・売りの優位性
短期〜長期線、いずれの移動平均線においても、上記の表で示す移動平均線の傾きは「買い」「売り」の優位性を知る上で重要となります。
これだけでは正確な分析をできているとは言えませんが、移動平均線の向いている方向を確認しておくだけで、「買い」「売り」の目線を定めておくことができます。
先述したように、短期線の方が集計している期間が直近であることから、動きが早くなる傾向になることを覚えておきましょう。
3-2. ゴールデンクロス(GC)での買い戦略
複数の移動平均線を用いた分析方法では、ゴールデンクロス(GC)と呼ばれる買いサインの可能性を示唆する指標があります。
これは、中期・長期の移動平均線を短期の移動平均線が、下から上に突き抜けることを指します。一般的には、ゴールデンクロスを確認すると上昇トレンドへ転換したと判断し、買いが優勢になります。
例として、上記画像のようにオレンジの中期線を青の短期線が上抜いてることが分かります。まさに、ゴールデンクロスの典型例であり、その後の価格が上昇していますね。
中期・長期線が緩やかな上向きや横向きの場合であっても、短期線が上抜いてトレンド転換となるケースがあることも頭に入れておきましょう。
3-3. デッドクロス(DC)での売り戦略
デッドクロス(DC)は、ゴールデンクロスに対して反対の売りサインを判断できる指標となります。
見分け方としては、中期・長期の移動平均線を短期線が上から下へと突き抜ける動きをします。この場合、一般的には下降トレンドへと転換した可能性が高まり、売りが優勢になると判断できます。
こちらも例として、上記画像のようにオレンジの中期線を青の短期線が下抜けしていることが観察できます。デッドクロスが発生しており、価格推移としても下落が続いていますね。
また、デッドクロスは中期・長期線が緩やかな下向きや横向きの場合であっても、短期線を下抜きやすいことに着目しておきたいです。
4. 移動平均線は「騙し」も多い!簡単に信じてしまうと大損になる可能性もあり
移動平均線を用いたトレンドの把握、ゴールデンクロス・デッドクロスによる売買サインの判断について紹介しましたが、完全に信用して使ってしまうのは危険です。
というのも、移動平均線だけに頼った分析ではどうしても「値動きの騙し」に巻き込まれやすいです。
さらに詳しく説明すると、多くのトレーダーが多様なテクニカル指標を根拠にトレードしているためです。
例えば、
・ローソク足の形状
・ダブルトップ・ダブルボトムなどのチャートパターン
・トレンド・オシレーター系のテクニカル指標
などのテクニカル指標を使用しているため、移動平均線だけでは完全に値動きの推測を行うのは困難になります。よって、移動平均線だけでなく最低でも1-2個ほどのテクニカル指標を組み合わせて分析することで、精度の高いエントリー根拠を持てるようになります。
「値動きの騙し」に引っかからず、精度の高いエントリーで利益を狙うためにも他のテクニカル指標を有効活用しましょう。
5. まとめ
今回は、移動平均線の見方について各期間ごとの特徴や実践的な判断方法について解説しました。移動平均線と言えば、テクニカル分析の王道として多くのトレーダーに使用されていることから多くのチャートで意識されやすいです。短期〜長期線と、複数の移動平均線を参考に全体的なトレンド把握ができるので、慣れると使いやすいテクニカル指標の一つとなります。
また、ゴールデンクロス・デッドクロスを即座に見抜けるようになるとトレンド転換を視野に入れたトレード戦略も構築しやすいです。ただし、繰り返しにはなるが移動平均線だけを参考にすると「騙し」も多いので、あなたに合うテクニカル指標も参考にしましょう。移動平均線の見方をマスターし、ぜひトレードで利益を上げるための素養を磨いてみてくださいね。